この街のクリエイター博覧会に出展しました!の企画趣意では、表向きの企画のポイントを書きました。本記事ではもう少し深い部分を書いていきます。企画のポイントとして下記3点を挙げました。
- クリエイター、事業者のどちらが見ても楽しんでいただける展示内容にしたい
- 参加型にしたい
- 目立ちたい(埋もれないようにしたい。)
なぜ、こんな内容にしたのかというと、展示会に参加した時に、下記のような嫌な体験をしたことがあるからです。
- 声をかけられる
- 営業メールや売り込みが来て対応が面倒
- いらないものを渡される
パッと見でわからないから何となく見てるのに、興味があると勘違いされて声をかけられる。名刺や来場者QRを読み取られると売り込みのメールが大量に届く。ほしいと言ってないのにチラシやリーフレットを渡される。
アピールしているつもりが、ネガティブキャンペーンになってます。
だから、私は下記のように「やらないこと」を決めました。
- 興味を持ってくれた人以外には声をかけない
- 売り込みのメールはしない
- 販促物を配らない
ただ、そのためにはブースや販促物に興味を持ってもらう必要があります。だから、企画が必要になりました。
興味を持ってもらえる企画とは?
営業としての場ではなく、そもそものテーマに沿うような取り組みにしました。この街のクリエイター博覧会なのだから、ウチのブースでもこの街のクリエイターを紹介しよう。
そこで生まれたのが下記のようなコンセプトです。
しかし、趣味でやるものではないから、今後に活かせるものにしたい。
では、「ひとつの題材」はコトウリの事業紹介にしよう。自分が気づかなかった部分を気づかせてくれるかもしれないし、もしお客さんが全部読み比べてくれたなら、すごく詳しくなってくれるかもしれない。
比較を促せば、来場者は自分事として見比べてくれる。制作を担当してくれたクリエイターにとっても、フィードバックをもらえるのは嬉しいし、マーケターとしてもテストになる。
もうひとひねり加えるとしたら、誰でも参加できるクイズにするのがいいのではないだろうか。といった仮説で、協力者を募ることにしました。ご協力いただけるクリエイターがいなければ、企画を練り直す必要があるからです。
自分の知らない魅力に気づいたり、クリエイターを紹介する場だから、できる限り監修しないようにしました。進め方はクリエイターに全面協力しました。
テキストの支給を依頼されたら、お渡ししましたし、文章などの確認依頼がきたら手直しはお願いしています。
出来上がった販促物
同じ目的のために同じ材料で作ったのに多様な表現になりました。
もし、全面的に監修していたら、こんなに面白い表現にはならなかったはずです。
合計で197枚お持ち帰りいただきました。
お持ち帰りいただいた販促物の内訳
全種類持って帰る方もおられましたし、一部だけお持ち帰りになった方もおられました。枚数的に差異はありましたが、成果が出るか出ないかはこれからが勝負です。
下記フォームに入力すると、アンケートをまとめた結果がダウンロードできます。
- どれが目に留まりましたか?
- このクリエイターに発注したいと思った番号
- このクリエイターには発注したくないと思った番号
上記の質問に加えて、その理由を聞いてます。アンケートはクリエイターと非クリエイターに分けて、集計しています。それぞれの視点や現在抱えている課題感によって評価方法が異なるため、面白い結果になりました。
ご関心があればご覧ください。
展示会の各ツールは役割が異なる
BtoBであるため、成約までは下記のような流れになります。商談約束が最大の目的になります。
では、商談数を最大化させるためにはどうすればいいでしょうか。
- 販促物をたくさん配る
- お客さんにたくさん声をかける
母数を増やすのは大切です。しかし、むやみに数を増やしても意味はありません。なぜなら、興味を持っていない来場者にいくらアプローチをかけたとしても、商談は生まれないからです。
誰彼構わずチラシを配っていても、見もせずゴミ箱行きです。
そのため、各工程の役割は下記のようになります。
役割が決まれば、ポイントも決まります。
- 展示ブース:他のブースよりも目立つ。わかりやすいメッセージを届ける。
- 販促物や接客:興味を膨らませる。望んで持って帰るようにする。
- ホームページ:説得力のあるコンテンツを用意する。
- 問い合わせ:後回しにしない理由をつくる。
- 商談:ハードルを下げる。
- 成約:成果にこだわる。リピート、推薦、紹介してもらう。
展示ブースをWeb広告や検索結果のタイトルと捉えて、販促物や接客などをバナー広告やコンテンツとして捉えたわけです。ホームページ(ランディングページ)以降の流れはネットもリアルも同様ですから。
上記のポイントを念頭に据えつつ、一貫したユーザー体験ができるように取り組みました。
コトウリの展示ブース
