名刺代わりのホームページはアリかナシか?をプロが解説

名刺代わりのホームページサムネイル

こんにちは。片岡です。私はWeb歴14年のディレクターです。成果にこだわるホームページ屋として大阪で活動しています。今回は「とりあえずのホームページ」や「名刺代わりのホームページ」について解説します。

「ないよりはあったほうがいい」なんて思うかもしれませんが、私は「適当なものを作るくらいならないほうがマシ」だと思います。

なぜなら、問い合わせがこないからです。「信頼が獲得できている」などと数字で判断できない部分を強調する意見にだまされてはいけません。ホームページは数字で判断すべきです。

そして、成果が出なければ、あなたがかけたお金と時間はムダになります。

成果が出ないのは、あなたに興味を持ってくれた人をがっかりさせているからです。どういうことか順番に説明しますね。

目次

お客さんがあなたのホームページに来るしくみ

名刺代わりのホームページを作るのは、起業家やかけだしのクリエイター、副業をはじめようとしている人、既存の取引先だけだと厳しいから新規開拓を迫られている事業者などが多いでしょう。あなたのスキルが圧倒的に高くて、友人・知人が豊富ならば心配いりません。紹介リレーで十分食べていけるでしょう。

しかし、社会的な知名度が低い状態で、仕事をとっていかないといけない場合はそうはいきません。あなたのホームページに来てくれる人は、誰でしょうか。そして、どうやって訪れるのでしょうか。

まずは「誰が」「どうやって」来るのかを考えてみましょう。

誰が来るのか

お客さんになる可能性があるのは下記の3タイプです。

  1. 友人・知人などのあなたを知っていて親しい人
  2. 名刺交換した程度であなたに詳しくない人
  3. あなたのスキルには興味があるものの、あなたを知らない人

どうやって来るのか

あなたやあなたのホームページを知るきっかけは下記のようなものがあります。

  • 紹介
  • 交流会
  • 展示会
  • チラシなどの紙の販促物
  • 検索エンジン
  • SNS

様々な組み合わせがあるように感じますよね。しかし、かけ出しの間は2の名刺交換した程度であなたに詳しくない人に固定でOKきっかけは交流会や展示会などの「はじめまして」の機会を中心に考えましょう。

親しい人や紹介客は、ホームページに掲載している内容にあまり左右されません。そして、コンテンツが少ない段階で全く面識のない人があなたのホームページと出会うケースはほぼないからです。つまり、1と3は除外できるわけです。

さらに、ホームページに来てくれるということは、あなたに一定以上の興味を持ってくれています。つまり、交流会などでいい感じの自己紹介ができた人が大半になるというわけです。

名刺代わりのホームページに来る人たちは?

リアルの接点をきっかけあなたに興味を持ってくれた人がホームページに訪れます

検索エンジン経由だと、あなたの屋号や名前を知っている人が指名検索で来てくれます。というか、かけ出しの時期は指名検索またはQRコードなどのダイレクトでの来訪以外はほぼないと思ってください。狙ってコンテンツを作らない限り、「検索エンジンから偶然」なんてケースにはなりません。

ちなみに、名刺代わりのホームページを作ってから半年~1年程度経つと、「ホームページって意味あるの?」と思うでしょう。なぜなら、問い合わせが一通もこないからです。誰も見てくれてないのかも?と不安になるかもしれません。

なぜあなたのホームページは成果が出ないのか?

知名度を上げるために様々な交流会で名刺交換はしている。ポートフォリオを見せて売り込んでいるが、反応が鈍い。もしかしたら自分が顔を出している場所が向いてないのかもしれない。どこかいい所はないだろうか。などと考えて堂々巡り。色々なコミュニティに顔を出してみたりします。

成果が出ないのは、あなたのホームページに説得力がないからです。来てくれた人をがっかりさせている、期待を裏切っているから問い合わせが生まれないのです。

説得力がない理由を順番に見ていきましょう。

1.名刺代わりのホームページは情報量が足らないから

名刺を見て「あなたに仕事をお願いしたい!」となったことはありますか?(私はありません。)名前と経歴だけでお願いしたくなる人なんてひと握りです。超有名人でもないのであれば、名刺代わりのホームページが問い合わせなどの成果を生むことはありません

