コンテンツマーケティングの定義やコンテンツSEOなどの似ている言葉との違い、コンテンツマーケティングの全体像や、取り組むメリットなどを簡単に解説しました。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングをものすごく簡単に言うと、名前も知らない頃から常連になるまでずっと喜んでくれるコンテンツを届け続けてファンにしてしまおうという作戦です。
念のため、コンテンツマーケティングを提唱したContent marketing Institute社の定義を確認しておきましょう。
コンテンツマーケティングは、価値ある、関連性の高い、一貫性のあるコンテンツの作成と配信に重点を置いた、戦略的なマーケティング手法であり、明確な顧客層を引き付けて保持し、最終的には収益性の高い顧客行動を促します。
出典:https://contentmarketinginstitute.com/what-is-content-marketing/
こっちの方がかっこいいですね。
そもそもコンテンツとは?
お客さんの体験に関わるものはすべてコンテンツです。
?
具体的に言うと、
インフォグラフックス | プロモーションビデオ |
ブログ記事 | eBook |
展示会などのイベント | オンラインセミナー |
インフルエンサーの推薦コメント | SNSのつぶやき |
商品レビュー | インタビュー記事 |
TVCM | Web上に出稿しているバナー広告 |
サポートサイト | 操作マニュアル |
セミナーへの登壇 | メディアへの寄稿 |
などがコンテンツです。大きな解釈で考えるのであれば、製品やサービス自体もコンテンツですし、アフターフォローもコンテンツと言えます。
お客さんになる前に見る広告や、顧客に転換した後に行ったカスタマーサポートとのやり取りなど、お客さんが触れるもの、見るものとして体験に関わるものがコンテンツと捉えておくといいでしょう。
コンテンツは広告、オウンドメディア、SNSなどで発信されます。
お客さんがあなたのことを知るところから購入までの状況に合わせてコンテンツを用意しましょう。
ポイントは3つです。
- お客さんのいいアドバイザー、パートナーというスタンスですべてのコンテンツをつくること。
- お客さんが感心するくらい品質が高い(喜んでもらえる)コンテンツであること。
- 気持ちに寄り添ってほどよい距離感、ほどよいタイミングで届けていること。
コンテンツの品質はコンテンツのジャンルやカテゴリ別に分類された上で、ユーザーがあなたとライバルを比べて決まります。
認知・興味関心・比較検討・意思決定といった購買プロセスに合わせて、最適なコンテンツを最適なチャネルで届けましょう。
作成するコンテンツの4タイプ
「実際にどんなコンテンツを作ろうか」と思うと、手が止まることもよくあります。
この場合、ターゲットやターゲットの具体的なお悩み(利用シーン)が思い浮かんでいないことが理由の大半を占めます。この場合は既存客を思い浮かべて、顧客になるまでに受けた質問などをベースに考えましょう。
もし、コンテンツの表現方法で手が止まってしまうのであれば、下記のような4つのタイプから考えるのがいいでしょう。
()にはコンテンツに出会ったときに言ってもらいたいセリフを書いています。
- 楽しませるコンテンツ(なんか楽しそう。おもしろい!)
- 刺激を与えるコンテンツ(へーすごい。共感できるかも。)
- 知識を与えるコンテンツ(なんか私にもできそうな気がしてきた。)
- 行動を促すコンテンツ(やってみるか!)
