Googleサーチコンソール使ってますか?検索パフォーマンスメニューを見れば、ユーザーニーズが把握できるので、定期的にチェックしていないのはとてももったいないですよ。
検索パフォーマンスを確認することでできること、成果を出すための活用事例を3つご紹介します。
まだGoogleサーチコンソールを設置していないという方や、全体的な機能を知りたいという方はGoogleサーチコンソールの設定方法と開設したらできることをどうぞ。
Googleサーチコンソールの検索パフォーマンスとは
表示回数、クリック数、クリック率、平均掲載順位がクエリ別、ページ別、国別、デバイス別、日別で確認できます。
期間を16か月までさかのぼれますし、グラフを閲覧することができます。
検索パフォーマンスを確認するとわかること
あらかじめ想定したユーザーが来てくれているかどうか、人気のあるコンテンツは何かを確認、その上で新しい集客アイデアを見つけることができます。
主に見るのはクエリ別とページ別のタブです。
クエリ別で見ると目標に合ったユーザーが来てくれているかどうか、ページ別で見るとユーザーニーズに応えているコンテンツがどれかが分かります。
クエリについて念のためおさらい
クエリは検索クエリとも呼ばれるユーザーが検索エンジンに打ち込んだキーワードです。
キーワードの組み合わせを見ることで、ユーザーがなぜ検索したかの理由を推測することができます。
これはクエリタイプとも呼ばれ、知りたい(Knowクエリ)、やりたい(Doクエリ)、行きたい(Goクエリ)、買いたい(Buyクエリ)の4つがあります。
「ケーキ」を題材にクエリとクエリタイプ、検索意図を考えてみましょう。
クエリ | クエリタイプ | 検索意図 |
---|---|---|
ケーキ 歴史 | Know | ケーキの歴史を知りたい |
ケーキ 作り方 | Do | ケーキを作りたい |
ケーキ 近所 | Go | 近所でケーキを食べたい |
ケーキ ギフト | Buy | ケーキを贈りたい |
どのクエリタイプを満たすかでウェブサイトに来てくれるユーザー層が変わってきますし、それぞれのテーマでサイトを運営するのであれば、どういった組織なのかなどがなんとなくイメージできますよね。
クエリ | 来てくれそうな人 | 運営者 |
---|---|---|
ケーキ 歴史 | 料理研究家やパティシエなど | 料理研究家など |
ケーキ 作り方 | お菓子づくりが趣味の人 | レシピ紹介サイトなど |
ケーキ 近所 | 各地域の消費者、バースデーなど | ケーキ屋さんなど |
ケーキ ギフト | 手土産やプレゼントを探している人 | 通販事業者など |
サイト運営者の目的は「来てくれた人に喜んでもらう」ことは共通していますが、ビジネス上の目標がそれぞれ異なります。
料理研究家なら専門性を発揮することで関係者からの寄稿や登壇依頼を期待していますし、レシピ紹介サイトはアクセスを大量に集めて得られる広告収入、ケーキ屋さんは地域の人に来てもらいたいですし、通販事業者は買ってもらいたいでしょう。
組織のPRでコンテンツマーケティングを始めるならば、「知りたい」から「やってみたい」と思ってもらい、最終的に「行きたい」または「買いたい」となってもらえるようにコンテンツを用意していく必要があります。
運営していく内に、いつの間にかビジネス上の目標がアクセスを集めることにすり替わってしまうこともあります。
クエリを通して集めたかったユーザー層と来てくれているユーザー層がマッチしているかを確認することができます。
「クエリ」で目標に合ったユーザーが来てくれているか確認する
クエリに表示されているのは、ウェブサイト全体の状態です。
クリック数、表示回数、CTR(クリック率)、掲載順位をクリックすると表示順番が変わります。
表示回数や掲載順位、CTR(クリック率)を中心に分析しがちですが、現状分析のためにクエリを見るなら最も注目すべきはクリック数です。
クリック数の多いクエリが集めたいユーザー層が使いそうなキーワードになっているかどうかがチェックポイントです。
もし、ユーザー層が使いそうなキーワードがクリック数の上位に入っていないのであれば、投稿するコンテンツを見直す必要があります。
そして、上位が獲得できているなら、上位のクエリに関連しているキーワードや共起語(キーワードを聞いた時に思いつくキーワード)などもカバーできているかを確認しましょう。
クリック数が少ないのは、クエリに対応するコンテンツのタイトルや説明文がユーザーの検索意図や文脈と合っていないからかもしれません。
