ホームページを作りたい、リニューアルしたいというご相談を掘り下げていくと、「ネットショップの売上を増やしたい」「見込み客などのリードを獲得したい」といったWeb集客についてのお悩みを抱えていることが多いです。
使ってくれる方が嬉しいですし、効果を出していただきたいので、お客様向けにSEO対策についてのレクチャーをしています。
みなさんSEOという言葉だったり、タイトルやディスクリプションなどのコンテンツSEOについてなどご存じのこともあるのですが、断片的な情報しか持っていないことも多く、体系的に解説すると実にすっきりした顔をしてくださいます。
本記事はお客様向けに実施しているレクチャーを3部作でまとめたものです。
文中に色々詳細コンテンツを紹介していますが、まずは3部作を読了してみてください。
3部作を読了すると、SEO対策の全体像ができます。
青写真を作った上で詳細を知りたいトピックについて読んでいくことをおすすめします。
関連記事 【今日から始めるSEO対策】#2キーワードとテクニカルSEO
関連記事 【今日から始めるSEO対策】#3目指すはストーリーテラー
第1部となる本記事では、SEOの意味や検索エンジンの国別シェア率、ランキングが決定される仕組み(アルゴリズム)と、評価を獲得しやすいコンテンツについて解説しました。
SEOとは?
SEOとはSearch Engine Optimazation(サーチエンジンオプティマイゼーション)の略です。
日本語訳だと「検索エンジン最適化」
日本における検索エンジンはGoogleを意味していますので、SEO対策≒Google対策が主体になります。
念のため国別&端末別の検索エンジンのシェア率を確認しておきましょう。
国別PCの検索エンジンシェア率
国名 | 検索エンジン名 | シェア率 |
---|---|---|
日本 | 85.03% | |
Bing | 14.21% | |
中国 | Baidu | 52.02% |
Sogou | 27.35% | |
アメリカ | 80.84% | |
bing | 17.37% |
「あれ?Yahoo!JAPANがない」と思った方もいるかもしれませんが、YahooはGoogleのシステムを使っています。
これだけのシェアを確保してしまうと、独禁法でGoogleが解体でもされない限り、そう簡単に覆すことができないでしょう。
国別モバイルの検索エンジンシェア率
国名 | 検索エンジン名 | シェア率 |
---|---|---|
日本 | 99.10% | |
bing | 0.34% | |
中国 | Baidu | 87.63% |
Shenma | 6.95% | |
アメリカ | 94.16% | |
bing | 4.64% |
モバイルになると更にGoogleの比率が高くなります。
Appleに巨額の資金を払ってBingを締め出した甲斐があったというものです。
中国は独自の路線を進んでいますが、世界の検索エンジンはGoogleとbingの2強で、Googleが8割~9割のシェアを占めています。
日本はPCで92.5%、モバイルで99.07%、Googleの影響を受けています。
以上のことから、検索結果の上位に表示されようと思ったら、Googleの決めたルールに沿う必要があるということです。
Googleの決めたルール(アルゴリズム)
ランキングを決めるルールの詳細は公開されていません。
全部で200以上の基準があると言われています。
200以上の基準をすべて満たして100点を取ろうと思ったらもの凄く大変ですが、この基準はすべて同じ点数ではありません。
配点が大きい部分もあれば小さい部分もあり、配点が大きい部分を抑えるだけでも上位表示は可能です。
検索ランキング決定で配点が大きい部分
SEOに取り組んでるなら超有名な「Googleが掲げる10の事実」の1番最初に書かれています。
引用しておきますね。
Google が掲げる 10 の事実
Google がこの「10 の事実」を策定したのは、会社設立から数年後のことでした。Google は随時このリストを見直し、事実に変わりがないかどうかを確認しています。Google は、これらが事実であることを願い、常にこのとおりであるよう努めています。1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Googleが掲げる10の事実:https://www.google.com/about/philosophy.html?hl=ja
Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。Google のトップページはインターフェースが明快で、ページは瞬時に読み込まれます。金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。広告は、広告であることを明記したうえで、関連性の高い情報を邪魔にならない形で提示します。新しいツールやアプリケーションを開発するときも、もっと違う作りならよかったのに、という思いをユーザーに抱かせない、完成度の高いデザインを目指しています。
検索エンジンやYoutubeを始め、GoogleマップやGoogleマイビジネスなど「無料でいいの?」と思うほど質の高いツールやコンテンツを提供しているGoogleが言うと説得力がありますよね。
ウチはとにかくユーザーの役に立つように運営をしていたら、数十億の人から支持されるようになった。
集客力に目を付けた企業が広告を出したいと求めてもらえるようになり、大きな企業になった。
この集客力を実現しているのは、ユーザーの悩みに的確に答えることができる検索結果。
この検索結果の出来によって集客力が高まるかもしれないし、台無しになるかもしれない。
下手なコンテンツを紹介するわけにはいかない。
だから、コンテンツは「ユーザーの役に立つかどうか?」で評価されるし、最も大きな配点を占めているということです。
もう少し具体的な基準をご紹介します。
ユーザーの役に立っているかどうかをどうやって判断しているのか?
