いいランディングページができたと思う。
でも、アクセスが全然こない…広告を出したいけど、追加の予算がつかない。もちろん、成果も微々たるもので、制作費が回収できるかも怪しい。上司は「なんとかしろ」と、好きなことを言ってくるし、制作パートナーに相談してもピンとくる答えは返ってこない。
これは公開する前と後の準備不足が原因です。知らなかったら計画の立てようがないですから、知識不足と言えるかもしれません。
そんなランディングページの使い方に困っているあなたに、失敗しないランディングページの使い方をお伝えします。
この記事を読むと、下記のようなことが分かります。
- ランディングページを作る前のポイント
- ランディングページにアクセスを流す方法
- ランディングページをどのように使えばいいのか
追加予算の上申や、今後ランディングページを作るときに思い出していただければ幸いです。
ランディングページ(LP)を作る前のポイント
「制作パートナーが教えてくれれば…」と思うかもしれませんが、彼らはつくるのが仕事です。
使い方まで面倒をみる業者は珍しいため、発注側が全体を想定しておきましょう。
具体的に考えておくのは下記の7つ。
- 誰がつくるのか?(Who)
- 誰に向けてつくるのか?(Whom)
- 商品・サービスは何か?(What)
- いつまでにつくるのか?(When)
- どこから作るのか?(How)
- いくらでつくるのか?(How much)
- 公開後どうするか?
デザイン会社やコンサルティングファームだと、なぜ(Why)つくるのか?なども聞いてきますが、とりあえずはこの7つに答えられれば、問題ありません。
1.誰がつくるのか?
ランディングページは完成までに設計、デザイン、コーディングといった工程がいります。
工程の中でどこまでを自社で実施して、どこからを外注に出すかを決めます。すべて社内で実施すれば従業員の工数だけで済みますし、外部に出す工程が少なければ低価格に、多ければ価格は上がります。
また、作り方も色々。大きく分けると2つのアプローチがあります。
- ランディングページ作成サービスを使ってつくる
- ゼロからつくる(フルコーディングする)
ランディング作成サービスにはペライチやstrinkinglyなどがあります。こちらは自分でつくる時やかけられるコストが少ない時には候補に入ります。
ゼロからつくるのはピンキリです。
どう違うのか?を料理にたとえると、レトルトと食材を買ってきて作るくらいの違いです。かかる手間が変わります。
また、ゼロからつくるとしても、細部にどのくらいこだわるかで作り方は変わります。
- 大半が画像で簡素なつくり(キリ)
- SEOも意識してつくる(ピン)
前者がミールキット(下ごしらえ済み)で調理(炒めるだけとか)、後者は下ごしらえもするといったイメージです。パッと見はあまり変わりませんが、見る人が見れば分かります。もちろん後者の方が自分好みのものができあがります。
また、設計は商品のコンセプト、ターゲットのリサーチといったコア部分、どういった構造やトーン(印象)にするかといったUI部分に分けられます。どのくらい委託するかよって、時間と費用が変わります。
2.誰に向けてつくるのか?
主要なターゲット層を決めます。
届けたい相手は誰なのか、どういった状況にあるのかを細かく指定します。
なぜなら、すべての商品(サービス)は、特定の状況下にある、特定の相手が現状を改善したいと思った時に価値が生まれるからです。
例えば、「お腹が空いたから空腹を満たしたい。」
こんな単純な内容だったとしても、人が変われば価値が変わります。
- 子どもならお菓子が食べたい
- 大学生ならがっつりしたもの(焼き肉など)が食べたい
- 中高年なら健康にいいもの(和食など)が食べたい
また、状況によっても変わります。
同じものを売っていたとしても、ボーリング場や山の上に設置されている自動販売機だと高額でも売れますよね。
だから、どういった人なのか、どういった状況にあるのかを設定したペルソナ作成をおすすめします。
ペルソナ作成って意味あるの?
手間の割にメリットは少ない気がするんだけど…と思う方もおられるかもしれません。確かにランディングページ単体で考えるとペルソナ作成は割に合わない作業です。
しかし、下記のようなタイミングで利用できるとしたらどうでしょうか。
- ウェブ広告のターゲティング
- 思考トレースによる検索キーワードの絞り込み
- タッチポイント(接点)の洗い出し
狙った対象に届けるため、つまり、集客するためにペルソナを使います。
いいなと思うデザインやグッとくるコピーライティング、共感できるたとえ話などはペルソナによってさまざま。もちろん成果にも関わってきます。
私はペルソナ作成は意味のある行為で、ペルソナ作成をしない方が効率が悪いと思っています。
なぜなら、ペルソナが決まらないと成約率が下がるからです。
ペルソナが決まらないと、お客さんとどういった関係をつくるのか、つまりコミュニケーション方針が決まりません。方針がブレていると一貫した営業プロセスにならず、各工程で生まれた”ズレ”は違和感につながります。
違和感が積み重なった結果、「なんとなく信用できない」から契約しない方が増えるという流れです。
BtoCだと個人の価値観を踏まえたペルソナ作成が、BtoBだと企業の規模や担当職務、ポジションなどを加味して考えると使いやすいペルソナになります。
3.商品・サービスは何か?