()内のような感情が生まれるかどうかがコンテンツの成否を分けます。作成するコンテンツのタイプごとに目的が変わります。
1.楽しませるコンテンツ
サイトへの訪問者を増やすのが目的です。認知の獲得や興味関心を抱いてもらうために有効です。
「楽しい!」「面白い!」コンテンツは話題になりやすく、「みんなに見て欲しい(シェア)」という行動に結びつきやすいです。シェアまでいかなかったとしても、話題になる(サイテーション)ことで検索行動のきっかけになります。
ブログ記事、漫画、動画などコンテンツの形式は問いませんが、
- 魅力的なタイトル(思わずクリックしたくなる)
- 目が留まるサムネイル画像(人物などは留まりやすい)
- クリックする前の期待を超えるようなコンテンツ(質にこだわる)
を作りましょう。
クリック率を高めても釣りタイトルだとユーザー体験としてはマイナスになるので、長続きしません。タイトル詐欺はぼったくりバーみたいなものと考えておきましょう。
2.刺激を与えるコンテンツ
特定の興味を持った人を集客するのが目的です。認知の獲得と興味関心への転換(覚えてもらう)を目的としています。
- 「コンテンツマーケティングの成功事例7選」
- 「BtoB企業がコンテンツマーケティングを成功させるために大切なこと」
- 「創業70年の金型製造会社がDXに成功した事例」
上記の例は下に進むにつれてターゲットを絞っていったのですが、具体的であればあるほど人数は少なく、その代わり強く刺さることになります。どういったターゲットを自社のWebサイトに集めたいのかを考えつつ設定していくことをおすすめします。
自社が支援した事例なら数はこなせないですし、興味を持ってくれる方は少ない。ですが、読み応えがありますし、リードへの転換率は高い。まとめ記事だと数はこなせますし、興味を持ってくれる方も多い。ですが、具体的に考えているわけではない層が読むので「へー」で終わる可能性が高いですし、忘れられる可能性も高いといった具合です。
楽しませるコンテンテンツに比べると、母数自体も限られます。だから、専門性や独自性といったコンテンツの質にこだわっていただきたいです。
自社事例を紹介する、一般的なトピックを扱う場合は私見を交えて解説するなど、自社のスタンスへの共感を獲得できるようなコンテンツにすることをおすすめします。
3.知識を与えるコンテンツ
専門分野を体系的に解説して詳しくなってもらうことが目的です。興味を関心へ引き上げたり比較検討している相手に向けて作ります。
「ハウツー記事」と呼ばれるような自社の専門性を持って、お客さんの困っていることを解決して好印象を抱いてもらったり、潜在的なお悩みを言語化することで課題に気づいてもらって行動変容を促したりします。
専門的な知識を提供することで「リードジェネレーション(見込み客の獲得)」やモチベーションを上げるなど営業プロセスを進める効果もあるので「リードナーチャリング(見込み客の教育)」にも使えます。
見込み客との関係を構築するコンテンツなので資産価値が高く、長く使えるコンテンツになります。
例えば、Googleは広告を使ってもらうためにオンラインで学べるスキルショップというサービスを展開していますし、SalesforceはTrailHead、HubSpotはHubSpotアカデミーというサービスを展開しています。どのサービスもオンラインマニュアルから、自社の考え方を紹介するコンテンツに至るまで幅広く提供しています。
需要を作り出すために教育を惜しまない姿勢には頭が下がりますし、共感しています。
コトウリもホームページを活用してくれる方を増やすため、ブログ記事で情報を発信。お役立ち資料ではテンプレートやホワイトペーパーを配布しています。
4.行動を促すコンテンツ
意思決定を助けることでトライアルの成約や、営業との商談を獲得することが目的です。比較検討している方や意思決定の後押しをするようなコンテンツを作ります。
お客さんは欲しいと思っていても「大丈夫かな?」「失敗するのでは?」と不安を抱きます。
購入前の不安は、成功事例やお客様の声・購入者インタビューなどで信頼感を高めるコンテンツや、ランディングページなどのセールスコンテンツによって払拭します。
顧客に転換した後は「本当に買ってよかったのか」といった不安を抱きます。この不安をサンクスメールやお礼の電話、購入後のチュートリアルなどによって払拭します。リピーターにつなげるための大事な工程です。
ステップメールなどでチュートリアルを自動化するとともに、行動履歴を追いかけてフォローしましょう。顧客に感動体験が生まれて、ファンになってくれる可能性が高まります。推薦コメントなどもいただけるようになるでしょう。
コンテンツの種類
「どう伝えるのか」よりも、「何を作ればいいのか」を知りたい方もおられるでしょう。
代表的なコンテンツには下記のようなものがあります。
- ブログ記事
- ダウンロードコンテンツ
- ホワイトペーパー
- ウェブセミナー
- メールマガジン
- インフォグラフィック
- Webまんが
- プロモーション動画
- その他コンテンツ
順番に解説していきます。
1.ブログ記事
コンテンツマーケティングと言えばブログ、オウンドメディア立ち上げ≒ブログ作成(コラム追加)と思っている方も多いでしょう。
ブログ記事はコンテンツマーケティングとの相性もいいですし、コンテンツSEOの中核を成す代表的なコンテンツです。上手くいけば、恒常的なアクセスと継続的な問い合わせが手に入ります。
誰かの役に立って感謝してもらえますし、お仕事をご依頼いただく時も非常に好意的です。
ブログ運営は多くのメリットがあります。
ただ…
始めるのは簡単ですが、成果を出そうと思ったらテクニックと努力が必要です。
- 取り扱うトピックの需要はあるのか?