Googleは4つの観点から各カテゴリ内のコンテンツを「ユーザーの役に立っているか?
」判断しています。
- 閲覧時間
- サイト内での行動
- 被リンク
- サイテーション
十分なサンプルが取れたらランキングを動かしています。
ランキングが落ち着くまでに必要な期間が3か月~半年と言われています。
1.閲覧時間
同じ問題について語ったA、Bという2つのコンテンツがあったとして、平均閲覧時間がAは30秒、Bは5分だったとしたら、どちらのコンテンツが有益だと思いますか?
人気の番組や面白い本が最後まで観られるように、有益なコンテンツはしっかり読んでもらえます。
一般論で語るなら、AよりもBの方が有益なコンテンツの可能性が高いでしょう。
Googleはこの作業を数万~数億の規模でやっています。
複数のサンプルを取って小まめにランキングを動かしていきます。
コンテンツの平均閲覧時間と検索順位にはある程度の相関関係があります。
コトウリで1~3位を取っているキーワードのコンテンツはすべて平均閲覧時間が5分以上となっていますし、人気のないコンテンツの閲覧時間は1分未満のものが多いです。
カスタマイズ方法を解説しているコンテンツだと、文字数は2,000~3,000字程度なのに平均時間が10分を超えているものもあります。
ページを開きながら作業してくれているんでしょうね。
役に立って何よりです。
2.サイト内での行動
サイト内の行動から「悩みが解決されたか?」を判断しています。
Know(知りたい)、Do(やりたい)、Go(行きたい)、Buy(買いたい)といった願望を元に検索します。
Know(知りたい)やDo(やりたい)で調べたなら、コンテンツを読了してブラウザを閉じたら加点、コンテンツでは満足できず再検索したり、他のページを閲覧しているなら減点となります。
Go(行きたい)なら、コンテンツを閲覧した後に電話をかける、予約する、地図アプリを立ち上げるといった行動が起これば加点、Buy(買いたい)なら、紹介先のリンクをクリックするか、ECサイトの商品詳細画面でカートに追加のボタンをクリックすれば加点です。
「合わせて読みたい」「関連記事」などのおすすめしたコンテンツがクリックされているかなども加点ポイントです。
3.被リンク
特売情報が主婦の間でシェアされるように、最新ゲームの攻略法がシェアされるように、待ちに待った映画の最新作の情報がシェアされるように、良いコンテンツは情報源(ソース)として紹介されます。
1人よりも100人が紹介している商品の方が品質が高い気がしますし、たくさん引用されているコンテンツは信頼性の高いコンテンツとして判断されます。
ナチュラルリンクはいくらあってもいいものです。
この理屈を悪用して「リンクの売買」などが幅を利かせていた時代もありましたが、今は昔。
リンクを買って短期的に効果が出たとしても、バレたら圏外に吹っ飛ばされるので、割に合いません。
そんなお金があるなら、コンテンツを作ってもらった方がよっぽど有意義です。
ブログの引用などで使われるのはもちろん、SNSなどでシェアされた場合も被リンクとなります。
誰がリンクしたのか?というのも大きな要因です。
大企業や(その道の)有名人などの影響力を持った方からリンクをもらうと、順位が大きく上がることもあります。
4.サイテーション
「どのくらい話題になっているか?」を判断しています。
被リンクとの違いはURLの有無です。
公式サイトに訪れてURLをシェアしているなら別ですが、普段のやり取りやSNSの投稿でいちいちリンクを調べたり、タグをつけて投稿するのって面倒ですよね。
そんなタグやリンクはついていないけど、ブログ内で名前を出した、SNSで話題になることをサイテーション(引用・言及)といいます。
インフルエンサーに紹介されて、フォロワーが話題にすることで一時的に順位が上がるのもサイテーションがランキングの変動要因に入っているからです。
基準は分かった。
では、どうすればランキング上位に入れるコンテンツが作れるのでしょうか?
