ホームページを作りたい、リニューアルしたいというご相談を掘り下げていくと、「ネットショップの売上を増やしたい」「見込み客などのリードを獲得したい」といったWeb集客についてのお悩みを抱えていることが多いです。
使ってくれる方が嬉しいですし、効果を出していただきたいので、お客様向けにSEO対策についてのレクチャーをしています。
みなさんSEOという言葉だったり、タイトルやディスクリプションなどのコンテンツSEOについてなどご存じのこともあるのですが、断片的な情報しか持っていないことも多く、体系的に解説すると実にすっきりした顔をしてくださいます。
本記事はお客様向けに実施しているレクチャーを3部作でまとめた第2部です。
文中に色々詳細コンテンツを紹介していますが、まずは3部作を読了してみてください。
3部作を読了すると、SEO対策の全体像ができます。
青写真を作った上で詳細を知りたいトピックについて読んでいくことをおすすめします。
第2部となる本記事では、キーワードについての考え方と成功事例、知らないと損してしまうテクニックについて解説しました。
キーワードの種類と特徴
検索キーワードは検索のボリュームに応じてビックワード、ミドルワード、スモールワード、ロングテールキーワードに分類されます。
「ダイエット」を例にすると、下記のようなキーワードになります。
キーワード | 月間検索ボリュームの目安 | キーワード例 |
---|---|---|
ビッグワード | 10,000件以上 | ダイエット |
ミドルワード | 1,000~9,999件 | ヨーグルト+ダイエット |
スモールワード | 1,000件未満 | ヨーグルト+ダイエット+1週間 |
ロングテールキーワード | 100件未満 | ホット+ヨーグルト+ダイエット+1週間 |
大手や古参はビックワードやミドルワードを攻略していますし、ミドルワードを攻略するために主要なスモールワードを複数攻略しています。
それに対して、100件未満のロングテールキーワードや、お客さんから質問されたことがあるけどキーワードツールに表示されないようなマイクロキーワードは未攻略の場合もあります。
中小や店舗が狙うべきは大手が未攻略のマイクロキーワードやロングテールキーワードです。
キーワードのボリュームにもよりますが、スモールワードでカテゴリを固めて、スモールワードを統合するミドルワードをサイトのテーマとして設定すれば、十分なアクセスが得られるでしょう。
局地戦なら大手にも勝てます。
ロングテールキーワードやスモールキーワードで局地戦をくり返すことが、あなたのサイトを上位に表示する最短かつ最善の方法です。
スモールキーワードで上位表示を実現した事例
本サイト以外にも趣味で作った雑記ブログと、キーワードを絞って運営しているブログがあります。
趣味で運営しているブログはキーワードのことも大して考えることなく書きたいことを書いており、キーワードを絞って運営しているブログは一つのスモールキーワードを網羅する形で作っています。
実施した改善案
2020年4月末~7月末まででコンテンツの追加とリライトを実施(リライト含めて全部で32記事)しました。

手を加えた直後の推移を比べたものです。
雑記ブログに比べて、キーワードを絞ったブログは増加傾向が見られます。
リライトが4~6月、コンテンツの追加が6~7月ですが、評価が数字に表れたのは7月あたりなので2、3カ月かかってます。
雑記ブログにもコンテンツは追加したのですが、全然変動がありませんでした…。
2020年7月以降の推移

キーワードを絞って運営しているブログ(スモールキーワード)の2020年7月以降のグラフキャプチャです。
季節に関係するコンテンツであるため、6、7月と10、11月が盛り上がります。
年月日 | 月間ユーザー数(月間PV数) |
---|---|
2020年4月 | 328(889) |
2020年5月 | 358(1,144) |
2020年6月 | 541(1,972) |
2020年7月 | 882(2,545) |
2020年8月 | 1,315(5,611) |
2020年9月 | 2,101(11,182) |
2020年10月 | 3,543(21,142) |
攻略したスモールキーワードの月間検索ボリュームは590(2021年9月調べ)です。
2020年8月以降は3記事しか追加していないので、ほぼ放置状態で攻略キーワードは増やしていません。
それほど大きなボリュームでもないのに、需要が少ない月でも月間2,000ユーザーが確保できています。
SEOで上位表示されるには最短でも3カ月、半年から1年かかることも少なくありません。
ただ、正しい努力をすれば必ず結果に表れますし、時間がかかるということは後発に追いつかれにくいということです。
本腰入れて始めるなら、早いに越したことはありません。
8つのテクニカルSEO
テクニカルSEOはコンテンツの質やセンスは大して関係しません。
知ってるか知らないか、やるかやらないかです。
誰でもできますし、Web制作に関わったことがある方やSEO対策をしたことがある方にとっては常識です。
内部SEO対策などと呼ばれるもので常識である分、できていないと差がついてしまいます。
ちなみに、Web業界の常識と言っても、「自作した」「格安で作ってもらった」「詳しい人間がいない」などのWebサイトを見るとボロボロなことが多く、珍しいケースではありません。
Googleにカテゴリ分けしてもらうためのテクニック
- 見出しタグ<H1>~<H6>にキーワードを含める
- URLは英数字にする
- 画像にはaltタグを入れる
このルールを守ってコンテンツを投稿すると、意図したカテゴリ分けをしてもらえるようになります。
1.見出しタグ<H1>~<H6>にキーワードを含める
ユーザーが見るのは画面ですが、Googleが見るのはデータです。

