【事例紹介】チラシを外注から内製に変えたことで生まれたメリットを数字で解説

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外注は便利です。
でも、私は中小零細の販売促進の大半は内製でやるべきだと考えています。

更新や修正といった作業なら、ちょっと勉強すれば十分対応可能なのでプロの手を借りる必要はありません。
さらに、内製することでコストや時間的なメリット以外の副次的な効果が組織に生まれるからです。

【事例紹介】販促を外注から内製に変えたことで組織に生まれた変化とは?では、組織に与えた数字で表せない定性的な部分を解説したので、本記事では定量的に示せることを書いていきます。

  • 時間
  • コスト
  • 費用対効果

といった3つのポイントについて解説していきます。

目次

時間

時間の削減は数字で表すことができます。コスト削減や費用対効果が高まることはもちろんですが、内製する最大のメリットはスピード感があることです。

スピード感

手早い対応というのはスタッフのモチベーションを高める効果がありますし、PDCAを回すスピードが早くなると当事者意識が生まれるため、数字で表すことのできない効果(前向きな空気感が社内に生まれるなど)が大きいです。(最終的には売上アップ、勤続年数増加などの数字に表れます)。

コストや費用対効果も大切ですが、時間を効率的に使えるようになるというのが内製の最大のメリットだと思います。

スピード感が10倍以上早くなった(時間が1/10に削減できた)

制作会社は複数のクライアントを抱えているため、テキストを一部変更する、画像を差し替えるといったすぐに終わるような修正であったとしても順番待ちの列に並ぶことになります。

さらに、外部パートナーに動いてもらう場合は、見積書を作成してもらって、社内で稟議書(りんぎしょ)などの手続きをした上で、後日になると請求書や振込の処理をしなければなりませんし、スタンプラリーが必要なことも多いため、テキストを一部変更するために一週間以上かかる場合もあります。

外注と内製の違いのモデル図
工程も少ないし、コストも安いので稟議の時間が短くて済みます。

これを内製に切り替えると、朝担当に希望を伝えた上で、客先に伺う→会社に戻ってきたころにはラフができているとか、企画にまとまっているといったスピード感が生まれます。

手間がかからないのであれば、気軽にチラシの種類を増やしたり、小まめにホームページを更新をしたくなるものですが、社内の手続きがあるのであれば、「後でいいやー」となりますよね。

結果的に「反響がなくても刷ったチラシは使い切る」とか、「社内チェックにかなりの時間をかける」ことになります。

「反響が出ないチラシはさっさと捨てて、ブラッシュアップする」「たくさんの種類を作って当たるチラシを見つける」「ホームページはどんどん更新してお客さんのニーズに応える」くらいのフットワークの軽さがほしいです。

コスト

内製するために必要なコストもありますが、社内のプリンターで印刷していたり、特殊印刷以外の定番チラシも業者に頼んでいるのであれば、大半はクオリティを担保しつつコストを削減できます。

コストイメージ

ざっくりですが、年間で300万ほどのコストが削減できました。

ホームページの更新にお金がかからなくなった

チラシと連動してホームページを修正することもあるため、テキストや画像の差し替えなどが発生します。

自社で追加・編集できるようなシステムを導入していない、あるいは導入していたとしてもやり方が分からないと、「1行変更してほしい」とか、「画像を差し替えて欲しい」などを制作会社に頼むことになります。

非常に簡単な作業であったとしても、人が動くのであれば「無料」とはいきません。
1か所の修正につき3,000~8,000円程度かかります。

名称変更などで画像に使っているテキストを修正する場合は画像の作り直しになりますので、画像作成費用なども追加でかかってきます。

ちりも積もれば山となるように年間で20~30万の更新費がかかっていましたが、これが0円になりました。

ページの追加や構成・レイアウト変更といった大掛かりなものであればいざ知らず、簡単な修正や更新は内製で済ませることができるようになった方が得です。

チラシ1枚あたりのコストを66%以上圧縮できた

支援先のお客さんにはご高齢の方が多かったため、Webよりもチラシが主要な顧客接点でした。

これまではワードやエクセルなどのofficeソフトを使って、リース契約の社内プリンターで印刷、ミニコミ誌(毎月発刊)は業者に依頼してコート紙(光沢のある紙)を刷っていました。

プリンターのリース会社に払っている単価や業者から届いていた請求書を確認すると、単価が高かった(カラーだと1枚10円または20円)ので、オンデマンド印刷へ切り替えました。

Before
両面カラー(コート73kg)
15,400円(@7.7円)

After
両面カラー(マットコート90kg)
5,210円(@2.65円)

単体でも66%のコストを圧縮。
7拠点で毎月発刊していたので、年間だと855,960円のコストが削減できました。

社内印刷は片面10円or20円だったので原則禁止にして、増刷が必要ならば本社側で追加発注することでコントロールしました。

Before
社内印刷(@20円)

After
オンデマンド印刷(@2.65円)

単体で86.75%コストを圧縮。
リース会社に支払う金額は年間で2,000,000円以上削減できました。

こちらは紙からデータへ切り替えて、あまり印刷しないようにしたことも大きく影響していると思います。

また、チラシの外注を辞めたことで月額3万円、年間で36万のデザイン費が削減できました。

追加になったコスト

外注を取りやめる代わりに、Adobe Illustratorを契約(Adobe公式:52,562 円/年)したので、これが追加になったコストです。外注費からすれば微々たるものですね。