- トピックおよびキーワードの攻略難易度は?
- 自社のドメイン評価は?など
など、挑戦するジャンルと、自社の現状の位置づけを確認すること。その上で身の丈に合った目標と現実的な計画を立てて進めないと、時間、労力、お金はかかったけど成果が出ないという結果になります。
2.ダウンロードコンテンツ
ブログ記事はオンラインでしか見れないですが、印刷して読みたい方もいるでしょうし、ノウハウを実践するためにテンプレートファイルがあるとユーザーの利便性が高くなります。
そんな方に向けたPDFやWord、Excelファイルがダウンロードコンテンツです。
ダウンロードできるならホームページを公開した後に役立つガイドブックのようなガイドブックでもいいですし、専門的な視点でまとめた数ページの簡易的なチェックリストや、初回ヒアリングシート、サービス提供時に使用している穴埋めテンプレートなどでも構いません。
営業やカスタマーサポートが管理に使っているファイルを流用したり、ブログを再加工して作ることできます。
コトウリではお役立ち資料ページでペルソナ作成シートなどのテンプレートを配布しています。
3.ホワイトペーパー
ダウンロードコンテンツは万人ウケする資料で、ホワイトペーパーはもう一段掘り下げたコンテンツです。
営業資料を加工して、強い興味を持っている人にとっては嬉しい商品・サービスの詳細レポートや調査レポートを作成します。
サービス資料などのホワイトペーパー、勉強用のコンテンツなどをダウンロードいただけます。
4.ウェブセミナー(オンラインセミナー)
資料よりも話を聞いた方が頭に入るという方は多いです。
相手の顔が見えますし、口調や振る舞いから頼りになりそうかも分かりますし、質問もできます。
セミナーは以前なら会場を借りて、準備して、会場に案内役や受付を配備した上で、会場を片付けて…と手間も費用もかかったものですが、zoomやチャットツールの普及によりコストを抑えて定期的に開催することができるようになりました。
小人数しか集まらなかったから体裁が悪いなんてこともありませんし、100人以上集まって会場に入らないなんてことも問題ありません。
プレゼン資料と台本を作って開催することをおすすめします。
印象付けたいなら配信スタジオを借りたり、一画を使ってスタジオを作ってもいいでしょう。
定期開催ではなく、サービス説明のコンテンツのひとつとして使用したり、ステップメールと会員サイトを使ったセールスの自動化に使用する場合は、貸しスタジオなどで撮影、編集して字幕や効果音を入れることをおすすめします。
5.メールマガジン
日々の仕事や生活をこなしていると、能動的に情報を探している時間よりも、届いた情報を捌いている時間の方が長いです。
そんな中、メールマガジンはつながりを強めることができるコンテンツです。
SNSのフォロワーのような緩めのつながりに比べて、体系的な情報を届けることができます。
登録者の嗜好に合った情報を届けることができれば、開封率も高くなりますし、届くのを楽しみにしてくれる方もいます。
質の担保が最も大切ですが、毎月〇日、毎週月曜〇時など送るタイミングを決めておくと、「メルマガ書かなきゃ」といった意識づけがネタ探しやネタ作りへの動機づけをしてくれます。
6.インフォグラフィック
文章で書かれていたり、表で書かれていても難しく感じる…。
これを分かりやすくイラストや図、グラフにしたものがインフォグラフィックというコンテンツです。
歴史や特徴を分かりやすく説明するのが得意なので、採用情報や会社沿革などで使われることが多いです。
見た目がキャッチーなのでSNSやニュースメディアとの相性もいいですよ。
採用情報などで社風を伝えるために「ウチの社員はインドア?アウトドア?」「自炊派?外食派?」といったアンケートの結果をグラフで表現してみたり、会社の変遷を特徴的なイラストで表現することができます。
7.Webまんが
「ウチの会社の歴史」をまんがにしてお店に置いているのを見たことはありませんか?
