ホームページは公開した後どのように使うのかによって「ちょうどいい」が変わります。よくあるご相談を元に、どういったホームページを作ればいいのかをご紹介します。
本記事との出会いがあなたにとって「ちょうどいいホームページ」のヒントになれば幸いです。
ホームページのご相談は、下記の5つのパターンに収まります。
- 「とりあえず」のホームページ
- 名刺交換した人に見てもらうホームページ
- 見た人を納得・説得するホームページ
- インターネットから集客して見込み客をつくるホームページ
- 自動的に注文まで取ってくれるホームページ
1~3の主な集客経路はリアルが中心。4と5はインターネットからの集客がメインになります。もし、1~3のタイプでインターネットから集客しようと思ったら、Web広告を使うのがいいでしょう。
ここからは1~5について順番に見ていきましょう。
1.「とりあえず」のホームページ
「ないとまずいからとりあえず」という理由でご相談いただくケース。起業時や副業をはじめる方が多いです。
この方針、個人的には反対です。
なぜなら、あなたにとってマイナスになる可能性が高いからです。
検索エンジンのしくみ
日本では月に10億回の検索が行われています。検索されるキーワードには「コトウリ」や「片岡」などの特定の組織や個人を示す「指名ワード」と、「問い合わせ 増やす」や「ホームページ 制作」などの「一般ワード」があります。
検索エンジンは検索されたキーワードの意図を読み取って、ランキングを掲載しています。たくさんのライバルがいる世界なので、立ち上げた当初は「指名ワード」以外での流入は見込めません。
つまり、あなたと接点があって、かつ興味を持ってくれた人だけがあなたのホームページを見るということです。
興味をもってくれた人が、「とりあえず」作られたホームページを見たらどうなるでしょうか?
「いい感じかもと思ったけど気のせいだった」と、がっかりされてしまいますよね。
「とりあえず作る」のではなく、こだわって作りましょう。
2.名刺交換した人に見てもらうホームページ
事業の立ち上げやテコ入れをしようと思ったら、最初にやるのは人脈づくりです。商工会議所やコミュニティなどで開催している交流会やイベントなどに参加するでしょう。
私は職業柄、名刺交換した方のホームページは必ず見ます。しかし、一般の方がホームページを見るのは下記のような流れです。
- 軽くお話してみて、惹かれるものがあったからホームページを見る(興味本位)。
- 何らかの商品やサービスが必要になった時に思い出してもらい、連絡を取る前にホームページを見る(比較検討)。
- ちょうど探していたタイミングで名刺交換。お願いしても大丈夫かホームページで確認(導入可否)。
興味本位、比較検討、導入可否といったフェーズで行動は異なります。
相手の脳内リストに残れるかポイントです。
興味本位でホームページを見た場合
何となく見ているので、リアクションは淡白です。
- 「ちょっとよく分からない。」(脳内リストから除外)
- 「へー。」(なんとなく覚えるかも)
- 「実はすごい人(会社)なんだ。何かあったらお願いしようかな。」(脳内リストに記載)
相手の頭に残るキャッチコピーや、印象に残る実績、素晴らしい経歴などが掲載できていると可能性は上がります。
比較検討でホームページを見た場合
上司や知人から「こんな人知らない?」と相談を受けた時に「そう言えば…」と名刺をより分けてホームページに来てくれます。それほど真剣ではないものの、具体的な話になる可能性はあります。
ホームページを見た時の反応は下記のようなものがあるでしょう。
- 「わかりにくいからナシ。」
- 「保留。数合わせに入れておいてもいいかも。」
- 「重要候補のひとつにピックアップ。」
相手の求める情報が掲載されているかがポイントです。
サービスの詳細、料金表や取引の流れなどがあると読んでくれます。
導入可否の段階でホームページを見た場合
「いい人いないかなー」と人材を探しに来ていた人は、名刺交換後にホームページに来てくれます。口頭で話した段階でもある程度の手ごたえはあるでしょう。こういった方は「いい方ならばお願いしたい」と思っています。
- 「気のせいだった。」
- 「微妙…保留かな。」
- 「この人(会社)で間違いない!お願いしよう。」
ホームページで見るのは「自分の期待に応えてくれそうかどうか」「言ってたことと書いてることに矛盾がないか」などです。元々お願いしたい気持ちがあって、それが間違いないかを確認しにきています。
だから、お付き合いしたいと思うかどうか。共感できる考え方を持っているか、一貫した行動をしているかなどがポイントです。経営理念やビジョンを掲げ、小まめに更新しているのがいいでしょう。
もちろん、参加した会の性格や集まってくる人のタイプによって割合は異なります。しかし、わざわざホームページに来てくれる人は、何らかの興味は抱いてくださっていていることは間違いありません。
名刺交換した人に見てもらうホームページのページ数
ページ数は1~10ページ程度で、これからコンテンツを増やしていくホームページです。
このタイプの重要ポイントは下記3点です。
- 名刺やチラシ・配布物、話した内容とホームページがマッチしているか。
- 来てほしい人を歓迎する内容になっているか。
- 自社のスタンスやイメージを示せているか。
お客さんとのコミュニケーションは単体ではなく複合的に考えましょう。
主要なコンテンツがあるし、伝えるべき内容は漏れなく書かれている。しかも一貫性は守られている。でも、必要最低限のページ数でつくられているような構成です。
3.見た人が納得する・説得できるホームページ
見た人が納得する・説得できるホームページは「しっかりした」ホームページです。
取り扱い商品・サービスの情報が網羅できており、十分な情報を提供。お客さんの疑問や不安に答えるコンテンツも豊富に抱えているため、お願いしたい気持ちを高める構成にします。
比較検討の人が重要候補のひとつにピックアップしてくれたり、導入可否の人がこの人で間違いない!とお願いしてくれるようなホームページに仕上げます。
見た人が納得する・説得できるホームページのページ数
ページ数は10~100ページ程度。取扱い商品・サービスの数によってページ数は変動します。来てくれた方のモチベーションを高めたり、十分な説得力を持たせるために用意します。
1、2との違いは、ページの充実度です。共通しているのは、あなたのことを知らない相手が来る割合は低いということです。
1~3の主な流入経路は「指名検索」です。指名検索とは会社名や商品・サービス名などの固有名詞での検索です。「コトウリ」のような屋号などは知っている方以外は調べません。
そもそも検索キーワード自体が頭の中にないため、名刺交換や展示会などのリアルな出会いや広告がきっかけになります。しかし、ホームページを作る目的は、販路開拓ですよね。インターネットから集客したいと思うのは当然です。
もし、あなたのことを知らない相手にもホームページにきてもらいたいならば、どうすればいいのか?