もっとも、グラフィックソフトを導入すれば、すぐに高品質なチラシが出来上がるかと言われると、そんなことはありません。

複雑な操作方法を覚えるための学習コストを支払う必要がありますし、構成を作れる人が監修しないとグダグダになってしまうので、スタッフを育てるつもりで導入しましょう。

費用対効果

コストが削減できても、反響率が下がったら意味ないですよね。
内製することでチラシの反響率はアップしましたし、ホームページのユーザー数は2倍、問い合わせ数は5倍になりました。

【事例紹介】ホームページの問い合わせが5倍になるまでに実施したことで書いていますので、ご興味があればどうぞ。

チラシに使用している紙の質はアップした

Before
コート73kg(ペラペラ)
普通紙(両面印刷だと裏写り)

After
マットコート90kg
(もちろん裏映りはしない)

〇〇kgというのは紙の厚みで、73kgは新聞紙くらい、90kgはコピー用紙くらい、110kgでパンフレットくらい、180kgではがきくらいです。
数字が大きいほど厚みがあって、しっかりしているということです。

1枚当たりのコストは下がったのに、紙の質が上がりました

オンデマンド印刷万歳。

反響率が10数倍アップした

これまではチラシを撒いても反応がなかったため、比較すると10数倍といったふんわりした数字になってしまうのですが、2,000件撒いたら必ず数件~数10件は問い合わせの電話が鳴るようになったので、0~0.1%あたりがコンスタントに1%以上の反響率を出せるようになったと言えます。

一斉に撒いたものだったとしても、エリア担当の数字に反映されますし、チラシのバリエーションも増やしていたので、顧客訪問の際の引き出しが増え、より積極的にチラシをポスティングするようになりました。

ベテランの社員さんが「チラシって反応出るもんなんやなー」と言ってくれたのが、とても嬉しかったです。

キャンペーンが成功した

夏に期間3ヶ月、500台のキャンペーン、冬に期間2ヶ月、300台を対象にしたキャンペーンをしていましたが、どちらも締め切りを前に完売御礼となりました。

もちろん営業の頑張りが主ではありますが、いい援護射撃ができたと思っています。

内製に変えたことで生まれた定性的なメリット

定量的なメリットと合わせて直接的には数字に表れない組織にとってメリットだらけのポジティブな変化についてもご紹介しておきます。

チラシを積極的に撒くようになった

撒いたら一定数で反応が出るという実績が出てくると、後は確率の問題ということでスタッフのやる気が出て足で稼ぐ人も出てきます。

「なんでやってるのか分からない」とか、「こんなんじゃ無理っしょ」みたいな言い訳があると、頑張らないスタッフもいるのですが、良い環境を作って言い訳になりそうな理由を全部なくしてしまえば、自然と前を向くスタッフの方が多いんですよね。

反響の高いチラシは重版を重ねて2,000部単位が5,000部単位での発注になり、1回あたりに刷る部数が増えると、1枚当たりの単価は更に下がりました(@2.65円→@1.96円)。

雰囲気がよくなった

前を向くスタッフの方が多くなると、部署全体のパワーが上がるんですよね。
「あいつは頑張ってるなー」から「私も頑張ろう」になって、「それってどうやってやるの?」と教えを乞うようになり、お互いにコツを教え合うようになっていきます。

この段階になると、アイデアが凄い勢いで出てくるようになりますので、働きかけるのではなく聞き役だったりフォロー役に回ります。

荒削りのものも多いので、精度を高めるためのアドバイスをしたり、プロトタイプを作って考えを深めてもらうなどが主体になります。

キャンペーンへの取り組みが前向きになった

「えー」が「やるぞー」になりました。

援護射撃や準備を整えて、事前にお客さんのモチベーションを温めているので、「やらされているキャンペーン」から、「キャンペーンは数字が上げやすいタイミング」と認識が変わるようになったのかと思います。

営業担当は、キャンペーンが嫌なんじゃなくて、ノルマがあるのに数字が上がらないのが嫌なんですよね。
数字が上がると楽しいので、どんどん積極的になっていきます。

惜しいなーと思ったのは頑張った人とあまり頑張らなかった人の待遇がそれほど変わらなかったところ。
個人的には営業なんだから成果によって天国と地獄があるくらいでちょうどいいと思ってます。

外注から内製に変えたことで生まれたメリットまとめ

  • スピード感がアップした
  • コストがカットできた
  • 販促の費用対効果(ROAS)がアップした
  • 反響率が10数倍アップした
  • スタッフのモチベーションが上がった
  • 部署全体の雰囲気が明るくなった
  • キャンペーンへの取り組みが前向きになった

といったメリットが生まれて、売上や生産性がアップしました。

もし貴社が販促のすべてを外注しているのであれば、できそうな部分から内製を始めてみてはいかがでしょうか

内製をすることによって組織に生まれた変化について解説しています。
よければこちらもご覧ください。

【事例紹介】販促を外注から内製に変えたことで組織に生まれた変化とは?

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