あれのWeb版です。
画像データを掲載するので、出版するよりも低コストで済みますし、人気が出ればキャラクター展開などの可能性もあります。
商品やサービスの認知度、社史を伝えるなどにおすすめのコンテンツです。
何といっても分かりやすいですよね。
私は全く知らない業界の勉強を始める時はとっかかりを作るために「まんがで分かる」シリーズで全体像を掴んだ上で、専門書に入るようにしています。
8.プロモーション動画
会社紹介の動画コンテンツです。
Camtasia、Premiere proなどの動画編集ツールが使えるなら、ベースになる動画を使って、テキストや画像を差し替えて作ることもできますし、画像や営業資料の切り貼りで作ることもできます。
動画制作会社に頼むと、それなりの金額を請求されるので予算が確保できないならやらない方がいいかもしれません。
9.その他コンテンツ
既存、新規問わずお客さんの目に触れる可能性があるものはすべてコンテンツです。
広告文やバナー画像、ランディングページもコンテンツですし、アプリ、会員サイト、SNSで発信したつぶやきや投稿した画像などもコンテンツのひとつです。
オフラインに目を向ければ、
- TVCM
- 新聞広告
- 雑誌広告
- 製品パッケージ
- ダイレクトメール
- チラシ・フライヤー・カタログ
- 駅に出している看板広告やポスター
- 電車の中吊り広告
- ラッピングバス
- タクシーのステッカー
などもすべてがコンテンツです。
自社の商品やサービスが欲しい!必要だ!と言ってくれるお客さんが普段どこにいて、どういった生活をしているのか、そして何を知りたいのかを理解していかないといけません。
コンテンツの価値はライバルとの相対評価
「タイプごとに最高のコンテンツを作った!」と思っても、評価はお客さんがするものです。またライバルの方が優れていれば、せっかく作ったコンテンツの存在意義がなくなってしまいます。
最低でもライバルの力量を確認しておきましょう。
ブログで発信するなら検索エンジンでググりますし、Twitterで発信するならTwitterでタグりましょう。
ライバルが作ったコンテンツを味わってみて、
- 「お堅い文章ばかりで難しかった。もっと分かりやすい説明にしてみよう。」
- 「文字ばっかりだったから、イラストやグラフをたくさん使って説明してみよう。」
- 「漫画にして発信してみよう。」
- 「動画をほとんど見かけなかったから動画を撮って発信してみよう。」
などと思って、自分が作るコンテンツの独自性が出せれば勝ち目はあります。
もし、あなたが工務店に勤めていて、コンテンツマーケティングをはじめようと思ったとします。その場合、リフォームで人気のあるキーワードを30個ピックアップ、トップ20のコンテンツを比較します。
小説や漫画、アニメなどの今までになかった作品を生み出す創作なら話は別ですが、すでに世の中に知られているトピックを改良したり見た目を変えるなら、最低限は抑えておかないといけないポイントがあります。
E-E-A-T+CO
E-E-A-Tは役に立つ情報の条件です。ランキングを決めるものではありませんが、コンテンツが評価されてランキングが上がる要因になります。
どういう基準で判定されるかをまとめておきます。
言葉 | どういう基準で判定されるか |
---|---|
Experience(経験) | 経験済みのトピックかどうか。一次情報かどうか。 インターネットの情報をツギハギしたようなものではないか。 |
Expertise(専門性) | サイト内に専門的なトピックが豊富で、詳しく書かれているか。 それぞれの関連情報がつながれている(内部リンクがある)か。 |
Authoritativeness(権威性) | その道のプロが言ってるのか、素人が言っているのか。 著者や監修者の活動、実績は信頼に足るか、資格は持っているか。 |
Trustworthiness(信頼性) | 何を根拠に言っているのか。(情報源) 専門家で権威がある人ならコンテンツの信頼性が高まる。 信頼できる機関の出典リンクなどがあるか。 |
検索上位にいるコンテンツは、E-E-A-Tを満たして作られています。自社が強みとしている領域のコンテンツなら評価が高く、トピックに対して自社サイトが取り扱うコンテンツの厚みがあればあるほど評価が高まります。
コンテンツの品質を上げるためにCOが影響してきます。
言葉 | どういう基準で判定されるか |
---|---|
Coverage(網羅性) | あるトピックについての検索意図を満たしているか。 色々なケースを想定した上で、1から10まで説明するので、長文SEOの原因にもなっている。 コンテンツ同士が適切な内部リンクでつながれているか。 |