Webなのにモニターがない異色のブースになりました。コピーもわかりやすいですよね。
立体的なブースで、通路からも目立っていたそうです。違和感があったことで、立ち止まって熱心に見てくださる方も多々おられました。席を外していても、QRを読み取ってアンケートに答えてくださった方も。
約100名がブースにお越しいただけました。
出来上がった販促物
多様で見比べたくなる販促物の数々。ここからスペシャルページの入口を作りました。
全種類持って帰った方や気に入った1枚だけを持って帰った方など、さまざまでした。
合計で197枚お持ち帰りいただきました。
コトウリのホームページ
今回はこのクリ博用にスペシャルページも作りました。3本の動画と2つのテンプレートを配布しています。
動画は下記の内容です。
- 昨今のWebを取り巻く状況(20分)
- ホームページを活用する方法(38分)
- コトウリのWeb活用支援(30分)
- 「Webってどうなの」
- 「ホームページを活用したい」
- 「自社のマーケティングスキルを高めたい」
など、変化を求める方にお役に立つ内容にしています。
納得していただけるように汎用的かつ凝縮した情報を掲載しています。
スペシャルページなので鍵をかけてます。パスワードを知りたい方は、相談するから「スペシャルページのパスワードを教えて」とご連絡いただければお伝えします。
スペシャルページからの問い合わせ数が最終目標ですが、閲覧数(量)と平均滞在時間(質)も評価基準になります。
問い合わせ
問い合わせを増やすために行動する理由を動画に埋め込んでいます。
商談
ここからは個別対応になるため、再現性はありません。私は契約前でもなるべく提案するようにしています。実際に効果が出ると、具体的な契約の話になることが多いからです。
成約
よくあるサポート契約は半年や1年単位です。しかし、私は3か月単位の契約にしています。お客さんのリスクを下げたいですし、望んで継続してほしいからです。2024年3月時点の継続率は100%です。わかりやすさとスピードが継続の理由のようです。いつもありがとうございます。
展示会の評価方法
Webマーケティングをしていると、CPA(コンバージョン獲得単価)やCPO(顧客獲得単価)などの単価、ROAS(広告の費用対効果)やROI(投資利益率)といった指標を重視します。
展示会においても同様です。「いくらの広告宣伝費を使っていくらの売上や利益が生まれたのか?」について計算しましょう。足し算と割り算で計算できます。
まずは広告宣伝費を計算します。
広告宣伝費=出展料+チラシなどのデザイン費+ブース装飾費+当日の日当+諸経費
次にコンバージョンを定義、何が目的かを決めます。
展示会だと商談の約束数がコンバージョンになるでしょう。一歩手前の名刺の獲得、またはスペシャルページへの到達をコンバージョンと定義してもいいかもしれません。そのため、コンバージョン数は商談の約束数or名刺の獲得数+スペシャルページの到達数で計算できます。
CPA(コンバージョン獲得単価)=広告宣伝費÷コンバージョンとなります。
スペシャルページの到達など後日になってもじわじわ増えていくコンバージョンを設定した場合は、展示会から1か月間などの期限を切って調べるのがいいでしょう。
CPOの「O」はOrderの「O」なので、現時点では不明。展示会がきっかけで生まれた商談から売上や利益も現時点では不明なのでROASやROIも計算できません。そのため、展示会の評価は3か月から半年程度のスパンで計算するのがいいでしょう。
3/17時点での成果
イベントが3/12と3/13でした。3/17時点での成果は下記となります。
展示会全体の来場者:1,190名→ブースに来てくれた方:約100名(仲間50名ほど)→商談予定1件→成約?件
商談や成約までには時間が必要です。そのため、展示会が終わってから1か月後に評価をするのがいいでしょう。
また、制作過程やクイズの結果などをWebコンテンツにしています。これは、波及効果を狙っているからです。何かのきっかけでコトウリやダンボールのブースを思い出してもらった時に、見つけてもらいやすくなるからです。
展示会も顧客接点のひとつ!コミュニケーションをデザインしよう
上図のとおり、展示会も顧客接点のひとつです。イベントや展示会などは数値化しにくいため、どんぶり勘定で捉える方も多いです。しかし、自然検索やWeb広告、SNSといった顧客接点のひとつに過ぎません。そのためには展示会も数字で評価してあげる必要があります。
そして、一定以上の興味関心を抱いた時に、ホームページは見られます。訪れた時にいかに納得してもらえるか、問い合わせをしたいと思えるしかけを作れるかが商談数や契約数を増やすポイントになります。
ぜひ、あなたのお客さんにとって素晴らしい体験を組み立ててください。
もし、私にお手伝いできることがあれば、お気軽にお声がけください。