せっかく作ったホームページなんだから、問い合わせや資料請求、見積もり依頼などがほしいですよね。
でも、作ったばかりのホームページはなかなか見てもらえません。せっかく来てくれても、問い合わせはおろか、資料請求すらしてくれません。なぜだろう?
・・・無理もありません。
ホームページで成果を出すには、正しい順番で取り組む必要があるのです。また、制作会社などは制作のプロであって、マーケティングのプロではありません。仕様通りのホームページが制作できるか、納期に間に合わせるかについて興味はありますが、あなたが集客できるか、成果が出るかなどに興味はないのです。作って終わりの会社だと、この傾向は強くなります。
そもそもホームページの成果とは?
何を実現したいかによって成果は変わってきます。主に営業・採用・業務効率化といった目的を持っている方が多いです。
営業なら「問い合わせを増やしたい」「安定してリードを獲得したい」でしょうし、採用なら「応募を増やしたい」「離職を減らしたい」といった目的があるでしょう。業務効率化は「電話を減らしたい」「自動化したい」などだと思います。それぞれの目的によって「成果」は変わってきます。
営業なら問い合わせ数や問い合わせ率、採用なら応募数や離職率、業務効率化は電話の件数や内容、事務員の作業時間の内訳の変化など追いかける数字が変わってきます。
つまり、ホームページで成果を出そうと思ったら、そもそも「ウチにとっての成果は?」といった点をしっかりと定義してあげることが最初のステップになります。「聞かれなくても分かるでしょ?」と思うかもしれませんが、思った以上に目的や目標は多様です。説明できるレベルまで言語化しましょう。
とは言っても、抽象的な内容で進めるとわけが分からなくなってしまいます。今回は「問い合わせの獲得」を成果として話を進めていきます。
ホームページで成果を出す正しい手順
大まかに分けたら3ステップ。
ルールを把握、集客用ホームページをつくり、テストと調整をします。
ユーザーは認知・検討・意思決定を経て、あなたの顧客になります。
多くのサイトの中からせっかく来てくれたのですから、ユーザーには喜んでもらいましょう。
喜んでもらうためのルールとは、
- 各ステージに対応したコンテンツを用意
- お客さんの選択肢の中で他にはないものを用意する(差別化)
- SSLに対応する
- スマホに最適化する
- ストレスの少ないサイトにする
まだまだありますが、最低限で考えるならこのくらいです。
大企業はマーケティングツールを使いこなしています。私たちにはこれまでよりも多くの情報が適切なタイミングで届けられるようになりました。
「ウチには関係ない」と思っている内に、「当たり前のレベル」が高くなっています。
どれだけ素晴らしい商品やサービスを提供していても、ライバルに先を越されてしまえば、比較する候補になれない時代がきています。
SNSで十分という方もいます。店舗やローカルビジネスはその通りだと思います。
しかし、BtoBや複雑な商材・サービスを取り扱っている方はホームページが必須です。
発信したい情報をこちらでコントロールができて、コンテンツが資産になる。きてくれた人の動向を追いかけ、適切なタイミングで情報を届けることができるのはホームページじゃないと難しいからです。
集客用ホームページをつくる手順は3ステップ。
- 素材をつくる
- Webツールをつくる
- Webツールに組み込む
集客用ホームページは、あなたがお付き合いしたいお客さんを集めるために設計・制作します。いわばインターネット上の拠点です。
認知、検討、意思決定など、それぞれのステージにいるお客さんに届きやすい表現で、お客さんが求めている情報を提供します。「なんて詳しい、親切な運営者なんだ。好き!」となってもらうことが目的です。
「この運営者なら自分の悩みも解決してくれるかもしれない。」
と、お客さんが自然と問い合わせしたくなるような流れをつくります。
2択を迫るランディングページ、自動的に情報を届けるためのステップメール、関係を維持するメールマガジンや公式LINE、ライトにつながるSNSなどで接点を増やして関係を強化します。
最善を尽くして制作しても、あくまで仮説です。お客さんにとってベストかどうかは分かりません。
テストを何度か繰り返すことであなたのビジネスに合った最善が分かります。
集客用ホームページに組み込んだ仕組みが機能するかテストするにはサンプルが必要です。
- アクセスを流す
- 結果を分析する
- 改善する
もっとも、オープンしたばかりのホームページに集客力なんてありません。
アクセスを集めるにはリスティング広告、SEO、SNSといった3種の方法があります。
個人用のSNSにフォロワーがいるなら、「こんなことやってます」とアクセスを流します。ツテが全くない場合は、Google広告やYahoo広告、SNS広告などを使っていきます。
テスト結果を反映して改善したら、集客用ホームページ(Web集客の仕組み)の大枠は完成です。
中小企業に必要なアクセス数は?
適切なユーザを集めれば、月間1,000~10,000程度のアクセスで十分です。
中小企業はアクセスの質と転換率にこだわりましょう。
アクセスの質とは?