Original(独自性) | オリジナリティがあるか。 一次創作などの他にない唯一無二のコンテンツなら最高。 二次創作やありふれたトピックだったとしても、読みやすい、分かりやすい、詳しい、面白い、デザインが優れているなどで独自性を出すことは可能。 |
その道のプロ(製品・サービスを提供している)が、今までの経験と実績(事例紹介やお客様の声)に基づいて、専門的(専門性)で、お客さんのお悩みを自分の言葉で分かりやすく解決する(網羅性・独自性)ようなコンテンツがスタートラインというわけです。
次はタイミングについて考えてみましょう。
お客さんの購買プロセスを考える
お客さんの購買プロセスに合わせてコンテンツを届けましょう。
無関心がスタートで全部で7つの段階を経てあなたのファンになります。
各段階ごとの顧客インサイトや対応するコンテンツを見ていきましょう。
購買プロセスと顧客インサイト
顧客インサイトは製品やサービスに対しての興味の強さ(熱量)です。
無関心の状態は課題を感じていない状況ですが、これは課題に気づいていない、現状の優先順位が低い、いつの間にか忘れているなどの理由で感じていないだけであり、潜在的な需要はあるという前提になります。
購買プロセス | 顧客インサイト |
---|---|
無関心 | 課題を感じていない。 |
認知 | 自分の課題を解決したい。 |
興味関心・情報収集 | 課題解決のいくつかの方法を知りたい。 |
比較・検討・理解 | 課題解決の最適な方法を知りたい。 |
導入可否 | 導入した際の具体的なイメージを知りたい。 |
意思決定 | 導入する時の細かい不安を解消したい。 |
リピーター | 使いこなしたい、もっとグレードを上げたい。 |
ファン | 友人に勧めたい。 |
コンテンツマーケティングはお客さんの気持ちに寄り添うことが何より大切です。
お客さんから連絡して欲しいという依頼があって初めてアプローチを取るのを基本方針にしましょう。
買うかどうか悩んでいる時は営業やサポートと会話して気になっているところを説明して欲しいですが、情報収集している段階で営業から売り込みの電話がかかってきたら嫌ですよね。
検索意図を満たしつつ、購買プロセスの次の段階に進みたくなるようなコンテンツを用意する。
それぞれのコンテンツには問い合わせのリンクやチャットツールなどを設置して、自然で気軽に連絡できるようにしておきましょう。
購買プロセスと対応コンテンツ
スムーズに購買プロセスが進んだ時のイメージ図です。
コンテンツの影響を受けて出たお客さんの声と一緒にご覧ください。
購買プロセスに対応するコンテンツとコンテンツを作る時に意識するポイントを表にしました。
購買プロセス | 対応コンテンツ(作る時のポイント) |
---|---|
無関心 | ターゲットの気になるコンテンツ(課題を思い出してもらう) |
認知 | 自力で解決できる範囲のハウツーコンテンツ(ちょっとやってみようかな) |
興味関心・情報収集 | より具体的なハウツーコンテンツ(こんなやり方もあるんだと感心してもらう) |
比較・検討・理解 | 事例や類似製品との比較コンテンツ(いいアドバイスをくれるな) |
導入可否 | 無料トライアルなどのお試しコンテンツ(導入時のイメージを持ってもらう) |
意思決定 | 導入後の不安やトラブル解消用のコンテンツ(安心してもらう) |
リピーター | 個人に合わせたサポートコンテンツ(カスタマーサクセス) |
ファン | コミュニティの参加やオフラインイベントへの招待など(もっと仲良く) |
コンテンツの目的は購買プロセスの次に案内することです。
単体でも目的を果たせるように作った方がいいですが、話の流れが不自然になったり、押し付けがましくなるくらいなら検索意図を満足させることだけを意識して作りましょう。
それぞれのコンテンツ同士をつないで、ひとつのチームにするのもおすすめです。
コンテンツを縦につなぐ
情報の濃度に合わせてコンテンツをつくって、縦につなぎましょう。
意味やメリットなどをきっかけ(認知・情報収集向け)に、様々な選択肢を提示(興味・比較検討向け)して、事例(検討・理解)を紹介し、セルフチェックリストをプレゼントする。といった流れです。
それぞれの検索意図を満たしつつ、次の段階へスムーズに進んでもらえるように、記事コンテンツであれば「合わせて読みたい記事」で次の段階に対応しているコンテンツを紹介したり、ダウンロードコンテンツを紹介するなどコンテンツ同士をつないで、スムーズに次の段階へ進んでもらいます。
リンクビルディングと呼ばれるテクニックですが、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても利便性の高いサイトと認識してもらうことができます。
