持続化補助金<一般型>向け経営計画書の書き方!サンプルを添削

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小規模事業者持続化補助金を申請する際には、様式1~様式5といった5つの書類が必要です。
申請しようと思った時に、様式2の経営計画書で止まってしまった方も多いのではないでしょうか。
サンプルを用意してくれていますが、個人的にはいまいちな内容だったのでイメージが湧くように添削してみました。

あなたの事業に置き換えて書き方をイメージできるようになれば幸いです。

目次

申請する補助金によって経営計画書は違いがある

一般型とコロナ特別型で書式が異なります。
一般型は経営上の課題と解決策を記載する一般的な経営計画書、コロナ特別型はコロナの影響(売上減少など)及びコロナへの対策(A~C類型)を記載する項目があり、5枚までという枚数制限があります。

細かい違いはあっても記載する流れはほぼ共通しているので心配はいりません。

経営計画書に記載する内容

経営計画書の作成で悩むのは、経営計画と補助事業計画の部分です。

経営計画書は

  • 企業概要
  • 顧客ニーズと市場の動向
  • 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
  • 経営方針・目標と今後のプラン

補助事業計画は

  • 事業名(30文字以内)
  • 販路開拓等
  • 業務効率化(生産性向上)の取組内容
  • 補助事業の効果

で構成されています。
一般型のサンプルが3枚、コロナ特別型のサンプルが2枚になっています。

PDF 一般型の経営計画書サンプル
PDF コロナ特別型の経営計画書サンプル

一般型のサンプルを審査員になったつもりで読んでみよう

提出したのは持続化 太郎さんの後継者である持続化 清(じぞくか きよし)さん。国道沿いの海鮮居酒屋を営んでいます。
※サンプル画像はクリックで拡大されます。

経営計画

経営計画は持続化さんの事業を大きな視点(市場)と、小さな視点(あなたの事業)の現状分析と今後の見通し、課題解決のための計画を発表するパートです。

企業概要

事業概要のサンプル

顧客ニーズと市場の動向

顧客ニーズと市場の動向

自社や自社の提供する商品・サービスの強み

自社や自社の提供する商品・サービスの強み

経営方針・目標と今後のプラン

経営方針・目標と今後のプラン

とここまでが企業概要です。
続いて課題解決のための補助事業。

補助事業計画

補助事業計画は経営計画で行った分析からの課題を解決する新しい取り組みです。
続けて読んでいきましょう。

事業名

事業名

販路開拓等

販路開拓等

業務効率化(生産性向上)の取組内容

業務効率化(生産性向上)の取組内容

補助事業の効果

補助事業の効果

以上で、持続化さんの経営計画は終了です。
さて、この計画に出資したいと思いましたか?

私なら出資しようと思いません。

サンプルの良くない点と改善策を提示

経営計画書の良くない部分は

  • 企業概要:ランキングはあるものの全体が掴みにくい。 →店舗外観や店内やメニューの写真を使ってイメージを補う。
  • 顧客ニーズと市場の動向:自店の現状説明のみで、顧客ニーズが一切書かれていない。 →なぜ、自店が選ばれているのかなどを分析して顧客ニーズに落とし込む。
  • 自社や自社の提供する商品・サービスの強み:客観的な意見に乏しい。 →お客様の声を使う、名店100選に選ばれたことを活かしたブランディングを計る。
  • 経営方針・目標と今後のプラン:流れから単価を上げることの整合性を感じない。 →デリバリーは時流に沿っているので〇、強みを活かした経営方針を立てる方が良い。

補助事業計画の良くない部分は

  • 事業名(30文字以内):経営計画でひとことも出ていなかった鱈が登場。 →経営計画で鱈が良く採れるなど地域特性を触れておくとスムーズ。
  • 販路開拓等:ターゲットがシニアなのに揚げ物かつバーガーなのが凄い。 →ターゲットに向けた商品開発が必要。
  • 業務効率化(生産性向上)の取組内容:どのくらい業務効率化されるのかが分からない。 →効率化される部分を数値化して示す。
  • 補助事業の効果:補助事業の見込み売上の目標がよく分からない。 →見込み売上の目標を図表で示す。

