7/7、8の2日間、展示会(あまがさき産業フェア)に出展して参りました。
初出展、低予算、短納期という中で、できることをやってきました。
成果が生まれるかはこれからの話ではありますが、これまでは情報収集側での参加だったのが、出展側になったことで得られたものは非常に多かったです。
「もっとこうしておいたらよかったなー」といった反省も含めて、展示会で感じたことや振り返りをシェアさせていただきます。初出展を考えている方にとっては参考になるかもしれません。
展示会に出展した経緯
経緯としては能動的ではなく受動的なものでした。
3月末に「創業枠で出てみる?」と聞かれて、「出ます。」と勢いでお答えしたことで参加が決まりました。
申し込みの締め切りはあと2日、ノリと勢いで返事をしたものの、展示物についても何にも考えていなかったので、もの凄く適当に埋めて申し込みを済ませた3月末。
開催日は七夕なので、まだまだ先の話だと思っていました。
どのくらい適当だったのかが分かる「出展概要」がこちら。
どんな展示物なのかまったく想像できない上に、何を売りたいのかもまったく分からないという「悪い見本」です。
この内容で展示会に出ていたとしたら、黒歴史になっていたことでしょう…。
(この内容で出展してなかったからネタにできるんですよね。)
展示会に臨む心構え
4月末に出展者向けの説明会があるということで参加すると、6月1日からオンライン展示会がオープンするとのこと。
何も準備してない→ヤバイということで、危機感を覚えて現実逃避しているとGWに突入。
「せっかく機会をもらったのだから、結果が出るか出ないかは脇に置いておいて、学びのある機会にしようではないか」と思い立ちました。
さて、何をしようかと考えた時に出てきたのは来場者としての視点でした。
- お目当てのブース以外は興味がないので目を逸らして歩いてた
- 興味がない販促物をもらっても一読してゴミ箱へ直行
- オプトインしたつもりがないのに届いたメルマガは迷惑メールへ登録
というのが「嫌」「面倒」と思っていました。
コトウリが提供しているのは「伴走支援サービス」です。成果を出すためにはITスキル云々よりも、ご本人の「やる気」だったり、相性の方が重要だったりします。
いわばビジネスパートナーを探すようなものなので、「自分がされて嫌なことをしないブースにする」ことを決めました。
- 来場者がブースを見てすぐに判断がつくようにすること
- 無理に販促物を渡さないようにすること(興味を持ってくれた方だけに渡す)
- もらって嬉しい特典企画を用意すること
といったことを具体化していくことにしました。
来場者がブースを見てすぐに判断がつくようにする
このためにシンプルな展示物にしました。適当に埋めた出展概要は
これでした。パッと見て来場者がイメージもできないですし、イメージできたとしても、期待値のコントロールが難しいですよね。
そのため、「ホームページ」という一般的な言葉を使って、ホームページの現在地(ポテンシャル診断)と未来(活用方法)を展示するといったコンセプトにしました。
とてもシンプルですが、分かりやすいですよね。
もらって嬉しい特典として「自社のホームページ」を分析したレポートを用意しました。忖度なしに分析するので、ひどい点数がつくこともあるのですが、概ね好意的な反応をいただけてます。
コンセプトをシンプルにしたことで生まれた効果
- 来場者の反応が二極化
- 当日オペレーションの簡素化
まっすぐ当ブースにお越しいただく方、足を止めてくださる方、一瞥で目を逸らす方といった具合に、来場者の反応や行動が非常に分かりやすかったです。
元後輩に当日のヘルプに来てもらったのですが、「無理にお渡しする必要はない」としていたので、やりやすかったみたいです。
私としても興味のない方に無理に売り込まないようにできたので、よかったと思っています。
展示会までに準備したもの
リアルの展示会に向けた準備、オンライン展示会に向けた準備、告知やオンライン展示会、リアル展示会で接点があった方が来てくれる可能性を考えて、Webサイトの準備(テコ入れ)をしました。
リアル展示会向けの準備