資料をプレゼントする時は、お名前やメールアドレスなどを収集して名無しさんから〇〇さんになってもらいましょう。
改めてお付き合いを始めます。
パーソナライズ化するのは、メールマガジンなどでお客さんの状況に合った情報を届けるためです。
コンテンツの内容や購買プロセスに対応するコンテンツのタイプが分かったとして、どうやって届けるのかについて知っておきましょう。
お客さんに届くチャネルを考える
チャネルとは経路のことです。
お客さんがどこにいるのか、どこからきたのかなどによって、情報を届ける方法が変わってきます。
購買プロセス | チャネル |
---|---|
無関心 | 知人からのクチコミ、SNS、ディスプレイ広告、動画広告 |
認知 | SEO、SNS、ディスプレイ広告、動画広告 |
興味関心・情報収集 | SEO、SNS、リスティング広告、リターゲティング広告、メールマガジン |
比較検討・商品理解 | セミナー、営業、リスティング広告、リターゲティング広告、メールマガジン |
導入可否 | 営業、リスティング広告、リターゲティング広告、メールマガジン |
意思決定 | 営業、商談、メールマガジン |
リピーター | サポートセンター、メールマガジン |
ファン | サポートセンター、メールマガジン |
無関心で課題に気づいていない状態だと、「検索」することはありません。
認知してもらうには、こちらから届けましょう。TVCMや新聞オリコミなどのオフライン広告、大好きなサイトを見ていたり、アプリを使っている時に広告を出すのも有効です。
自分の課題を認識したら、検索します。
検索結果の上位に表示させるテクニックがSEOやリスティング広告(検索連動型広告)です。より直接的な情報を届けられます。
比較検討以降は、製品の特徴によって検討期間が変わってきますし、購入サイクルも変わるため、いかに関係を維持して買う時に思い出してもらえるか、相談してもらえるかに比重を置いた運用をするのがよろしいかと思います。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違いは「発信する範囲」です。
コンテンツSEOはGoogle、Yahoo、Bingなどの検索エンジンでのPRになるのに対して、コンテンツマーケティングはSNSやYoutube、LINEやメールマガジンなども含むため、範囲が広いと覚えておきましょう。
コンテンツSEOはブログ記事が主体になります。
ブログ記事を読んで問い合わせページに来てくれる方も中にはいますが、確率はかなり低いです。
できるだけ接触から早い段階でメールマガジンに登録してもらったり、SNSでフォローしてもらってつながりを強化しておく必要があります。
めんどくさそう
と思いませんでした?
その通り、コンテンツマーケティングはやるのは簡単ですが、上手くやろうと思ったら面倒なことが多いのです。
コンテンツマーケティングは面倒?
しっかり計画を立てて、コンテンツの品質を確保するためのルールを決めて作りましょう。計画がないとユーザーにも検索エンジンにも全然評価してもらえません。
評価してもらうには前提になる知識が多いですし、慣れてからも定期的にアップデートする必要があります。特に慣れるまでが大変です。「なんとなく成功する」人は本当にひと握りで、「成果を感じないからやめる」と途中で投げ出す人が大半です。
でも、中長期的な計画を立てて、ルールを作り、地道に努力すれば必ず一定の評価が獲得できます。
しっかりと目的意識を持ってコツコツできるなら、ライバルは勝手に減りますし、あなたの評価は上がっています。
時間が経てばいつの間にかライバルとの差がついていますから、ライバルが参加しても簡単に追いつかれることはありません。
コンテンツの整備を投資と思えるか、そしてコンテンツマーケティングをひとつの事業として捉えるかどうかで対応が変わってきます。
コンテンツマーケティングのメリット
面倒なのに継続した取り組みを行っている企業が多いのはなぜでしょうか。
それは、真剣に取り組んだ時のメリットが大きいからです。
- 低コストでアクセスが獲得できる
- ブランディングできる
- 質の高いリードが獲得できる
- コンテンツを再利用できる
低コストでアクセスが獲得できる
2006年から2020年までの広告費の推移を見てみましょう。
全体的に縮小傾向の中でもインターネット広告は伸びてます(赤の折れ線グラフ)。
ちょっとわかりにくいので、広告費の売上高の合計、4大マス広告、インターネット広告の関係のみで見てみましょう。
広告市場自体が縮小してもインターネット広告は拡大していますし、4大マス広告(TV、新聞、雑誌、ラジオ)からも流れているのが分かると思います。
景気がいいってこと?