多くのブログやマーケティング会社は「アクセス数を集めましょう」と言います。これは大企業にとっては正しい戦略です。しかし、中小企業にとってはまったくもって間違いです。
中小企業は自社のお客になる人以外を集めるべきではありません。有象無象を集めたところで、あなたのお客にはならないからです。
購入にどのくらい近いのか?という観点でユーザーを分類したのが下の図です。
- 今すぐ客:〇〇が欲しいと明確に決まっているお客さん。
- そのうち客:ある程度欲しいものは決まっているが、すぐに必要な理由(決め手)がないお客さん。
- お悩み客:複数の候補の中で迷っているお客さん。
- まだまだ客:興味はあるが、特に買うつもりがないお客さん。
まずは、今すぐ客、そのうち客、お悩み客を集めましょう。80%を切り捨てるのか?と聞かれればイエスです。
余裕ができたら、まだまだ客へ向けたコンテンツ(働きかけて次のステージへ動いてもらう)を作っていきましょう。
転換率とは?
転換率とは訪問者が問い合わせした確率です。専門用語だとコンバージョン率、CVRと呼んだりします(よく出てくる単語なので覚えておきましょう)。
問い合わせ件数(CV数)を訪問者数(セッション数)で割った数字ですね。
よくある転換率(CVR)は0.1%以下です。月の訪問者が1,000人で1件問い合わせがある状態です。
まずは転換率をサイト全体で1%以上、ランディングページ・資料ダウンロードページで10%以上を目指しましょう。
穴の空いたバケツで水を汲んでも成果にはつながりません。基準に満たない状態で、訪問者数を増やしても効率が悪いです。広告を出したとしても、ほぼ赤字になります。
成果を出すしくみを自分でつくるための具体的な手順
自力でつくりたいという方に手順を解説しておきます。
ターゲットが固まっていて、競合と差別化できるあなたの素材がある前提で解説しています。
全部で5ステップ。
もし、ターゲットが決まってない、競合と差別化できるあなたの素材が揃っていない場合は、下記のPDFが役に立ちます。
Webツールを置く場所を用意する
ホームページなどのWebツールを置く場所を用意します。
- ドメインを取得する
- サーバーを契約する
- ドメインとサーバーを紐づける
- サーバーからワードプレス(以下WP)をインストールする
関連記事ドメインとサーバーを契約してWPをインストールしよう
集客用ホームページをつくる
Webツールの本体になるホームページをつくります。
WordPress(ワードプレス)で制作するため、ブログ機能は組み込まれています。
- WPの初期設定をする
- WPにプラグインをインストールする
- プラグインの初期設定をする
- WPのデザインテーマを選択する
- 固定ページで必要なページをつくる
それぞれの詳細については下記記事をご確認ください。
関連記事ワードプレス(WP)の初期設定!常時SSL化とパーマリンクの設定
関連記事ワードプレス(WP)のサイドメニューと各メニューの操作方法
関連記事ワードプレス(WP)にインストールするべき7つのプラグイン+α
関連記事【WP】Contact Form7で問い合わせフォームを作りたい!
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関連記事ワードプレス(WP)デザインテーマの操作方法と選び方を解説
関連記事【WordPress】固定ページで必要なページを作ろう
必要なWebツールを組み込む
ホームページは既存客向け(お客さん対応)、ブログは新規客向け(集客)のWebツールです。
来てくれたお客さんを接客して提案するための仕組みを組み込んでいきます。
集客、接客、販売に適したWebツールを使うことで、どの部分でつまづいているのかが見えるようになります。
- ランディングページ(セールスページ)を作る
- メール配信システム会社と契約する
- ステップメールのシナリオを登録する
- オプトインページを作ってメールアドレスの登録フォームを埋め込む
- CTAを作って、ホームページへ設置する
- 必要な機能(ネットショップ、予約機能、会員機能)を組み込む
関連記事自分に合ったメール配信システムは?業種や状況に合わせた最適な選び方
関連記事ワードプレスでオプトイン(メールアドレス登録)ページを作る方法
関連記事コミュニティ運営にも最適!ワードプレスで会員サイトを作る方法
集客のための準備をする
特定のコミュニティ(集まり)から情報を取っているお客さんは多いです。
お付き合いしたいお客さんが集まっているコミュニティを選んで、アカウント取得しましょう。
製品やサービスとの相性が悪かったり、定期的な更新ができないのであれば参加しなくても大丈夫です。
- 相性の良いSNSアカウント(Facebook、Twitter、Instagram、LINEなど)を取得する
- SNSアカウントをホームページに組み込む
参加するSNS、投稿するコンテンツのタイプ、投稿する頻度、コメントのルールなどを設定した上で、3か月~半年程度の投稿スケジュールを立てれたら始めましょう。
解析ツールを用意する
一見さん、リピーター、常連さんといった具合に、集客してから提案するまで様々な出会いとストーリーがあります。