- 足を止めてもらう仕掛け(ポスター・動画)
- コンセプトを形にした配付物(小冊子)
- 展示物の案内チラシ(ホームページポテンシャル診断)
- 申し込み用紙(ホームページポテンシャル診断)
来場者の視線を見ていると、動画を目で追って、看板を見た上でご判断いただく一連の流れができていました。
カンバンは事務局が作成してくださったので、用意する必要はなかったですが、他の展示会だと用意する必要があるかもしれません。
これ以外にもこまごました備品を準備しました。(手持ちで代用できると思います。)
- パンフレットスタンド
- バインダー
- 消毒用品
- ボールペン
- コピー用紙
プロに依頼した方やSP(セールスプロモーション)が本業の方と比べると、見劣りする部分はありました。
表現したい世界がある方は、依頼するのも選択肢のひとつだと思います。
オンライン展示会向け
- 動画(ホームページポテンシャル診断)
- 各種展示物のサムネイル
- サービス資料、会社案内などのダウンロード資料(PDF)
- 各種案内文
オンラインは画像、動画、テキストで表現するため、Web屋としてはやりやすかったです。
画像の縦横比やアップロードできる最大サイズなどが決まっているので、自由度は低いですが、他の販促物ができていれば組み合わせや二次利用でなんとでもなります。(苦手な方だとこっちの方がしんどいかもしれないです。)
Webサイトへのテコ入れ
- サービスページの構成変更
- 信頼性を担保できる証明書の追加
- 事例紹介コンテンツの追加
展示会でお会いした方がWebサイトに来ていただける可能性を考えて、展示物との整合性を担保すること、信頼性を高めるコンテンツを拡充しました。
展示物である「ホームページポテンシャル診断」を自分のWebサイトへ実施して、出てきた改善案でテコ入れをしました。自分のサイトを客観的に分析する機会ってなかなかないのでよいタイミングになりました。
展示会に出展している方でも、Webサイトがない方もいれば、WebサイトがPCのみなど古いままの方もいらっしゃいました。出展社をすべて調査したわけではありませんが、販売促進や広報についての優先順位は会社によって違うものだな、と思いました。
効果があったと感じた展示物
お渡しする小冊子やポスター、案内チラシなども役に立ったとは思いますが、色々準備した中でも
- 案内動画
- もらって嬉しい特典企画(ホームページポテンシャル診断)
この2つは強力なツールだと感じました。
案内動画
パワーポイントのアニメーションで制作した簡素な動画ですが、明らかに足を止める効果がありました。
本来はポスターに足を止めてもらう予定だったのですが、ブースの位置関係(ポスターの場所が奥になってしまったのと、視線を遮る壁・ビニールがある)の影響で、
左から順番に徐々に言語化するストーリーが機能しなかったです。
モニターを持ち込んでよかったと思います。
もらって嬉しい特典企画
ブースでは申し込みのみいただいて、レポートは後日お届けというサービスですが、こちらを目当てにわざわざブースにお立ち寄りいただいた方もいらっしゃいました。
展示会で名刺交換したとしても、会場を出たら「誰だっけ?」となってしまうことも少なくありません。
短期間に複数回やり取りできれば記憶は強いものになって、必要になった時に思い出してもらえる可能性が上がります。
しかし、興味のない相手からのアプローチが複数回あったとしても、マイナスイメージで覚えられるだけで、プラスにはなりません。
だからこそ、望まれる情報を望んでいる方にお届けする仕掛けを作っておくのは効果が高いと思います。
「ホームページポテンシャル診断」は普段は1ヶ月3社に提供しているサービスです。今回は特別に30社まで拡大して提供させていただきました。
展示会に出展したメリット
- パーパス(自社の存在意義)を問い直すきっかけになった
- コミュニケーション戦略を見直すことができた
- ウェブサイトのメッセージを一本化することができた
何も考えずにノリで出展することになって、準備期間はそれほどなく、予算も限られていてるという制約だらけの状況でしたが、できることが少ないからこそシンプルなコンセプトに舵を切ることができて、今後の方向性を定めることができたのかと思います。