オークション方式でキーワードに入札するので、人気のあるキーワードは年々高くなっています。
1クリックあたりの単価はこれからも上がっていくでしょう。
競争の激しい業界だと、1アクセス集めるのに1,000円以上かかることも珍しくありません。
そのうち採算が取れなくなる方も出てくるでしょう。
コンテンツマーケティングの主な集客経路はSEOやSNSなどであり、運用にかかる人件費やシステム費などの最低限のお金しか必要としない集客方法です。
良質なコンテンツは、時間が経ってもアクセスを集めてくれます。極めてコストパフォーマンスのいい方法です。
ブランディングできる
あなたには定期的にアクセスしているサイトやブログはありますか?
私はお気に入りのサイトがたくさんありますし、複数のサイトからは更新通知やメルマガを受け取っています。
そんなサイトの出会いも検索から始まっています。
自分で検索する時は何らかの課題を抱えて検索しています。
そんな時に悩みを解決してくれて、これからも参考にしたいと思った時に、自然とブックマークをしたり、更新通知を送ってもらうためにSNSをフォローしたり、メルマガに登録したりするのです。
情報を受けとって「今回もいい情報をありがとう」と思っている内に、いつの間にか「デジタルマーケティングならこのサイト」「ECサイトなら・・・」「広告なら・・・」と情報収集するサイトが決まってきます。
こうなれば、悩みで検索するのではなく、サイト名で検索して、サイト内で検索するようになります。
それぞれの頭の中に「〇〇と言えば××」となるのがブランドです。
一朝一夕ではいきませんが、同様のお客さんが増えていけば、サイトにも信頼性や権威性が生まれてGoogleからの評価も高まります。
質の高いリードが獲得できる
ユーザーはコンテンツに魅力を感じて、今後にも期待できると思ったらフォームに自分の情報を入力します。
コンテンツと製品・サービスがつながっているなら、有力な見込み客とのリード(接点)を獲得することになります。
有益な情報を提供しつつ、いつでも相談してもらえるような適度な距離感を保ちましょう。
メールでの連絡を求めているのに、電話したりしたらダメですよ。
ものすごくモチベーションが下がります(実体験)
対象となるユーザーが求職者の場合は求人への応募が目的になります。
求人や採用に役立つコンテンツマーケティングの始め方で詳しく解説していますので、採用や求人に役立てたいと思っている方は読んでみてください。
コンテンツを再利用できる
コンテンツの大本になるのはテキスト、画像、動画などです。
腐らない素材なので、他の形に展開することもできます。
- ブログで利用したコンテンツをeBookにまとめてダウンロードコンテンツにする
- メルマガコンテンツをブログ記事に加工する
- 会員限定コンテンツの動画をYoutubeで無料公開
コンテンツを再利用すれば、イチから作るよりも短時間なのに高品質なものが作れます。
どんどんコンテンツを作りましょう。
元になるコンテンツがなければ、再利用もできません。
生み出すコンテンツの量に差がつけば、ライバルによりアドバンテージを持つことができます。
発信する際にそれぞれのチャネルに合わせて発信しましょう。
ブログで発信した内容をTwitterでツイートするなら、「ブログ書きました」より、概要を4枚の画像で伝えて「もっと詳しく知りたい人はブログを見てね」の方が見てくれる人は増えます。
メリットについては、コンテンツマーケティングのメリットは本当?100サイトで検証しましたでさらに詳しく解説しています。
コンテンツマーケティングを始めるための6ステップ
全部で6つのステップで始めることができます。
- 明確な目標を立てる
- カスタマージャーニーマップをつくる
- 評価指標を設定する
- ツールを用意する
- コンテンツを用意する
- 優先順位をつけて実行する
1.明確な目標を立てる
半年~1年先くらいの目標を立てましょう。
「最初は月あたりの契約数を〇件増やす」といった、ざっくりとした目標設定でいいと思います。
閲覧数からのリード獲得率、リード数からの商談率、商談数からの成約率が明らかになれば、閲覧数あたりの契約数が分かるので、閲覧数をいくつ増加させればいいのか、どのキーワードを重点的に攻略するのかなどのアクションプランを立てることができます。
なぜ取り組むのか?が言語化できていると、一丸となって取り組めます。ミッションやビジョン、パーパスなどを定めてないなら、下記記事が参考になるでしょう。