提案側から見ると、訪問者、見込み客、提案済み、購入者、常連さん、ファンといったところでしょうか。
Webを通じたお客さんとのコミュニケーションを解析ツールで見える化できます。
- Googleアナリティクス、Googleサーチコンソールのアカウントを取得する
- Googleアナリティクスをホームページに設置する
- Googleアナリティクス、Googleサーチコンソールの操作方法を覚える
関連記事これだけはやっておきたいGoogleアナリティクス7つの初期設定
メール配信システムを利用する場合は、サービス提供元の管理画面で効果測定ができます。
ここまで実施すると、提案するための仕組み(準備)が整います。
もちろん、これで完成ではありません。
サンプルを取って最適化していきます。
アクセスを集めて仕組みをテストする
「仕組み」が機能しているかテストしてみましょう。
リスティング広告を使うか、SNSのフォロワーへ宣伝してアクセスを集めます。
ブログ記事を作成するなどの「コンテンツマーケティング」はアクセスアップに極めて有効な手段のひとつですが、効果が出るまでに時間が必要なのでテストには向いていません。
もっとも、信頼感を高める効果もありますし、コンテンツが評価されれば、検索エンジンからの恒常的な流入が見込めます。
対策キーワードの難易度によって3カ月から半年、あるいは1年スパンで目標を定めて取り組みましょう。
リスティング広告がテストに最適な理由
確保したいアクセス数を買うことができるのが最大のメリットです。
- 立ち上げたばかりでもアクセスを集めることができる
- 費用をかければテストのサンプル数を増やすことができる
- 効果的なタイトルやキーワードを学ぶことができる
ランディングページに注文ボタンを設置したペラサイトでも広告を出せば集客することができますし、一日の予算を増やせば高速でPDCAを回すことができます。
広告見出しは全角15文字、説明文は全角45文字、ブログ記事のタイトルは全角32文字、説明文は全角160文字と違いはあるものの、競合が少ないキーワードを見つけることができたり、クリックされやすいタイトルのヒントを見つけることができます。
広告を出したことで学んだキーワードやタイトルの法則は、コンテンツマーケティングにも活かすことができます。
コンテンツマーケティングは中長期的に取り組む
コンテンツマーケティングは、ユーザーにとって役に立つ情報(コンテンツ)を発信することです。
コンテンツの形式は文章、画像、動画、資料など色々な形があります。
代表的なコンテンツはブログ記事、「つづきはWebで」の動画、Webマンガやインフォグラフィック、独自の理論をまとめたホワイトペーパーや調査結果のレポートなどが挙げられます。
コンテンツマーケティングのメリットには下記のようなものがあります。
- ファンが付く(ブランディングできる)。
- SEOに強くなる。
- 積み上げ型なので後になればなるほど楽になる。
- 時間と手間がかかる。
- 専門知識が必要。
コンテンツマーケティングのメリットは本当?100サイトで検証しましたで詳しく解説しています。
やっておかないと新規客の獲得の大部分を広告に依存することになります。
驚異的なリピート率を確保できる、あるいは既存客からのクチコミ、紹介で十分な数を確保できないならば、コンテンツマーケティングに取り組みましょう。
短期で成果に結びつくことはほとんどありませんが、中長期的な視点で取り組むなら、とても有効な集客方法です。
やり方が分からないという方は、コンテンツマーケティングとは?どこよりも簡単に解説しましたを読んでみてください。
広告、SEO、SNSを組み合わせて成果を出す
理想は費用をかけずに十分な集客数が得られることですが、コンテンツマーケィングは評価されるまでに時間がかかってしまいますし、評価されるまで待っていたら作り上げた仕組みがきちんと機能するかチェックもできません。
そのため、序盤は広告で訪問者数を稼いで、売る仕組みが訪問者へ機能するかをチェックして調整し、広告でアクセス数を稼いでいる間にコンテンツマーケティングやSNSのフォロワーを集める。
広告に頼らないアクセスを徐々に増やして、広告に頼るアクセス比率を徐々に減らしていくことをおすすめします。
まとめ
Web集客のルールを把握して、Webツールを組み込んだ集客用ホームページをつくり、仕組みが機能するかテストして調整するのが成果の出る仕組みを作り上げる方法です。
序盤のテストにはインターネット広告を利用して、アクセスを確保している間にコンテンツマーケティングでサイトの評価を高め、SNSでフォロワーを増やします。
Web集客にかかる費用は、制作費(素材代、デザインやコーディングの外注費)、運営費(ドメイン、サーバー、メール配信システムなどのサービス利用料)、広告費(テスト用、本番用オンライン広告、オフライン広告費)が主な費用です。
3つの費用を総合的に考えて取り組む必要があります。
ぜひ、あなたのビジネスに置き換えて考えてみてください。
金額や成果が出るまでにどのくらいかかるのか、自分の会社だったらどういったプランがあるのかを知りたい方は、コトウリへ相談してください。