なぜなら、あなたの良さが理解できて、あなたと一緒に仕事をすれば、どういった未来が描けるのかがわかって初めて「お願いしようかな」といった気持ちが生まれるからです。

だから、十分な情報が必要です。あなたのプロフィール、スキル、ポートフォリオ、他との違い、お客さんからの評判などを載せましょう。

また、名刺からホームページへ誘導をしましょう。成果が生まれやすくなります。

2.資金も手間もかけていないから

お金がないなら手間を、手間をかけたくないなら対価を払いましょう。情報の充実したページを作るなら、自分で掘り下げるか、取材で掘り下げてもらえばいいのです。

  • 「ホームページなんかに時間をかけてられない」
  • 「スタートアップだから費用がない」

といった意見をよく耳にします。

これは、

  • 「あなたと会う時に身だしなみは気にしない」
  • 「言わなくてもわかってくれるから説明しなくていい」

と言ってるようなものです。

ホームページのデザインはインターネットにおける身だしなみホームページに掲載するテキストはインターネットにおける接客です。

コミュニケーションで手抜きをすれば、必ず相手に伝わります。あなたに興味を持ってくれた人に塩対応をするのですか?

過度に装う必要はありませんが、「来てよかった(よくわかった)」と思ってもらえるようなホームページにしておいたほうがいいと思います。

名刺代わりのホームページを推薦しているのはどんな人?

視点を変えて「名刺代わりのホームページを作るべきだ!」と言ってるところに目を向けてみましょう。彼らは名刺代わりのホームページではなく、ガッチガチのホームページを作ってます。彼らは作り込んだホームページじゃないと、集客力は生まれないし、成果も生まないと理解しているからです。

彼らは計算しつくしたホームページを持った状態で「名刺代わりのホームページを作りましょう」と言ってるわけです。彼らが提供しているサービスがなんだと思います?

月額課金制のホームページ作成サービスですよ。

彼らは契約が取れればいいんです。あなたの成果が出ようが出まいがどちらでも構いません。
だから、ホームページ制作のデメリットの部分に「効果を数字で判断しづらい」なんて項目を入れてます。クレームを防止するための予防線を張っているわけです。

  • 「仕事はあまりできないですが、頭数は必要ですよね?」という人材派遣会社
  • 「成果は出にくいけど、ホームページが必要ですよね?」というホームページ制作会社

信用できますか?

ホームページは効果を数字で判断するべきです。むしろ数字以外での評価はするべきではないと思っています。問い合わせが取れないコーポレートサイトなんて、契約が取れない営業みたいなもんです。「売上は出さないけどいいやつだから雇ってよ」と言われて、「いいよ」なんていう経営者はいないでしょう。

名刺代わりのホームページはナシ

だから、私は名刺代わりのホームページには反対です。

名刺代わりではなく、一定以上の確率で問い合わせや申し込みが取れるホームページを持つのをおすすめしています。そして、来てもらう人数を増やしていきます。そうすれば、ホームページから問い合わせが届くようになります

しかし、全部作り込んでから公開、となるとものすごく時間がかかってしまいます。

だから、公開スピードを優先して主要ページのみ制作して公開するのはアリです。もちろん、将来的な理想像と計画をつくった上で、コツコツ実行していきましょう。

さて、ここからは成果の出るホームページについて、もう少し詳しく解説していこうと思います。

名刺代わりのホームページとはどういったものか

名刺代わりのホームページはコーポレートサイトブランドサイトなどです。ブログや通販などの機能を持たず、会社案内や企業情報を紹介するパンフレットのようなサイトをイメージして依頼してくる人が多いです。

私はホームページをインターネットにおける情報発信基地だと思っています。

なぜならお客さんは一定以上の興味を持った時に、初めてホームページに来てくれるからです。片岡は「どんな人だろう?」コトウリは「どんな事業をしているんだろう?」と検索してくれます。

だから、ホームページは育てていくものです。「情報発信はアメブロやnoteで十分」と言う人もいますが、私は独自ドメインを取ることをおすすめします。詳細は下記をご覧ください。

ホームページはそもそも必要か?

