コンバージョンの種類と設定するメリット

ホームページの目標(コンバージョン)を決めようサムネイル

私はお客さんがホームページで成果を出す手伝いをしています。ホームページを分析して、改善アイデアを出し、改修。効果を検証してお客さんなりの勝ちパターンを見つけるのが仕事です。

デザイン面で改善点が見つかるサイトもあれば、アクセス解析の数字をもとに課題を見つける時もあります。そんな中で気になるのは「目標未設定」のホームページ

お話を聞いていると、みなホームページに求める役割はあります。しかし、アクセス解析ツールを見ると、目標(コンバージョン:CV)が設定されていない・・・。

すごくもったいないと思います。

なぜなら、現在地が分からない上に効果の測定ができないからです。どのページの貢献度の高いのか、あるいは低いのか。問い合わせしてくれた人と問い合わせしなかった人で、どういった違いがあるのかも分かりません。

正確に言うならば頑張ればできますが、通常よりも時間がかかる。わざわざやる必要はありません。また、すべてが混ざった数字では的確な分析ができないケースもあります。

でも、どんなコンバージョンがあるのか分からなければ設定ができないですし、なぜ設定すればいいのか分からなければ面倒ですよね。そんなあなたに、コンバージョンについて下記をご紹介します。

  • どんなコンバージョンがあるのか
  • コンバージョンを設定するとどんないいことがあるのか
  • コンバージョンを設定した後にすること

読み終わったら思わずコンバージョンを設定してしまうでしょう。
ぜひあなたのホームページ活用に役立ててください。

目次

コンバージョンの代表例

まずは代表的なコンバージョンの設定について知っておきましょう。順番に解説していきますので、さらっとご覧ください。

  1. 特定ページの閲覧
  2. 特定のリンククリック
  3. 特定ページへの送客
  4. 資料のダウンロード
  5. 〇%のスクロール
  6. 平均滞在時間(エンゲージメント率)
  7. 動画の閲覧時間

1.特定ページの閲覧

特定のページとは、(1)問い合わせ完了ページなどのフォームを入力した後のページ、または(2)本当に見てほしいページのことです。問い合わせだったり、申し込みだったり、メルマガ登録など、情報を入力した後に表示される画面をゴールとして設定します。最も多くの方が気になっている数字で、コンバージョンとして設定するケースが最も多いです。

(2)本当は見てほしいページは、サイトの規模が大きくなってきた時に設定します。ページ数が増えてくると、本来見てほしいページがどんどん埋もれていきます。製品ページ、会社案内、資料ダウンロードページなどの「鍵」となるページの閲覧をチェックポイントとして設定するのもいいでしょう。

2.特定のリンククリック

問い合わせやカートなどをサイト内に設置せずに、外部システムを使っている場合は「問い合わせ」「申し込む」などのボタンのクリックがコンバージョンになります。よくあるケースだとサイト内で商品を紹介、購入はAmazonのリンクなどですね。

また、年季の入ったホームページだとフォームは別のシステムを使っていることがあります。「作り直しましょー」とおすすめしても、「基幹システムやCRMツールとつながってるから無理ー」と言われて継続するケースもあります…。

3.特定ページへの送客

組織に営業、マーケティング、人事など部署があります。すべての部署を、一律に売上で評価すると不公平感が出てしまいますよね。営業は売上で、マーケティングはどのくらい見込み客を生み出したか、人事はいかに離職率を低減したかなどで評価されたいです。

ホームページは複数のページで構成されていて、ページごとの役割があります。集客を担当するページはセールス力が弱いですし、セールス力が強いページは集客力が弱い。一律に「問い合わせの獲得」で評価するとセールスページの評価は高いですが、集客ページの評価は低くなります。では、集客ページの価値は低いのか?答えは「ノー」です