客観的な評価がいただけるので大いに刺激になりますし、圧倒的に「はじめまして」の方とのコミュニケーションが主になるので、自社の製品やサービス、コミュニケーションについて見直すきっかけに使えると思います。
Webコンテンツだと「仕事が忙しい」と後回しにしてしまいがちですが、リアルイベントだとゴール(当日)に向けて様々な準備が必要になるので、強制的に進化(成長)が促されます。
数年に1回くらいのペースで製品・サービスの評価を確認する意味で参加するのがいいかもしれません。
KPIであるポテンシャル診断の申し込み件数もクリアできました。そもそも基準がなかったこともあって甘々なKPIだったので、今後出展することがあれば今回の経験を元に各KPI(配布物の数、名刺取得数、商談数など)を設定してみようと思います。
成果になるかどうかはこれからですが、私にとっては実りが多く、いい勉強になりました。
展示会の注意点
最後に反省点と自戒を込めた注意点を共有します。
- 仕事になったわけではないのに達成感がある
- 出展社プレゼンがあれば積極的に参加
- 交流会などでPRタイムがあれば必ず参加する
- リードへのアプローチは早めにする
仕事になったわけではないのに達成感がある
名刺やリストを集めるのは仕事ではなく、顧客の販売促進や広報の内製化をサポート&成果を出すのが私の仕事です。
ただ、2日間立ちっぱなしの話しっぱなしだと、肉体的な疲労もあって、ものすごく達成感があるんですよね。
自分の商売だからこの錯覚に気づいて修正することができましたが、従業員の立場だと修正するのが難しい気がしますね。(実際頑張って、疲れているわけですし…)
「どこまでをイベントとするのか」(フォローまで、案件化までなど)をルールに組み入れて、その後に特別ボーナス、リフレッシュ休暇のような制度にするのがいいかもしれません。
出展社プレゼンがあれば参加する
反省点その1です。有志は10分間プレゼンができました。
私は参加しなかったのですが、プレゼンを聞いてブースへ足を運ぶという動きをしている方もいらっしゃいました。
PRできる機会を用意してくれて、真剣に聞いてくださる方がいらっしゃるのですから、次回出展の際には必ずプレゼンにも参加します。
交流会などでPRタイムがあれば参加する
反省点その2です。交流会の際に参加者のPRタイムを用意してくださいました。
事務局がわざわざ有志を募ってくれたのに尻込みしてしまったんですよね…。こちらも次回は必ず参加します。
来場者へのお礼は早めにする
8日(金)に2日間が終了し、週明けに皆様にご連絡させていただいたので、こちらは比較的実践できた方だと思っています。
桁がひとつ増えたらメール配信システムで一斉送信したかもしれませんが、とりあえずはすべて手動で実施しました。
営業時代だとほぼすべての方に手書きの手紙を書いてたので、かなり楽をさせていただいたかと思ってます。
展示会で感じたことのまとめ
- 客観的な評価がもらえるので、定期的に出た方がよい
- 準備期間はすべて内製で2ヶ月はかかる
- 外部に出すなら4か月は用意する
- イベントへの参加は計画的に
- PRの機会があれば積極的に参加する
- 展示物はシンプルに分かりやすくする
- もらって嬉しい特典は必ず用意する
- 動画を効果的に使用する
Webで集客できるようになると、自分にとっての都合のいい情報や、心地いい話ばかりが入ってきがちなので、勘違いしてしまうこともあります。
初心を忘れないためにも、定期的に参加しようと思います。
最後になりましたが、ブースにお立ち寄りいただいた皆様、お忙しい中お越しいただき誠にありがとうございました。展示物が貴社の一助になれば幸いです。もし、私でお役に立てそうなことがあれば、お気軽にお声掛けください。
お声がけいただいた尼崎信用金庫様、事務局の皆様、制作物にご協力いただいた皆様のお陰でよい経験ができました。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。