ホームページは既存の事業を拡張するものです。だから、自分の事業を仕事を大きくしたいと思っている人にとっては必要です。

しかし、仕事に困ってないなら不要です。小規模事業やクリエイターで、自分のキャパシティ以上に仕事がきても困るだけです。紹介リレーが起きていたり、太いお客がいるなら、ホームページはなくても問題ありません。

また、地元の人を対象にしている飲食店や日用品を売っているローカルビジネスや店舗型のビジネスなどもホームページの効果が薄いため、なくてもいいと思います。飲食店だとGoogleビジネスプロフィールを充実させて、SNSアカウントで発信すれば事足ります。

通販したい、メーカーとコラボしたい、フランチャイズをしたいなどの野望があればホームページはあったほうがいいです。

ホームページを作るメリット

主なメリットは情報発信ができることです。情報発信というと他のメディアと機能が被ってしまい、「ホームページじゃなくてもいいじゃん」と言われてしまいそうですね。せっかくなので、情報発信に使われるメディアであるSNSとホームページの違いを中心に解説します。

情報を整理して発信できる

ホームページとSNSは情報の見せ方が異なります。SNSは基本的に時系列に並ぶのに対して、ホームページは情報を出す順番や内容をコントロールできます。SNSだとかなり計画してからやらないと雑多に見えてしまいますが、ホームページならコンテンツが貯まってきたら整理するなんてことも可能です。

何をどのように伝えるかは大切ですが、どういった順番で伝えるかはさらに大切です。セールスではランディングページが有効ですが、これを代替できる手段はSNSにはありません。

また、SNSだと同じ枠組みの中で違いを出すのに対して、ホームページだと自由なデザインで表現できるのも大きな違いだと思います。

ホームページがあると信頼度が高い

メールアドレスがあればアカウントがつくれるSNSに比べて、ホームページはつくるのに手間がかかります。わざわざ面倒な作業をしているのですから、SNSアカウントのみとホームページがあるのであれば、ホームページのほうが信頼度は高いでしょう。

検索すれば情報が出てくるのが当たり前という世の中になっているので、「ホームページがないと怪しい」と感じる人は一定数いるでしょう。これは個人事業と法人の違いに似ているかもしれません。

もっとも、コンテンツが豊富な個人事業のホームページと、ペラペラな法人のホームページだったら、どちらが信用に足るでしょうか。私は前者だと思います。もちろん、コンテンツが豊富な法人がもっとも信頼度が高いことは言うまでもありません。

来てほしい人を集められる

ホームページはSNSに比べて露出先や露出する人を選べます。ホームページは対策するキーワードを選んだり、記事の内容を調整すればコントロールができます。

SNSもハッシュタグなどで露出先はある程度コントロールできます。しかし、シェアやおすすめへの掲載などアカウント側でコントロールできないものが多いため、ターゲットに合わせた運用はしにくくなります。

検索エンジン対策(SEO)のしくみは下記記事をご覧ください。

名刺代わりのホームページを作るデメリット

ホームページを作るデメリットは一般的に費用と手間と言われています。しかし、費用や手間をかける価値があるなら、コストではなく投資です。企業の通常業務となんら変わりません。

しかし、成果が出ないホームページ(名刺代わりのホームページ)を作るのはデメリットが多々あります。そのため、名刺代わりのホームページを作った場合のデメリットについて解説します。

費用対効果が悪い

ホームページを制作するには、ドメイン代、サーバー代が毎年かかります。これはインターネットに店舗を出すための看板代と土地代(データの置き場所代)のようなものです。年間で1万円~2万程度です。

制作費はページ数が少ないならば、制作費は20万~150万くらいの間です。興味がある方は下記記事に詳しくまとめてますので、よかったらご覧ください。

成果が出るなら初期費用もランニングコストも簡単にペイします。しかし、名刺代わりのホームページは成果が出ません。成果が出ないなら、年間1~2万円ですら惜しいですよね。20万~150万なんて回収不能なコストに感じます。

しかし、「コストがかかること」が最大のデメリットではないのです。

見込客の心に残らない

これが名刺代わりのホームページを作る最大のデメリットです。

「へー」という感想のホームページはすぐ忘れられます。

名刺交換して「ちょっといいかも・・・」と思った相手のホームページがいまいちだったら、「なんだ、気のせいか」となります。

「いまいちだった」という印象の相手から売り込みがかかったとしても関係は進まないでしょう。むしろ足を引っ張る存在になりかねません

だから名刺代わりのホームページではなく、一定確率で問い合わせが取れるホームページを作るべきなのです。

一定確率で問い合わせが取れるホームページをどのように作る?