ロボットは「楽しい」「面白い」といった感想を抱くことはできません。
【今日から始めるSEO対策】#1検索エンジンとコンテンツで解説した通り、Googleは各コンテンツをジャンル分け(インデックス)した後、ユーザーの行動を頼りにランキングを決めています。
ロボットはどういったジャンルに分けるのか、このコンテンツにはどういったキーワードが含まれているのかを識別するのに見出しタグが利用されます。
つまり、見出しにキーワードを含めていないと意図したカテゴリに含めてもらえない可能性が出てくるのです。

極端な話ですが、焼き鳥について説明したコンテンツだったとしても、<H1>本当に美味しい焼肉の記事です<H1>とタイトルに書いたら、とりあえず「焼肉カテゴリ」に分けられてしまうということです。
見出しはH1からH6まであります。

見出しタグ | 役割 |
---|---|
H1 | コンテンツに1つ、タイトルにも使われます。 |
H2 | コンテンツの骨子。主要なトピックに使います。 |
H3 | 主要なトピックを解説するために使います。 |
H4 | さらに細分化するために使います。 |
H5 | さらに細分化。あまり使いません。 |
H6 | あまり使いません。 |
2.URLは英数字にする
GoogleはURLからも情報を読み取っています。
WordPressやshopifyなどのCMSでページを追加すると、タイトルがURLに反映されるのも、コンテンツの内容とURLに相関性を持たせようとしているためです。
極端な例ですが、中身も構成も内容もタイトルもまったく一緒のコンテンツが同時に公開されたとして、URLだけ異なる場合は、URLの意味が通っている方がユーザーの利便性が高いと判断されるでしょう。

ただ、0123という意味がない文字列でも、日本語よりはマシです。
URLは英数字でしか構成ができないからです。
日本語でURLができてるじゃないかと思うかもしれませんが、無理矢理表示してくれているだけです。

パッと見は問題ないと思うかもしれませんが、シェアした時に問題が出てきます。
「未分類」(3文字)を英数字で表すと「%e6%9c%aa%e5%88%86%e9%a1%9e」(27文字)になりますし、「日本語がURL」を英数字にすると「%e6%97%a5%e6%9c%ac%e8%aa%9e%e3%81%8curl」と変換されてしまいます(に変換されると…は割愛)。
誰かに紹介する時に長文になりますし、見た目も悪いですよね。
3.画像にはaltタグを入れる
しつこいようですが、ユーザーが見るのは画面でGoogleが見るのはデータです。

altが入っていたらロボットはどういった画像なのかが認識できるのですが、

altが入っていないと何の画像なのか認識できないので、「装飾などの意味のない画像」と認識されてしまいます。

ブログ記事やページを作る時の画像を選択した際に、altを入力することができます。
altを入れるとGoogleの画像検索に引っかかるようになりますし、画像が読み込まれない時も代わりにテキストを表示してくれます。

こちらも見出しのシステムと同様、画像と異なるテキストを入力しても一旦は「焼き鳥の画像」として認識されます。
ロボットは画像のファイル名からも意味を読み取っています。
URLと同様、意味が分からないものより、意味が分かる文字列の方が評価が高くなります。
写真だとIMG_1000とか、2021_09_17_1600のようにデフォルトの設定や撮影日付のまま使っている方をよく見受けられますので、チェックしてみてください。
次はユーザーにクリックしてもらうためのテクニックです。
ユーザーにクリックしてもらうためのテクニック
- タイトル
- 説明文
- アイキャッチ画像
素晴らしいコンテンツを作っていれば、必ずいつかは評価されます。
でも、タイトルや説明文に適切なテクニックを使わないと、評価されるまでに時間がかかってしまうことがあります。
下積みしなくてもいいのにわざわざ苦労する必要はありませんし、早めに知ってもらえた方がやる気が出ますよね。
このルールを守ると、評価してもらえるまでのスピードが早くなります。