ここまで述べた通り、ランディングページの作成には”それなりの手間”がかかります。
だから、ランディングページをつくって、使うくらい価値があるか?について考えてみましょう。
すべての商品に作れるのが理想です。しかし、予算も人も潤沢に使える会社は珍しいため、選抜してあげないといけません。
まずは現在やっている商品・サービスを洗い出してみましょう。
そして、個別に「価値があるかどうか」を判断していきます。
価値がある中で、優先順位の高いものから順番に手掛けます。
ページがないものを補填するのが最優先、主力商品が次点。同様のカテゴリで比べるならば、できるだけネタの多い(拡張性の高い)ページから手掛けるのがおすすめです。
4.いつまでにつくるのか?
公開までのスケジュールを設定します。
展示会やイベントに出るためにLP(ランディングページ)がいるならスケジュールはズラせません。もし計画を立てるタイミングがギリギリだったら、特急仕事を請けてくれる業者を探さないといけなくなります。
めっちゃ暇なクリエイターならいざ知らず、大抵は複数のプロジェクトを並行しています。横入りするなら、追加料金が必要ですし、もし追加料金がないなら空いてる人を探さないといけません。追加料金があれば、パートナーはスタッフに時間外手当が出せたり、頼めるパートナーを探してもらうなど、打てる手が増えます。
5.どこから作るのか?
ページの構成要素として最低限必要なのはテキストと写真です。すべてが整っていれば、すぐに制作にとりかかれます。
もし、用意ができていない、あるいは手元にある素材がいまいちなら、これらの手配から始めないといけません。
もちろん、新商品だからこれまでよりもこだわりたいといったケースや、動画の方が魅力が伝わりやすいといった特徴、お客様の声や推薦コメントなどが必要になるケースもあります。
文章のプロにはコピーライター、写真のプロにはカメラマンがいます。依頼すればクオリティは高まりますし、依頼するならば適任者を探す時間と費用が必要です。
6.いくらでつくるのか?
ここまで書いてきた要素の組み合わせで初期コストが決まります。
多くは「予算ありき」だったりしますが、予算が決まっているなら、予算内でどれだけできるかなどを考えていきます。
- 外注する範囲(リサーチ、設計、デザイン、コーディング)
- 素材へのこだわり(ライティング、写真撮影、動画編集)
- 時間的な余裕(特急仕事か標準的なスケジュールか)
また、公開後にかかるコスト(運用コスト)もあります。
- 集客代行(広告やコンテンツ作成など)
- ランディングページの分析(効果検証)
- 効果検証を元にした仮説立案と改善
仮説を元に作成して、公開後はデータを元に改善します。
ペルソナや設計の精度が高ければ、そのままでOK、大成功!なんてこともありますが、大抵は公開してからが本番です。
全体的な予算を考えて初期コストと運用コストに振り分けましょう。
7.公開後どうするか?
ランディングページは提案を目的としています。
営業プロセスの重要な部分を占めますが、LP自体に集客力は生まれにくいです。
そのため、ランディングページには補助が必要です。ちょうど探している人へお知らせしたり、自然な流れで案内するといった工夫がいります。
タイミングよくお知らせするには広告を使ったり、集客用コンテンツをつくるなどが有効ですし、自然な流れで案内するならホームページを改修するのが有効です。ランディングページをつくるだけではなく、どうやって知ってもらうかを含めた予算を考えておきましょう。
ランディングページ(LP)にアクセスを流す方法
ペルソナがいる場所へ、伝わりやすい言葉で呼びかけて、出会いを生み出します。
手法は下記のような方法があります。
- リスティング広告
- SNS
- SEO(ブログ)
- ホームページの改修
- 広報(PR)
- その他
1.リスティング広告
Google広告とYahoo広告を使います。
テキスト広告は顕在層が調べる直接的なキーワード、ディスプレイ広告は潜在層からの共感を引き出せるバナーで集めます。
ウェブ広告はどういった相手に広告を出すか?という設定(年齢や性別、どういったことに興味があるかなど)ができます。
ペルソナで設定した情報をそのまま使えて、ランディングページで使ったコピーライティングは広告文に流用できます。
2.SNS
各SNSに最適なコンテンツをつくって発信しましょう。
Instagramならば正方形の画像(1,080×1,080px)、TwitterやFacebookなら長方形の画像(1,200×630px)です。面倒だからと同じ画像を使いまわして、一部が切れているなどもありますが、惰性でやってもファンは増えません。どうせやるなら真剣にやりましょう。
また、ペルソナの使っているハッシュタグを使って、見つけてもらえるようにしましょう。
3.SEO(ブログ)
ライバルが多くて広告費が高い商品、売るには説明が必要な商品、比較された上で購入されるような商品は、ブログを使ってみてもいいかもしれません。
成約率の高いキーワード(購買意欲が高い人が調べるキーワード)には広告も多く、力を入れているライバルも多いからです。「今すぐワード」と呼ばれるキーワードは、大手が刈り取ってます(超強いです)。
検索キーワードにはknow(知りたい)、do(やってみたい)、buy(買いたい)、go(行きたい)といった4つの需要(クエリ)があります。