一般型のサンプルを添削

サンプルの大筋を変えることなく添削してみます。
補助事業は鱈バーガー、鱈チップスを販売する前提で進めます

ヒアリングする相手がいないので、想像で補完します。
※画像などはイメージです。

経営計画

経営計画は審査員に対しての自己紹介です。
あなたが出資する価値のある事業者であることを示さなければなりません。

出資する価値がある事業者とは、現状分析で課題を明確にして、有効的な対策が立てられる事業者です。
課題と課題への解決策に正当性があり、一貫したストーリーが必要です。

今回は「鱈バーガー・鱈チップスの開発」が補助事業の内容という前提で添削するため、補助事業が現状の課題を解決する手段にならないといけません。

添削した内容をご覧下さい。

企業概要

■自社の概要・沿革

当社は1985年に設立された海鮮居酒屋である。
設立以来「地産地消で地域へ貢献」「地元の新鮮な魚介類を美味しく味わっていただく」「料亭の味を手軽に」という3点を理念としている。

持続化太郎と持続化清

代表者の持続化太郎は、京都の料亭やホテルの料理長を歴任した後、当地で海鮮居酒屋を設立。
後継者である持続化清は、調理師学校を卒業後、フレンチを学び2015年に当社に入社した。フレンチと和食を融合させたメニュー開発を行い、現在の役職は専務取締役である。

■店舗の基本情報
店舗外観店内風景
  • 営業日:週6日(定休日は月曜)、営業時間は11:00~23:00となっている。
  • 人員体制:厨房2名、接客2名(3人がシフト制)
  • 立地:国道〇号沿い、駐車場30台
  • 店舗面積は約40坪、座席数は50(カウンター10席、テーブル4人用が10卓)
  • 感染対策としてカウンターにはパーテーションを設けており、安心してお食事頂ける環境を整えている。
■商品の売上と利益の状況

地元の漁港で採れた新鮮な魚介類を使ったメニューを提供している。
売上総額・利益総額は図表の通り。

 売上総額の大きい商品利益総額の大きい順
1位日替わり弁当〇万円ビール〇万円
2位まぐろ丼〇万円特上にぎり〇万円
3位にぎり〇万円にぎり〇万円
4位ビール〇万円日替わり弁当〇万円
5位特上にぎり〇万円まぐろ丼〇万円
メニュー例

売上内訳は下図の通り。

売上構成比

ランチ(60%)の平均単価は900円、6人以上の宴会(20%)の平均単価は6,000円、夕食(20%)の単価は4,000円となっている。

項目ごとに内容を分けて読みやすくしました。
画像やグラフを追加してイメージが湧きやすくしました。
加点項目として事業継承を選択しているため、現在の代表と、後継者を紹介しています。

顧客ニーズと市場の動向

■顧客ニーズ

平日のランチの時間帯は会社の昼休みに利用するお客様と常連のお客様が中心。
前者は行列があると他店へ流れるため近隣で手早く済ませたいというニーズ。
後者は並んででも当店が提供する魚介類を食べたいというニーズがある。

また、若年層も意識して魚介類を中心にした注文が多いことから、ランチでも健康に配慮した食事を摂りたいというニーズを持つ顧客が増えている。

夕食の時間帯は宴会用途と少人数の夕食用途のニーズがある。
国道沿いという立地上、アルコールを飲まないお客様が7~8割を占める。
料理の品質にこだわりたいというニーズを持つお客様が多い。

■市場全体の動向

総務省統計局家計調査1世帯当たり年間の品目別支出金額によると、魚介類の消費金額は2015年の81,337円から2019年73,862円と9.19%の減少となっている。

生鮮魚介においても2015年と2019年を比べると10.9%の減少、年々減少している中、魚介加工品は1.2%減と減少幅が限定的であることがわかる。

 2015年2016年2017年2018年2019年
魚介類81,33779,73777,29774,00673,862
生鮮魚介46,45445,82043,64941,49941,387
魚介加工品10,86210,62810,64710,59810,729

以上の差異は、「魚介類は食べたいが調理は面倒、手軽に食べたい」というニーズがこの落ち込みの差異であると推察される。

新型コロナウイルスの影響から家で食べる内食が主体となり、飲酒についても部屋飲みや宴会についてもオンライン飲み会などが実施されるようになった。
外食にかける金額は2020年以降は減少傾向にあるものの、家飲みにかける金額は増加になると見込まれる。