2.カスタマージャーニーマップをつくる
カスタマージャーニーを作ると、理想の顧客像や各部署が理想にしている付き合い方を可視化できるようになります。
ペルソナ作成(ターゲットの決定)から始まって、6ステップで作り上げることができます。
カスタマージャーニーとは?マップの作り方と効果的な使い方で詳しく解説しているので、ご参考ください。
3.評価指標を設定する
サイト全体で評価するのではなく、コンテンツは役割に合わせて評価をしましょう。
購買プロセスに対応させると追いかける指標を決めやすいです。
下記は一例です。
購買プロセス | 評価指標 | 広告の評価指標 |
---|---|---|
無関心 | コンテンツのPV数 (動画は再生数) | ディスプレイ広告のCTR 動画広告のVCV数 |
認知 | コンテンツのPV数 (動画は再生数) ガイドブックダウンロード数 | ディスプレイ広告のCTR 動画広告のVCV数 |
興味関心・情報収集 | コンテンツのPV数 (動画は再生数) メルマガ開封率 | リスティング/ リターゲティングの CTR数、CV数 |
比較検討・商品理解 | 事例コンテンツの閲覧数 詳細資料ダウンロード メルマガ開封率数 | リスティング/ リターゲティングの CTR数、CV数 |
導入可否 | 問い合わせ数 | |
意思決定 | 成約率 | |
リピーター | メルマガ開封率 | |
ファン | メルマガ開封率 |
4.ツールを用意する
ブログ、LP、メール配信システム、MA(マーケティング)、SFA(営業支援)、CRM(顧客関係管理)ツールなど必要なWebツールを洗い出します。
導入するツールによっては、複数ツールをまとめて使えるものもあります。
すでに持っているツールを活かして足らない部分を補うのもいいですし、管理システムを丸ごと移行する契機にするのもいいでしょう。
5.コンテンツを用意する
ツールを導入している間でもコンテンツは作れます。
元になるテキストをWordで作ったり、事例紹介で利用する写真を撮影したり、お客さんの声を集めたり、インタビューを依頼してみるなど一次情報を中心に集めていきましょう。
二次情報をメインにコンテンツを作るなら、カスタマージャーニーを元にお客さんの検索意図を探ってキーワードリストを作っていきましょう。
参考記事 Webコンテンツの管理は攻略キーワード別にリストを作れば簡単です
理想は購買プロセスのすべてに対応するコンテンツの整備とコンテンツの質の担保です。
書きたいけど手が止まってしまうような方は、会社のブログがすらすら書けてみんなにモテる構成案のつくりかたを読んでみてください。
コンテンツを全部用意するの大変そう。
6.優先順位をつけて実行する
全部まとめてやろうとすると時間もかかりますし、人手も必要です。
見込み客を増やすことが目的だと、認知してもらうためのコンテンツ(ボリューム多めのキーワード、バズ狙い)、検討を助けるコンテンツ(専門家の立場から課題解決の方法や業界を解説する)だけ用意してメルマガ登録を促してリードを獲得。
検討以降の比較・検討・理解以降は営業が担当している会社もあります。
用意できる予算や人員によって優先順位をつけて計画を立てるのがいいと思います。
もちろん、順次不足しているコンテンツを追加した方が手間は減っていきますよ。
ブログやってても成果が出てないんだけど。
コンテンツマーケティングの成果が出ない理由は?
コンテンツマーケティングに取り組んでいるのに、手ごたえを感じない方は、購買プロセスに対応するコンテンツに「抜け・漏れ」や「穴」がある可能性が高いです。
自社が保有しているコンテンツを棚卸しして、購買プロセス別に評価してみるのはいかがでしょうか。
抜けや漏れがあれば、優先してコンテンツを作成して様子を見ればいいですし、
穴(他のコンテンツに比べて品質が低かったり、ライバルの品質が高いコンテンツ)が見つかったら、コンテンツの質を高めて改善します。
すぐに使えるホームページのアクセス数を増やす13の方法も参考になるかもしれません。
コトウリはあなたのWeb集客をサポートをします
コンテンツマーケティングをこれから始めたい、現在やっているオウンドメディアの結果を出したいなどのご要望があれば、お気軽にお声がけください。
現在地と目的地を確認、どうすれば最短距離で進めるかをご提案します。コンテンツの分析やコンテンツの棚卸、作成のサポートや代行などであなたのお手伝いをします。