この中でもっとも多いのはknow(知りたい)クエリで、8割~9割くらいで、成約に結びつきやすいのはDo(やってみたい)クエリとBuy(買いたい)クエリです。
難易度の高いキーワードに挑んで徒労に終わるくらいなら、一見回り道に感じる難易度の低いキーワードを狙って、お客さんと接点を持つ。接点を持ったらLPや記事LPに誘導するといった長い目で関係をつくっていくことをおすすめします。
4.ホームページの改修
トップページのメインビジュアルやナビゲーションに追加したり、CTA(Call To Action)でLPを案内しましょう。
コンンテンツごとに関連するLPを設置できるならより効果が見込めます。記事下部や関連記事などで一括に案内するのもないよりはマシです。
5.広報(PR)
広報はPublic Relationsの通り、「自社と社会の関係性を作る」役割があります。
自社の取り組みを新聞、雑誌、ニュースサイトなどのメディアに取り上げてもらい紹介してもらいます。
どうやってやるのかというと、記者へ「プレスリリース」(記者への公開)でネタを提供。興味を持ってもらえれば取材の連絡が入ります。
新聞は1週間前、雑誌は3ヶ月前、テレビは1~2ヶ月前(ジャンルによる)が目安。
郵送・FAX・メールなどで個別にお知らせすることもできますし、プレスリリース代行会社を通じてまとめてお伝えするやり方もあります。
6.その他
ターゲットに届くならば、オンラインにこだわる必要はありません。
購読紙が特定できるなら雑誌広告や業界紙でもいいですし、通勤経路が分かっているなら電車内に広告を出すのもいいでしょう。エリアが決まっているならポスティングも有効ですし、業種が明確ならダイレクトメールでもいいと思います。
ペルソナと自然な形で出会って、ランディングページに訪れてもらいましょう。
ランディングページ(LP)の使い方
ランディングページは商品やサービスを提案する場所、ホームページにとってのレジ、集客した各カテゴリのゴールです。
ランディングページは2つの運用方法があります。
- コーポレートサイトに組み込んで運用する
- ランディングページ単体で運用する
1.コーポレートサイトに組み込んで運用する
コーポレートサイトに組み込むならば、下図のような構造をつくります。
商品ごとに特化したランディングページがあるのが理想です。リソースが足りない場合は、詳細ページをゴールと捉えて設計しましょう。また、検索エンジン経由での集客経路を考えるなら下図になります。
集客力があるのはお役立ちコンテンツ(コラムやブログ)です。ランディングページはセールスが目的なので集客力は生まれません。
集客、お悩み、ジャンル、商標の各キーワードに合わせて応えていきます。着地したページを経由して、ランディングページを紹介します。自然な流れの紹介を導線と呼びます。ナビゲーションやCTA(Call To Action)といった表現もほぼ同じ意味です。
導線をつくるだけで、売上が10倍になったケースもあります。
2.ランディングページ単体で運用する
商品やサービスによっては、ランディングページ単体で利用も可能です。広告経由でランディングページに送り込みます。
バナー広告や動画広告も「クリックしたらLPへ移動」といった基本的なしくみは同じです。
広告費は1クリックあたりいくらといったクリック課金型(CPC:Cost Per Click)と、1,000回あたりの表示にいくらといったインプレッション課金型(CPM:Cost Per Mile)といった方法があります。
1クリックあたりの費用や掲載場所はオークション方式と広告の品質スコアで決まります。品質スコアは、広告タイトル・説明文・ランディングページの出来で決まってきます。
スコアは 1~10 の数値で示され、キーワード単位で確認できます。品質スコアが高ければ、そのキーワードを検索しているユーザーにとって、お客様の広告とランディング ページが、他の広告主様のものと比べて的確で有用であることを意味します
Google広告ヘルプ:品質スコアについて(https://support.google.com/google-ads/answer/6167118?hl=ja)
ランディングページを改善するなら、広告タイトルや説明文と一緒に考えましょう。
もっと広い視点で捉えると下図のようになります。
せめて自社がコントロールできる範囲は、作り込んでおくべきです。
リピーターが増えない原因が「梱包が雑だったから」といったウェブと関係ない部分にあることもあります。
ランディングページ(LP)を使って売上を増やそう!
- ランディングページを作る前のポイント
- ランディングページにアクセスを流す方法
- ランディングページをどのように使えばいいのか
順番にご紹介してきました。
ランディングページの作り方は下記記事で紹介しています。
公開したら、ランディングページへの流入数とコンバージョン数を元にパフォーマンスを定量的に分析。改善案の策定にはヒートマップツールを使います。ヒートマップとは下図のようにどのくらいスクロールされたか、クリックされたかなどを可視化できるツールです。
導入したい!と思ったら下記の記事が参考になるでしょう。無料で導入できます。
取り組むことが多く、何からはじめればいいか分からないなんてなったら、お気軽にお声がけください。お待ちしています。