タイトルと説明文は検索結果でのクリック率に影響しますし、タイトルとアイキャッチ画像はブログ内やシェアされた時のクリック率に影響していきます。
まずは見てもらうことです。
見てもらわなければ評価すらしてもらえないのですから。
4.タイトル
検索結果にもブログ内やシェアされた時のクリック率にも影響しますし、<H1>の見出しタグに囲まれているので、何のカテゴリに入るかも決める非常に重要な要素です。
タイトルはPCとスマホで表示される内容が違います。

PC | スマートフォン |
---|---|
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タイトル後半の表記が異なっていますね。
※省略されると「…」という文字列が入ります。
色々調べてみると、PCの方が短い文字数でカットされることが分かりました。
28文字まではすべて表示されており、その後は省略されることがあるため、読んでもらいたいフレーズやキーワードは28文字以内、かつタイトルの前半に含めるのがよさそうです。
5.説明文
説明文はタイトルを補足する要素です。
本で言うなら「帯紙」、映画で言うなら「あらすじ」です。
説明文もタイトルと同様、PCとスマートフォンで表示される内容や文字数が異なります。

PC | スマートフォン |
---|---|
84文字 | 56文字 |
76文字 | 45文字 |
説明文はPCの方が表示される文字数が多いです。
スマートフォンもカバーしようと思った場合は、全角45文字以内に読んで欲しいフレーズやキーワード(共起語)を含めるのがよさそうです。
6.アイキャッチ画像
その名の通り「目を捕まえる(留める)効果」があります。
3Bと呼ばれる好感度の高いジャンルの画像を使いたいところですが、最も重要なのはコンテンツの内容と関連性が高いことです。

コンテンツのイメージを伝えることのできるイメージを使いましょう。
雰囲気を揃えることができると、サイトにも統一感が生まれるので、素材のダウンロードはここ、フォントはゴシックで…など一定のルールで作ることをおすすめします。
コウトリではサムネイル画像はCanvaで作っています。
無料で使える画像作成ツール!Canvaでサムネイルを作ってみようで解説しているのでチェックしてみてください。
コンテンツ内で利用する画像サイズは、幅を揃えるときれいに見えます。
ブログ記事に利用する画像は利用するCMSにもよりますが、幅800または900pxで揃えるようにしています。
最速でインデックスを促すテクニック
コンテンツを検索エンジンに登録してもらう(インデックス)には、クローラーと呼ばれるロボットがやってくる(クロール)のを待つ必要があります。
サイトの更新頻度が高ければ高いほどロボットが訪れる頻度も高まりますし、人気のコンテンツがあれば人気作家の最新作がないかと見に来る機会が増えます。
でも、更新頻度が低くても人気のコンテンツがそれほどなくても、ロボットに招待状を出すことはできます。
招待状はGoogleサーチコンソールで出すことができます。
サーチコンソールを登録していない方は下記記事をご覧ください。
関連記事 Googleサーチコンソールのアカウントの設定方法
- サイトマップを送信する
- URL検査でインデックスを促す
7.サイトマップを送信する
クローラー(ロボット)にとってサイトマップは「お店のメニュー」や「会社パンフレット」のようなものです。
ロボットはサイトマップを見つけると「とりあえず全部」のデータを収集します。
サイトマップはページで用意してもいいですし、xmlファイルでもいいです。

サーチコンソールにログインしたら、メニューにある①サイトマップをクリックして、②サイトマップのURLを入力、③入力したら送信します。
送信されたサイトマップのステータスに「成功しました」と表示されたら成功です。
8.URL検査でインデックス、再クロールを促す
サイトマップを送信した後は、「コンテンツを追加したので来てください」と招待状を出して運営サイトの鮮度を保ち、「既存コンテンツを更新したので再審査よろしく」とお知らせしてクオリティを高めます。

Googleサーチコンソールの左側にある①URL検査メニューをクリック、②追加、更新したページのURLをコピペ、③インデックス登録をリクエストをクリック。
テクニカルSEOに取り組んでライバルに差をつけよう
キーワードの種類と、テクニカルSEO(内部対策)について解説してきました。
テクニカルSEOは本質的なコンテンツへの影響は微々たるものですが、取り組んだら優先的に審査してもらえて、取り組まなかったら審査が後回しになるような約束事と言えるでしょう。
裏技やコツと呼べるほど大したものではありませんが、料理の下ごしらえ、写真撮影のライトアップやセットアップ、運動前のストレッチのように、テクニカルSEOは上位表示を目指してSEOに取り組んでいる人や、その道のプロは当たり前のようにやっていることです。
慣れない内は面倒だと思うかもしれませんが、実行しないと損してしまうので、ぜひ取り入れてみてください。
次の記事は下記です。