■競合他社の状況

ランチタイムはラーメン店(単価600円程度)、ファミレス(単価800円程度)。
12時~13時半の間は満席で行列もできる。
夕食は上記の2店舗に加えて回転寿司Aが競合店舗になる。

■顧客数の増減

ランチタイムの顧客数は堅調に推移しており、夜の売上は微減している。
下記は当店の年別月間の平均売上推移である。

売上推移グラフ

夜の売上が微減傾向にあるのは、常連数が少子高齢化の影響から50名から10名程度まで減少していることである。
お客様から聞き取りをすると「仕事を辞めてから足が遠のいた」「年のせいで家で食べることが増えた」とのこと。

項目によって見出しと内容に分けています。
顧客ニーズは顧客の動きから推察できるニーズを記載してもOKです。
市場全体の動きがなかったので、統計でみる日本で調べました。 鱈バーガーや鱈チップスが水産加工品なので、開発に正当性を持たせることができます。 あなたの業界+統計を活用すると、市場全体の動向を参照しやすくなるため、説得力が増します。
顧客数の増減は個別に取っていないのであれば売上推移から推察できます。

自社や自社の提供する商品・サービスの強み

当店は、約 10Km 先の漁港における漁師 4 名と専売契約を結んでおり、その日の朝に獲れたての鮮度の高いネタを刺身・寿司として提供している。

提携している漁師と画像

その質・味については評価が高く2016 年には雑誌 ○ ○ に「 ○ ○ 県の名店 100 選」として取り上げられたこともある。

雑誌での紹介

最近立地した回転寿司Aと比較すると、宴会平均単価は 2 倍近く高いが、それは味・質をお客様が評価されていることを示している。

お客様からの聞き取り
  • 「鮮魚を中心としたコースが主体だがオリジナルの乾物(一夜干し、エイヒレなど)と白身魚のフライはふとした時に食べたくなる」
  • 「ランチをきっかけに夕食にきた」
  • 「焼き物や揚げ物は回転寿司Aより断然こっち」

といったことを教えて頂いた。

画像を追加してイメージを湧きやすくしました。
掲載された雑誌の写真を使うことで強みに説得力を持たせました。
お客様の声を掲載することで、客観的な説得力を持たせました。

経営方針・目標と今後のプラン

常連のお客様からいただいている高い評価に甘んじることなく、当店の魚料理のおいしさを一人でも多くの人に伝えたい。
当店からの徒歩圏内の人口は減少しているものの、バイクによる配送20 分以内の範囲(半径10km圏内)には多くの住居が存在し、特に高齢世帯が多く内食する方が多いため、売り上げ増加が期待される。

顧客を増加させるため、今まで行っていなかったデリバリーを開始、また、家飲み用に持ち帰り商品を開発する。
まず、本年10月までに新メニューを考案・整備、11月中に10Km圏内の全5,000世帯にポスティングする。

12月からデリバリーサービスを開始する。

値上げに正当性が感じられなかったので削除しました。
常連が減少した原因への対応としてデリバリー、家飲み用として持ち帰り商品の開発という理由付けにしました。
10km圏内の世帯数を追加しました。

いかがでしょうか。
添削前に比べて初めて見る審査員にとっても分かりやすい経営計画になったのではないかと思います。

補助事業計画

経営計画から鱈バーガー・鱈チップスの開発についての正当性は確保できました。
補助事業計画についても添削していきます。

補助事業で行う事業名

鱈バーガー・鱈チップスの開発・販路開拓

必ず30文字以内で記載して下さい。30文字を越えたら審査対象外になります。

販路開拓等(生産性向上)の取組内容

新商品イメージ

■鱈バーガーの開発

当店の常連からも好評な白身魚のフライを使い、ランチを手軽に食べたいという世代をターゲットとして、鱈のすり身フライのバーガーを開発。
デリバリー、持ち帰りを主眼としているため、20 分経っても味が衰えないようなものを研究し開発する。
当店のランチ単価900円の半額程度かつ競合であるラーメン店、ファミレスよりも安い単価500円と設定する。