集客ページはセールスページへの送客をコンバージョンにすればいいじゃないですか。読者のモチベーションを高めて、どのくらい「その気」にさせたのかで評価しましょう。

コンバージョンとして設定すると煩雑になるため、手動で計算する方がいいと思います。

4.資料のダウンロード

PDFの需要はまだまだあります。なぜなら、人は「役に立つ!」と思ったら、手元に置いておきたくなるからです。いいブログを書いてる人が書籍を出版したら買ってしまいませんか?たとえブログに掲載している情報をまとめたものだったとしても、再編していれば欲しくなります。

いい資料ならば、ダウンロードしてくれます。お客の手元にあればブログよりも記憶に残りやすいですし、ふとした時に読み返してくれる可能性もあります。どの資料がダウンロードされたか、どのページ経由で資料がダウンロードされているのか分析すると、人気のコンテンツが分かります。これを集計すれば新しいコンテンツ作成やブラッシュアップのヒントになります。

5.〇%のスクロール

ランディングページの評価に使います。ファーストビューはみんなが見てくれますが、一番下まで進んでくれる人はどのくらいいるでしょうか。10%刻みで設定できて、〇%以上スクロールしたらコンバージョンだ!とします。こちらもチェックポイントとして使われることが多いですね。

どれだけいいシナリオやストーリーを描いても、話が盛り上がるまでに離脱されていたのでは意味がありません。スクロール率を見て「30%までは見てくれる」ならば、30%までが勝負!と考えて相手を引き込むように構成を変更します。

6.平均滞在時間(エンゲージメント率)

ちゃんと読んでくれているか、コンテンツを楽しんでもらえてるかなども目標になります。商品レビュー系のコンテンツや、提案型のコンテンツマーケティングだと、コラムをしっかり読んでもらえないと絶対に売れません。

当ブログもしっかり読んでもらえるようにエンゲージメント率は気にしています。違いを出そうと思ったら行動するしかないですからね。

7.動画の閲覧時間

Youtubeを埋め込んだ場合は、動画がどのくらいまで再生されたかをコンバージョンにできます。ブログの精読率みたいなもので、動画の再生時間をコンバージョンにできます。10秒で離脱したのと、8割再生されたのでは同じ1再生でも意味合いはまったく異なるからです。

ネギマ

ホームページの目的に合わせてコンバージョンは設定するといいですよ。3、5、6、7はサブ的に使うことが多いです。

コンバージョンを設定するとどんないいことがあるのか

ホームページの目的に近づいているのか、まだまだ遠いのかなどの距離が測れるようになります。

  1. コンバージョン数(CV)がわかる
  2. コンバージョン率(CVR)がわかる
  3. ページ別の貢献度がわかる
  4. 貢献度を高めるための仮説がつくれる

1.コンバージョン数(CV)がわかる

趣味でブログを書いている人もいますが、大半のホームページは収益が目的です。

直接的なものとしては問い合わせ、架電、FAX、メール、予約、申込み、来店など。間接的なものとしては認知、記憶、ブランディングなどの読者の頭の中にできる認識。またはメールアドレスやフォローなどのつながりが挙げられます。

問い合わせがバンバン来ているならば問題ないですが、知名度が低いならば間接的なものを積み上げていくのがいいでしょう。問い合わせは皆無でも、訪問者やページの閲覧数が増えていたり、メルマガ登録などがあれば、めげずにやっていけるものです。(体験談)

2.コンバージョン率(CVR)がわかる

目的があってページを増やしているのですから、どのくらい成果に貢献しているかがものさしになります。コンバージョン率が貢献度と考えてOKです。

しかし、「問い合わせ」だけが軸になってしまうと、直接貢献していないページだらけになります。「〇〇とは?」などの情報収集している人が訪れるページから問い合わせにつながるケースは低いですし、「料金・プラン」のような比較検討をしている人が訪れるページは確率が高くなります。

だから、複数のコンバージョンを設定してあげましょう。少なくとも集客・セールス・ファン育成といった3つの軸は必要かと思います。

3.ページ別の貢献度がわかる

どのページが役割を果たしているか分かれば、「できるページ」を参考に「ダメなページ」を引き上げることができます。最初の軸は「問い合わせ」でいいでしょう。コンテンツが増えてきたら貢献度も集客・セールス・ファン育成といった軸で評価するのがいいでしょう。

4.貢献度を高めるための仮説がつくれる

  • なぜこのページは集客できているのか?
  • なぜこのページは特定のページに送客できているか?
  • なぜこのページは問い合わせボタンをクリックする率が高いのか?
  • なぜこのページを経由すると問い合わせ率が高いのか?
  • なぜこのページを見るとリピーターになる確率が高いのか?