プロに依頼するか自分で作るかの2通りの手段があります。よっぽど慣れていない限りは、最初はプロに頼んだ方がいいと思います。できれば色々な業者と打ち合わせしながら相性を確かめてほしいです。

しかし、プロに頼むとしても、自分で作るとしても、共通している作業があります。

あなたが大切にしていることや、お客さんがあなたに依頼する理由など、あなたの魅力の言語化です。ホームページの元になる要素がなければ、どんなプロでもお手上げです。

プロに依頼する

プロに依頼すると、ディレクターからヒアリングシートが届くでしょう。予算があるならライターさんから取材を受けるかもしれません。ホームページの制作はあなたの魅力の言語化から始まるからです。

たまに「丸投げで低価格」のサービスを見かけますが、99%名刺代わりのホームページが出来上がります。なぜなら、制作陣はあなたのビジネスに詳しくないからです。つまり、お金のムダです。

もし、「ウチは丸投げで素晴らしいホームページを作っている」という人がいたら、連絡をください。謝罪した上で仕事を出します。

ちなみに、Webディレクターは発注者によって金額を変えます。手間がかかりそうなら高めに、スムーズに進みそうなら安めにします。下記のような内容を把握しておくと得です。

自分で作る

金銭的な理由でこっちを選ぶ人もいるでしょう。自分で作るのはいい経験になります。

個人的には頻繁にやる作業は覚えて、めったにやらない作業はお願いするのが賢いと思います。

具体的には記事の追加や修正、コツは覚えるべきですが、サーバーやドメインの契約、ワードプレスのインストールなどは覚える必要はないと思います。

ホームページに盛り込むべきコンテンツ

一般的なコーポレートサイトだとしたら、下記のようなコンテンツを作りましょう。

  1. トップ
  2. 会社概要
  3. サービス一覧
  4. サービス詳細
  5. よくある質問
  6. お客様の声
  7. 事例紹介一覧
  8. 事例紹介詳細
  9. 問い合わせ
  10. プライバシーポリシー

サービスが複数あるならページ数は増えますし、更新ネタがあるならブログをつけるのもいいと思います。

最低限でも10ページ+αです。ひとりで運営している当ホームページですら、執筆時点で234ページあります。あなたはライバルのホームページと比べられて、選んでもらわないといけないわけです。

ライバルがひしめく中で、名刺代わりのホームページが選んでもらえると思いますか?

ページ数が少ないのは仕方ありません。せめて、載せる内容にはこだわろうではありませんか。

ウチは名刺代わりのホームページなんだけど、どうすればいい?

来てくれた人から選んでもらえるように見直しましょう。説得力のある文章や画像に差し替える。コンテンツが足らないなら追加すればいいですし、来てくれる人数が少ないなら来てもらえるように企画すればなんとかなります。

あなたがご自身で加筆修正ができるホームページなら、大した費用はかかりません。

もし、「修正するには費用がかかります」と制作会社に言われたとしたら、ご相談ください。いい方法を一緒に考えましょう。

まとめ:成果の出るホームページを作ろう

ホームページは素晴らしいツールです。しかし、うまく使えている人とうまく使えない人がいます。

名刺代わりのホームページは成果を生みません。なぜなら、名刺を見て「お願いしたい!」という人はいないからです。名刺代わりのホームページを見て、「お願いしたい!」とはなりません。

一定確率で成果が出るホームページを作りましょう。そして、露出を増やしましょう。そうすれば、きっといい結果につながります。もし、お悩みがあればお声がけください。いつでも相談に乗ります。

ホームページの客観的な意見がほしい人は、下記が参考になるかもです。

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