■鱈チップスの開発

家飲みの一品やオンライン飲み会をする世代をターゲットに鱈を揚げたスナック菓子を開発。
おつまみの一品やお土産にもなるため、防腐剤を使わずとも 1 か月以上保存できるものを研究し開発する。

気軽に買って頂けるように80gで200 円程度と設定する。
当店でお酒を飲まれる方やご家族にお土産を買って帰られる方にもご購入いただけるため、売上単価の向上も見込まれる。

■販路開拓の見通し

商品を開発後、〇〇市マッチングフェアへの出店・顧客へのⅮⅯ発送・地域住民へのポスティングを通してPRを行い、鱈バーガーは一日平均10個程度、鱈チップスは一日平均 5 袋程度の販売を見込む。

また新商品をPRするチラシをポスティングすることで、バイクで20分以内の配送が可能な範囲に居住のシニア世代へデリバリーを開始したことを告知することで足が遠のいてしまった顧客との関係性を修復する。

デリバリー向けのチラシを季節ごとに制作して、店舗への送客も企図する。

鱈バーガー、鱈チップス共にターゲットを追加・変更しています。 シニア世代をターゲットにしているのにバーガーを販売するのがどうしてもしっくりこなかったので、手軽に食べたいという需要を満たすようにランチの補完にしました。
常連が内食になっていることから、新商品のPRと同時にデリバリー開始を周知することで需要の復活を狙います。 ※デリバリーが新しい取り組みであれば、十分補助対象になります。
デリバリーで離れてしまった顧客を店舗へ集客する効果を追加しました。

業務効率化(生産性向上)の取組内容

〇「販路開拓等の取組」とあわせて、荒谷労務管理システムのソフトウェアを購入し、出退勤管理を含む、人事、給与管理業務の効率化を図る。
月間で10時間の削減が見込まれるため、従業員がより働きやすい環境になる。

どのくらい削減されるのかを数字で記載しました。
補助事業は市場の拡大と地域振興を目的にしているため、人件費の削減というのは望ましくありません。 より働きやすくなる、顧客へのサービス向上に充てるなど、効率化された部分を発展につなげる表現が望ましいです。

補助事業の効果

鱈バーガーを目玉商品として広告する一方、離れてしまった常連客のデリバリーの利用で1 か月20万円程度(鱈バーガー12万、鱈チップス2.4万、デリバリー5.6万)の売り上げ増加を図る。
また、デリバリーの利用によって、関係を修復できた顧客を集客することで夕食、宴会の売上拡大も見込む。

下記は事業を実施した場合と実施しなかった場合の月間平均売上の比較シミュレーションである。

売上推移の見込み

事業を実施しなかった場合は徐々に縮小することが見込まれるが、事業の実施により安定的に新規顧客の獲得が可能になる。
初年度は月間で5%の売上増だが、顧客接点が強化されることからクチコミ効果も見込まれるため、年を追うごとに本事業の効果は大きくなると見込まれる。

新商品の売上原価は7割弱と見積もり、新事業の実施にあたって新たに65万円の初期投資(補助対象経費含む)が発生するが、1年程度で投資を回収したい。
新しい取り組みを通じて収益を改善させ、地域の方々の集いの場である当店をしっかり維持できるようにしたい。

事業の効果を数字で記載しました。
事業を実施しなかった場合と実施した場合で比較することで本事業の優位性をしましました。
グラフを使って視覚的に分かりやすくしました。

コトウリに相談した場合

持続化 清(じぞくか きよし)さんが、サンプルの経営計画書を元にコトウリへ相談してくれた場合は添削のみでなく、補助事業の内容自体を提案します。

提案する補助事業の内容

コトウリはホームページを核にして販売促進をお手伝いするのが基本方針です。
サンプルにはホームページの活用が入っていませんが、本内容に加えてホームページの活用を提案します。

漁師と提携している点を前面に打ち出して他店と差別化してみたり、普段やっている仕込みの風景などをSNSで発信してファンを増やす。
提携している漁師と一緒に補助事業を共同申請をして「〇〇市とれとれ市場」といったネットショップを作って持続化さんが開発した商品を販売したり、漁師さんが消費者へ定期的に取れたての魚介類の詰め合わせをお届けするプランを作ってみるのもいいですね。

デジタル活用の手順や大切なことについては下記のPDFで解説しているので、よければ目を通してみてください。
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