それが次の段階です。
4.インターネットから集客して見込み客をつくるホームページ
「ホームページがあれば、問い合わせがどんどんくる!」と思った時期もあったのではないでしょうか。もちろんホームページを育てれば集客、接客、クロージングまでしてくれるようになります。
しかし、ホームページは作っただけでは集客はしてくれません。
なぜなら、指名検索(固有名詞)で集客するには知名度が必要ですし、一般検索(お悩みや用途などでの検索)にはたくさんのライバルがいるからです。指名検索に比べて一般検索には大きなボリュームがあります。
一般検索で選んでもらうには検索結果の上位に表示される必要があります。
検索結果の上位に表示されるには、検索者の疑問や期待に応えつつ、ライバルよりも優れたコンテンツを用意しないといけません。
ライバルの数は?
あなたの商品・サービスが解決できるお悩みやお困りごとで検索してみましょう。検索ボックスの下に表示された〇〇件があなたのライバルの数です。
一般的であればあるほどライバルは多く、ニッチであればあるほどライバルは少ないです。そのため、キーワード対策もできるだけライバルが少ない(弱い)ものを選びます。
優れたコンテンツとは?
タイトルに対して120%の満足を得られるコンテンツです。ユーザーは何らかの期待や疑問を持って検索をします。検索したユーザーが「この記事に出会えてよかった!」と思えるコンテンツを作りましょう。
たとえば、新しいお店(A店)がオープンして、「あの店ってどうなの?」と思っている人がいたとします。そんな状況で「A店に行ってみた。詳細レポート!」といったタイトルを見つけた時に抱く疑問は、下記のようなものがあるでしょう。
- お店の雰囲気は?
- 何人くらいで入れる?
- 誰と行くお店?
- どういう時に行くお店?
- 店員の接客は?
- どういうメニューがある?
- ボリュームは?
- 味は?
- 盛り付けは?(映える?)
- デザートはある?
- 価格帯は?
- 満足度は?
- また行きたいと思う?
「A店に行ってみた。詳細レポート!」が、上記の質問にすべて答えていれば、素晴らしいコンテンツ。ほとんど答えていなければ、品質の低いコンテンツとなります。文章だけではなくて、画像が豊富だとさらに満足度は高まるでしょう。
そのため、コンテンツの品質は検索した人の疑問をどのくらいクリアにできるか?といった基準で考えるのがいいでしょう。
そして、インターネットから集客しようと思ったら、あなたの見込客の疑問や期待に答えるコンテンツ、見込み客が「知りたい!」と思うコンテンツを作ればいいわけです。
- 失敗しない〇〇の解決法
- お金をかけずに〇〇を解決するには?
- 〇〇の根本的な原因は××!
現在ランクインしているコンテンツに勝ちましょう。「他のコンテンツでいいじゃん」レベルなら、あなたのコンテンツには存在意義がありません。
インターネットから集客して見込み客をつくるホームページのページ数
BtoBなのかBtoCなのか、ターゲットをどこまで広げるかによってページ数は変わってきます。カテゴリごとに10~50件くらいのコンテンツが目安です。
BtoBで主体となる事業は数件、本業への問い合わせがほしい場合は、基準となるページ(サービスページなど)に加えて、50~300程度あれば網羅できると思います。
5.自動的に注文まで取ってくれるホームページ
はじめましてから信頼関係の構築、契約するまでの一連のプロセスをホームページ上に再現します。
ステップメールによるシナリオ分岐、StripeやPaypalなどの決済システムを使って収益化します。
無料セミナーからサブスク契約に結びつけたり、個別相談から本契約につなげるなど、商材は色々ありますが、フロントエンド・バックエンドの考え方は共通しています。
商品・サービスの設計がポイントです。
まとめ:自分に合ったホームページを作って活用しよう
用途によって作り方やページ数は変動します。
- 「とりあえず」のホームページ
- 名刺交換した人に見てもらうホームページ
- 見た人が納得する・説得されるホームページ
- インターネットから集客して見込み客をつくるホームページ
- 自動的に注文まで取ってくれるホームページ
しかし、どういったホームページでも、お客さんとの関係性を作るためのツールであることを忘れないでください。服装と同様で、華美である必要はありませんが、最低限の身だしなみや清潔感は必要です。
わざわざホームページに来てくれる人は何らかの興味は抱いてくださっています。彼らはその時に抱いた印象が合っているかどうかの答え合わせにきています。合っていれば話が進みますし、間違っていればお別れです。
一貫性を持って世界観を表現しましょう。お客さんに喜んでもらえるコンテンツを作りましょう。ホームページは積み上げ型のメディアです。あなたの姿勢があなたに共感する人を惹きつけます。ぜひホームページを活用してください。
もし、独力で進めるのが難しいならコトウリにご相談ください。きっとお力になれると思います。