中小企業、小規模事業者の新たな販路拡大を応援する小規模事業者持続化補助金。
2020年からは実質いつでも申請することができるようになりました。(2019年までは単年予算の都合上、6月末くらいで締め切られていました。)
2023年は第13回までの計画が組まれています。
2023年の受付スケジュール
受付回 | 様式4の締切 | 申請書類の受付締切 | 補助事業の実施期間 |
---|---|---|---|
第11回 | 2月13日(月) | 2月20日(月)【当日消印有効】 | 交付決定日から2023年9月30日まで |
第12回 | 5月25日(木) | 6月1日(木)【当日消印有効】 | 交付決定日から2024年4月30日まで |
第13回 | 8月31日(木) | 9月7日(木)【当日消印有効】 | 交付決定日から2024年7月31日まで |
第14回 | 12/5日(火) | 12月12日(火)【当日消印有効】 | 交付決定日から2024年8月31日まで |
「様式4」というのは管轄の商工会議所に依頼するともらえる「事業支援計画書」のことです。
持続化補助金の申請から獲得までの流れ
申請の準備までに2週間、申請してから採択結果を受け取るまで1.5~2ヶ月、実行内容を報告してから補助金が振り込まれるまで1.5~2ヶ月くらいかかります。
- 申請に必要な書類を確認する
- 経営計画書を書く
- 商工会、または商工会議所の指導員に様式4:事業支援計画書を作ってもらう
- 申請書を全て用意する
- 補助金事務局へ申請する
- 採択結果を受け取る
- 計画を実行する
- 補助金事務局へ実行した内容と経費を報告する
- 報告内容が審査されて認められた金額が振り込まれる
1~5までが申請、6~8が採択と実行、9でようやく補助金が振り込まれます。
補助金が採択されれば、最大で50万入ってくるため実質的な負担は抑えられますが、一旦立て替え払いをする必要がある点と振り込まれるまでにタイムラグがあることに留意しておきましょう。
申請に必要な書類を確認する
申請するために必要な書類は単独申請と共同申請で異なります。
(共同申請は商店街やコミュニティ単位で申請する場合に利用する制度、最大10事業者が合同で申請することができます。)
下記の5つの書類を作成、事業者の組織体系や申請する内容によって一緒に提出する書類が変わります。
作成する5つの書類
- 様式1:申請書
- 様式2:経営計画書
- 様式3:補助事業確認書(経費や外注先などを確認する書類)
- 様式4:事業支援計画書(商工会または商工会議所が作る書類)
- 様式5:補助金交付申請書
様式1、2、3、5は自力で用意できる書類、様式4は商工会または商工会議所に用意してもらう書類です。
組織体系・申請内容別提出時に必要な書類
対象 | 必要な書類 |
---|---|
共通 | 様式1、2、3、5をPDFにしてUSBまたはCD-Rなどで保存した電子媒体 |
個人事業主 | 直近の確定申告書 (立ち上げたばかりの場合は開業届) |
法人 | 貸借対照表および損益計算書 (設立したばかりの場合は現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書) |
特定非営利法人 | 貸借対照表および活動報告書 現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書 法人税確定申告書 |
審査に加点を求める場合 | 加点に必要な書類 |
加点項目については別記事で紹介します。
申請する際にハードルになるのは、様式2:経営計画書です。
これ以外の書類は簡単です。
関連記事 持続化補助金の採択率がアップする6つの加点要素とは?
経営計画書を書く
経営計画と補助事業の計画を記載します。
経営計画に記載する内容
- 企業概要
- 顧客ニーズと市場の動向
- 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
- 経営方針・目標と今後のプラン
といった4点。
あなたの事業を客観的に説明できる資料を作りましょう。
数字や図表、画像を使ってあなたのことを知らない審査員にアピール(補助金を出資する価値がある事業者だと思わせる)できる資料にするということです。
補助事業に記載する内容
補助事業名(30文字以内)、販路開拓等、業務効率化(生産性向上)の取組内容※、補助事業の効果といった2点ないし3点。
※業務効率化(生産性向上)の取組内容は任意項目。該当する場合のみ記載。
販路拡大または生産性の向上によって、現状の課題を解決してあなたの事業が成長すると思ってもらえればOKです。
経営計画書記載の流れ
経営計画書は現状を分析して課題と解決策を提示、補助事業が解決策になるので補助金を出資して欲しいというプレゼン資料です。
慣れていないと何をどのように書けばいいのかが分かりません。
具体的な書き方が分からない方は、一般型の書き方を下記記事でご覧になれます。
関連記事 持続化補助金<一般型>向け経営計画書の書き方!サンプルを添削
また、経営計画書は一人で作らなくても大丈夫です。
あなたが事業を営んでいる地域の商工会、または商工会議所の職員が相談相手になってくれます。
商工会、または商工会議所の指導員に様式4:事業支援計画書を作ってもらう
経営計画書の内容を元に、商工会または商工会議所の職員から指導を受けます。
資料が固まったら、様式4:事業支援計画書というものを発行してくれます。
原本を提出する必要がありますが、控えをとっておきましょう。
申請書を全て用意する
様式1~5と、USBメモリまたはCD-Rなどの電子媒体、組織体系・申請内容別提出時に必要な書類を用意します。
加点項目についての書類は、別の組織に事前に申請して認定を受ける必要があるものがほとんどです。
並行して処理しておきましょう。
補助金事務局へ申請する
郵送または電子申請で補助金事務局へ申請します。
電子申請の場合は、gBizID(ジービズアイディー)が必要です。
ID取得には最短で2週間、申請には印鑑証明が必要です。
採択結果を受け取る
申請から1.5ヶ月~2ヶ月で採択結果が郵送で届きます。
補助金の交付が決定されたら、いよいよ計画の実施です。
採択者の手引きを見て注意点を確認しておきましょう。
経費として認定されるのは、交付決定の通知以降の支出です。
事前に進めた場合の支出は経費として認められないため、注意してください。
また、この時点では補助対象として認められただけで、申請した金額が交付されるわけではないことも覚えておきましょう。
計画を実行する
新商品開発のための機械購入、新しく通販を始めるためにネットショップを作る、配達サービスを開始して周知のためのチラシを作るなど申請した内容を実施します。
実行した時点で立て替え払いが発生します。
期限内に実施すること、計画の内容を変更しないこと、支払いは原則振込で実施することが大切です。
申請した内容を変更したり、実施しなかったりすると経費として認められない場合があります。
補助金事務局へ実行した内容と経費を報告する
計画と実行した内容が完全に一致しているなら問題はありませんが、ズレた場合は実行した内容を報告する必要があります。
期限内に実施しなかった場合は、実施にかかった支出のみが対象の経費になります。
また、支払いが期限内に終わっていない場合も経費の対象外になります。
- チラシを10,000枚ポスティングする計画だったのが、反応が良すぎて手が回らなくなり、2,000枚で一旦配布を止めた。
→2,000枚が対象経費、残った8,000枚は補助対象外、補助金が減額になります。 - クレジットカードで支払ったが分割払いにした。
→期限内に引き落としされていない金額が補助対象外、補助金が減額になります。 - 作っている最中に必要な機能が見つかって追加費用が必要になった。
→追加機能は申請内容に含まれていないので補助対象外、減額にはならないが追加機能分は実費。
報告内容が審査されて認められた金額が振り込まれる
申請から1.5~2ヶ月後に振り込まれます。
実行した内容に対して補助額が決定されるので、満額が振り込まれるかどうかは振り込まれるまで分かりません。