答えは現場(ページ)にあります。特に同じグループ内で最も優秀なコンテンツと、最もダメなコンテンツを比較すると仮説を見つけやすいです。優秀なコンテンツが当たり前にできていることが、ダメなコンテンツではできていないことが見つかります。

コンバージョンを設定した後にすること

コンバージョンを設定したら、ページの分析と改善を実施します。

  1. アクセス解析
  2. 仮説立案
  3. 施策実行
  4. 効果検証

1.アクセス解析

各コンバージョンを元にホームページにあるコンテンツを仕分けしていきます。仕分ける観点は様々で、サブとして使う指標も分析していきます。アクセス解析については下記記事で詳しく解説しているので、ご関心があればご覧ください。

2.仮説立案

なぜいいのか、悪いのかをページを見ながら特定していきます。「いい」ならば、どうすれば他のコンテンツに活かせるか?(標準化:ルール化できるか)を考えて、「悪い」ならば、何を変えれば改善できるかを考えます。

「仮説」に正解も不正解もありません。ボタンを大きくしたらクリック率が上がるかも?などでOKです。しかし、なぜそう思ったのか、何をしたいと思ったのかは記録しておきましょう。こちらのエクセルがおすすめです(クリックするとダウンロードが始まります)。

3.施策実行

仮説をリストアップして、すぐにできそうならば実行。時間がかかりそうとか、お金がかかるならばしかるべき手順を踏みます。経験談からすると、いちいち稟議が必要な場合は、大抵はやらずに放置されます。リニューアルのタイミングとかでまとめてやろうとするんですね。まとめてやろうとするところは、大抵うまくいきません。

小まめに、コンスタントにやりましょう。

4.効果検証

施策を実行したら、必ず効果を検証しましょう。データの比較には実行前2週間と実行後2週間のデータを使います。狙った変化が生まれているかをよくなった、横ばい、悪くなったのどれかで評価します。

評価が出たらエクセルに記入しましょう。もし、横ばい・悪くなったならば仮説が間違っていたことになります。まずは元に戻してマイナスを食い止め、仮説を立てるところから始めましょう。

うまくいくまで取り組めば、必ずホームページは成長します。失敗は成功の母です。恐れずにチャレンジしましょう。

まとめ:コンバージョンを設定して成果の出るホームページにしよう

アクセス解析が健康診断だとしたら、貢献度の測定はページの体力測定。コンバージョンの設定は競技の決定と言えるかもしれません。ホームページの運営目的によって目標(コンバージョン)が変わるし、目標が変われば数字の捉え方や評価が変わるからです。

ただ、どういったホームページにおいても貢献度の高いページを増やすのが基本方針です。また、直接的には関係しないけど、絶対必要な名脇役を無視しないことです。ホームページの成果はチームプレーで生まれます。セールス色の強いページしかなかったら今すぐ必要としている一部の人しか来てくれません。

コンバージョンを設定すれば様々な課題が見つかります。
「コンバージョン確率が低い」「コンバージョンの質が悪い」といったものや、「コンバージョンがない」といったものもあります。ご安心ください。必ず解決方法はあります。

ぜひ成果の出るホームページにしてください。

またマーケティング担当はコンバージョンだけではなく、KPIやKGIの設定をすることもあるでしょう。そんな方には下記記事が参考になると思います。

ホームページの目標(コンバージョン)を決めようサムネイル

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