マーケティングにたずさわっていると、「いかに素晴らしいユーザー体験を届けるか」を考えます。
ネタ不足になるわけにはいきません。
そのために、普段から引き出しを増やしていくわけです。
だから、「面白いな」とか「おお!」と思ったことはできるだけ記憶に残すようにしています。
特に心に残ったモノゴトは、写真に撮ったり、メモをしています。
しかし、思っただけだと数日以内に忘れてしまいますし、メモをしただけだと、メモをしたことを忘れてしまいます。
なぜなら、自分なりにまとめていないからです。
せっかく素敵な体験をしたのに忘れてしまうのはもったいない。
本コラムは、「面白さ」をかみ砕いて、どうすれば仕事に活かせるかを考えるための備忘録です。
なぜ面白いと思ったのか、どういった経緯でその体験と出会ったのかなど、カスタマージャーニーとその時の感情を言語化していきます。
今月はこんなラインナップです。
寺社のWeb活用
初詣に行った時のお話です。
向かったのは「勝ち運の寺」と呼ばれる勝尾寺。
新入社員の時に当時の上司に連れて行ってもらってから、なんとなく通うようになりました。
そこらじゅうに「だるま」が奉納されています。
箕面市の山奥にあります。アクセスが悪いのに、ものすごく人気のあるお寺です。
手入れが行き届いています。映えるスポットもたくさんあります。
そんな勝尾寺で「おお!」と思ったのがこちら。
QRコードのついたおみくじ
「詳しい易占はコチラから」となってます。
私が引いたのは53番。URLは下記です。
https://katsuo-ji-temple.or.jp/worship/omikuji/53.html
QRコードが書かれたおみくじに出会ったのは初めてでした。
勝尾寺のおみくじは大吉や吉といったものはありません。
「六十四卦ダルマみくじ」との通り、64パターンのおみくじがあります。
おみくじを引いた人たちは、QRを読み込んでスマホで易占を見ていました。
https://katsuo-ji-temple.or.jp/worship/omikuji/53.html
URLの構造を見てみると「53.html」とあります。
つまり、QRコードと対応する64のWebページがあるわけです。
53の部分を01にすると「乾為天」(けんいてん)のページ、64にすると火水未済(かすいびせい)になります。01~64の間であれば、色々出てきます。
ご興味のあるかたは変更してみてください。
情報を集約して広く配布するのにWebサイトは適した媒体です。しかし、実践しているところは限られています。寺社仏閣はアナログなイメージが強いため、出会ったのは初めてでした。
ちなみに、勝尾寺の「六十四卦ダルマみくじ」は、だるま付きで500円。すごい量のおみくじが売れていきます。
だるまを持って帰って、新しい年を迎えたら奉納します。
すごく自然に再訪を促すアイテムになっています。
俗っぽい言い方をすれば、笹や縁起物は昔の人が考えたポイントカードなものかもしれません。
ポイントが貯まるとご利益が…
博物館の地域を巻き込んだ協創
私は博物館が好きです。先日向かった宝塚にある手塚治虫記念館でのお話です。
阪急宝塚駅から「花のみち」を通り抜けると見えてきます。
最初にもらえるのが「ポイントカード」です。
3回来たら1回タダです。
館内では鉄腕アトムやブラックジャックなどのアニメが当時の映像や、手塚作品の漫画が見放題です。
まんが好きにはたまらない空間です。
そんな中で目を引いたのは他の施設との連携が緊密なこと。
手塚治虫記念館、文化芸術センター、宝塚文化創造館での相互紹介です。
向かった時間が昼過ぎだったので、手塚治虫記念館で時間切れと思っていたのですが…。
手塚治虫記念館の半券があれば、ホテル若水の日帰り入浴1,800円が1,000円で入れるとのこと。
歴史のある大浴場で贅沢な時間を過ごせました。サウナや水風呂はないので、サウナーには物足りないかもしれません。
我田引水ではなく、「一緒に盛り上げていこう!」という地域の姿勢が見える地域です。
次回は朝から行ってみようかと思いました。
通販ギフトの贈る側への配慮
ふるさと納税の返礼品でもらった「ほしいも」ショップのお話です。
ほしいも山中というショップで、もっちり・しっとりした食感と甘みは絶品です。
賞味期限は2週間ほど。
1.1kg届いたときは「食べれるかなー」と思っていたのに、ペロっと食べてしまったほどです。
母が干し芋が好きだと言っていたので、ギフトで送りました。
メールには「後日納品書を送ります。」と記載されていました。
納品書はレターパックで届きました。
その中身がこちら。
「心ばかり」というシールが貼られた試供品が入っていたのです。
本体が4,000円に対して送料が1,650円と高額だったのも合点がいきました。
本来の送料+試供品+レターパック代が含まれた金額だったわけです。
送料を高額にするのは二の足を踏ませる理由になるかもしれません。
しかし、ギフトを贈る側への配慮という点においては、見習うべきポイントだと思います。
なぜなら、実際にお金を払っているのは、ギフトを贈る側だからです。
編集後記
先日同業種の先達とご一緒する機会がありました。
企業向けの支援をしている会社さんなのですが、「支援の効果が出てくるのは半年から一年程度はかかる。なぜなら、マーケティングや企画をするには頭を切り替えないといけないから。」とおっしゃっておられました。
観察や分析が習慣になっていると楽しいものの、慣れていない人だとものすごく負荷が高いらしいです。
マラソンや自転車などの有酸素運動に置き換えると、うなづける部分があります。
1位とのタイム差は1時間21分15秒。同じ距離を走っているのにものすごい差がありますw
マーケティングや企画は視点や考え方がたいせつです。
もし、片岡の視点が欲しい!と思ったら、お声がけください。お手伝いできるかもしれません。