コンテンツ発信のポイント
まずは「こういうコンテンツがありますよ!」と発信しましょう。
「当たり前では?」と思うかもしれませんが、自社がやっていることを上手く発信できていない企業は多いです。
機能面、ベネフィット、価格帯、実現したいことなど、顧客視点でコンテンツを発信しましょう。
無償・有償は問いません。
誰もが閲覧できるブログ記事もコンテンツですし、有償の商品やサービスもコンテンツのひとつです。
ユーザーの役に立つコンテンツをつくるポイントは3つです。
- ユーザーの感情を揺さぶるコンテンツを作成する
- 専門性を活かしたコンテンツを作成する
- 心地いいユーザー体験を提供する
1.ユーザーの感情を揺さぶるコンテンツを作成する
「へー」「ふーん」はダメです。
「楽しい」「面白い」「助かった」「感動した」「いい刺激になった」「思わずポチった」「友人や家族との雑談に出した」などの強めの感情を抱いてもらったり、行動を促すようなコンテンツを作りましょう。
万人受けする必要はありません。
子どもを笑わせるおバカコンテンツでもいいですし、大学生の就活の悩みを解決するようなコンテンツでも、50代女性の肌のお悩みを解決できるようなコンテンツでもいいのです。
とにかく狙ったターゲットペルソナの印象に残るコンテンツを作りましょう。
人物像は想像でも構いませんが、属性や価値観などにリアルにいる人を混ぜてあげるとより伝わりやすくなります。
煽ったりマイナスの感情を増幅させるよりは、プラスの感情を抱いてもらえるようなコンテンツを作りましょう。
プラスの感情でもマイナスの感情でも行動を促すことができますが、前向きに臨んでもらえる方がコンテンツを作っていて楽しいですし、売ってて楽しいです。
状況や境遇を活かした共感型のコンテンツもありますが、ニーズをつかむのが上手な一部のインフルエンサーのように連発するのは難しく、単発で終わってしまうことが多いです。
状況や境遇に依存するよりも、専門性を活かした方がヒットする確率は上がります。
2.専門性を活かしたコンテンツを作成する
サロンならヘアケア情報、家電量販店なら最新家電のレビュー、整骨院なら簡単にできるストレッチ方法、料理人なら美味しく作るコツなどの専門性を活かしたコンテンツを発信しましょう。
料理未経験のオリジナルレシピより、主婦が発信しているレシピの方が見たいですし、料理研究家が発信しているレシピの方がより見たいですし、ミシュランの星を獲得したシェフが発信しているレシピの方がもっと見たいです。
「誰が言っているのか?」ということを重視されるようになっています。
実績を積み上げて、評価が付いてくればそのうち「専門家」として認識されるようになりますが、わざわざ厳しい道を通らなくても、ご自身の専門性を活かしてコンテンツを作成すれば、スタート位置が有利になります。
コンテンツの質も高くなりますし、結果も出やすくなりますよ。
誰でも知っているような情報を掲載しても、なかなかリンクはもらえません。
専門性を活かして創作物(物語、イラスト、写真、デザインなど)を生み出したり、リサーチした結果をまとめたレポート、ニュース性のあるコラボの実施、お客さんにインタビューしたコンテンツなど一次情報を使った代替できないコンテンツを発信しましょう。
誰かと協業する際に相手が動いてくれるかどうかは、あなたの専門性と情熱にかかっています。
3.心地いいユーザー体験を提供する
コンテンツの質が高くてもサイトの環境によって、大幅にマイナス点がつくことがあります。
スマートフォンで最適化していないサイトにアクセスすると、文字は小さいですし、タップはしにくいです。
読み込みに時間がかかったら、「速度制限だったっけ?」と心配になってしまいます。
広告だらけで移動のたびに全面広告が表示されたらどうでしょう?
すぐ離脱されてしまったら、平均閲覧時間も短くなりますから、「いまいちなコンテンツなのかも?」と正当な評価がもらえないですし、「こんなサイト二度とくるか」という最低のユーザー体験になってしまう可能性もあります。
スマホ対応や読み込み速度、フォントサイズや行間など居心地のよさにも気を配りましょう。
また、メニューの写真と実物が違う、うたい文句(期待感)と実際のサービスが大きく異なるなどもユーザー体験を大きく損ないます。
訪れて欲しいからといってタイトルを誇張したりするのもやめましょう。
訪問者に誠実に対応するのが一番です。
色々覚えることが多いけど、SEO対策に成功すれば、どういったメリットがあるのでしょうか?
SEO対策のメリット
広告費をかけずに集客できることが最大のメリットです。
マスの効果は以前に比べて低減し、需要が高まったWeb広告費は年々高くなってきています。
1クリックに1,000円払って、平均滞在時間が3秒だったりします…
SEOに取り組むことで、アクセス数は積み上がっていきます。
取り組みを続けていけば、「●●と言えば××」といったようなブランディングも可能です。
「Webマーケティングパートナーと言えばコトウリ」「伴走型Web集客と言えばコトウリ」と思ってもらえるように頑張ります。
SEO対策に成功した時に得られるアクセス数
実際どのくらいのメリットがあるのかを知りたいですよね。
もし月間検索ボリュームが1,000件のキーワードで10位以内に入賞できたとすると、下記のようなイメージになります。
順位 | 獲得できるアクセス数(CTR) |
---|---|
1位 | 139件(13.94%) |
2位 | 75件(7.52%) |
3位 | 47件(4.68%) |
4位 | 39件(3.91%) |
5位 | 30件(2.98%) |
6位 | 24件(2.42%) |
7位 | 20件(2.06%) |
8位 | 18件(1.78%) |
9位 | 15件(1.46%) |
10位 | 13件(1.32%) |
月間の検索ボリュームが10,000件あるキーワードで1位を取れば約1,400件が、100件のボリュームで1位を取れば14件のアクセスが手に入るということです。
広告で同じアクセス数を確保しようと思えば、1クリック100円だったとしても、1,000件なら月額14万、年間168万円の広告費が浮くことになります。
業界やコンテンツの内容によって獲得見込み件数は変化しますが、
- 1位と10位の差が10倍以上
- 10位以内に入らないとせっかくコンテンツを作っても効果が出ない。
と覚えておいてください。
一般的に検索ボリュームが大きければ大きいほど攻略難易度は高くなりますし、購入に近ければ近いほど攻略難易度が高くなります。(攻略した時の見返りがあるからです)
攻略難易度が高い=人気が高い=ライバルが強いキーワードを狙うより、ライバルが少ないキーワードを複数狙った方が効率がいいこともあります。

SEO対策のデメリット
- 効果が出るまでに時間がかかる
- なんとなく始めると、一部の天才以外は時間を無駄にする可能性が高い
というのがデメリットです。
1.効果が出るまでに時間がかかる
「このコンテンツはユーザーの役に立つのか?」といったランキング決定の仕組みから、どれだけ良いコンテンツを作ったとしても評価されるまでに時間がかかります。
YahooニュースやGoogleニュースなどのニュースメディアやニュースアプリに取り上げられるようになると、公開して間もない時間帯でもサイト内での行動サンプルが得られますし、被リンクが手に入ったり、話題に出してもらえる(サイテーション)ため、ランキングに反映されるスピードも早くなります。
大手や芸能人なら話題性があるので比較的容易に取り上げてもらえますが、中小だとニュース性がないと取り上げてもらうのが難しいです。
プレスリリースを工夫して、目に留めてもらえる努力が必要になります。(主旨とズレるので割愛します。)
2.なんとなく始めると、一部の天才以外は時間を無駄にする可能性が高い
ブログはもともと日記なので、心理的なハードルが低いですし、手軽に始められます。
やってみた方は分かると思うのですが、ブログは始めるのが簡単でやってみると難しいことの典型例だと思います。
「何の取り柄もなかった私でもできた」といった打ち出しをしている方が多いですが、大抵は明確な戦略と確かなテクニックを元に演出しています。
文才がある方や、スター性のある方は天性のセンスから読者のニーズを上手く捉えてヒットを飛ばしますし、熟練のWebライターやコンテンツクリエイターは基本を抑えた上で、自分の「型」を持っています。
自分で計画して分析・リライトなどの改善ができるようになるまではプロにコンテンツ戦略やカテゴリを設計してもらい、3か月、半年、一年スパンで月にいくつのコンテンツを作成するのか、目標とするユーザー数はいくつかなどの計画と、コンテンツ作成の型も補助してもらいましょう。
低評価のコンテンツばかりあるサイトとイメージがついても困りますし、変なクセがついてしまうと、修正するのにより多くのコストがかかってしまいます。

今さらSEO対策を始めてももう遅い?
検索エンジンの仕組みとランキングの決定要因、どうすれば評価が高いコンテンツが作れるかについて解説してきました。
「今から始めても遅いのではないか?」と心配する方も多いですが、しっかり準備して始める方は非常に少ないのが現状です。
ライバルが多いジャンルで一足飛びに検索上位に輝くことは1年以上かけて取り組む必要がありますが、ライバルが少ないジャンルや、ニッチな商材が多いBtoBのビジネス、商圏が限られる店舗ビジネスや地域密着型なら、3か月~半年程度のスパンで上位表示も十分可能だと思います。
始めるのに遅すぎるなんてことはありません。
第2部では2020年にSEO対策に取り組んで結果が出ている事例について紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

コメント