ページ別タブを確認することでユーザーニーズに応えているかを確認できます。
「ページ」で人気のあるコンテンツを確認する
人気のあるコンテンツの順番でページのURLが確認できます。
検索ボリュームと掲載順位の兼ね合いでクリック数が決まってきます。
検索上位を狙うコンテンツの作り方は別記事で解説しますが、ユーザーが検索する言葉をタイトルに使って見つけてもらい、目を止める仕掛けをほどこして来てもらう、そして来てくれたユーザーに「来てよかった」と喜んでもらうことがポイントです。
上位のクエリの下にキーワード、クリック数と表示回数の下に設定した期間(デフォルト3か月)で集計された数字が表示されます。
クリック数や表示回数などの項目をクリックすると降順(大きい順)と昇順(小さい順)を切り替えることができますよ。
Googleアナリティクスと連携すれば色々便利
Googleアナリティクスと連携すれば、GoogleSearchConsoleレポートから同様の数字が確認できます。
Googleアナリティクスのランディングページレポートで確認すると、サーチコンソールでは確認できないセッション数や、直帰率、目標の到達率などが確認できますし、すべてのページレポートなど他のレポートを一緒に確認すれば、ページ別の平均閲覧時間やどのページへ移動したのかなども確認ができます。
Googleアナリティクスとの連携は必ずしておきましょう。
ケーススタディ:サーチコンソールの情報で改善する
特定クエリの掲載順位を上げたい、CTR(クリック率)を上げたい、新しいコンテンツを作りたいという参考例を考えてみました。
ケース1:大阪のリフォーム会社は特定クエリの掲載順位を上げたい
大阪市内で水回りのリフォームをやっているリフォーム会社をやってる山内さん。
「お客さんの役に立つ」を掲げて、コンテンツマーケティングを始めて半年頑張った。
アクセス数は順調に伸びたものの、本来の目的である問い合わせ数や資料請求数は微増。
サーチコンソールで検索パフォーマンスを確認すると驚愕の事実があった。
検索パフォーマンスのクエリ別データを分析すると、「自分でできるリフォーム」「フローリング 修繕」など「DIY」(Do It Yourself)関係のクエリだった。
「リフォーム 事例」「リフォーム 相場」「大阪 リフォーム」などリフォーム会社を探している人が調べるクエリでの流入がほとんどなかった。
4つのクエリタイプ別に攻略キーワードを決めます。
Knowクエリ「リフォーム 事例」、Doクエリ「リフォーム 一戸建て」「リフォーム 耐用年数」、Goクエリ「大阪 リフォーム モデルルーム」、Buyクエリ「リフォーム 相場」「リフォーム ローン」「リフォーム 見積り シミュレーション」などを中心にマインドマップを作成。
攻略キーワード別にコンテンツを追加する。
コンテンツのタイプはブログ記事、ガイドブック(PDF)、メルマガやステップメール、ランディングページ、シミュレーションページ、チャットボットの導入など。
最終的な目標(KGI)と、中間目標の設定、クエリごとの目標(KPI)を四半期、半期、翌年といった単位で定めます。
最終的な目標:1年後の見積依頼数を20%増加させる。
中間目標:1年経つまでに資料請求数(ダウンロード数)を2倍にする。
・クエリごとの目標
Knowクエリ:攻略キーワード(クエリ)での流入数、メルマガ登録者数など
Doクエリ:ガイドブックのダウンロード数、メルマガ開封率、クリック率など
Goクエリ:モデルルームへの来場者数
Buyクエリ:シミュレーションページの利用数、チャットでのサポート数
シミュレーションページなど準備に時間がかかるものもあるため、複数のプロジェクトを並行して進める。
コンテンツが評価されるまでには3か月から半年程度かかる場合もあるため、オンライン・オフライン広告を利用してテストをしたいページ(ランディングページやシミュレーションページなど)へのアクセスを流す。
クエリごとに設定した目標が達成できているか個別に評価。
仕組みが機能しているか、ボトルネックがないかなどを検証してテストを繰り返す。
コンテンツマーケティングを始める時の目標が抽象的だと、書きやすいテーマから書いてしまいますし、ライバルの分析もしていないことが多いので、いくら頑張っても成果につながらないことがあります。
せっかく時間を使うのですから、明確な目標と測定指標を定めて始めましょう。
ケース2:松山の税理士はクリック率を上げたい
愛媛の松山で小さな会社向けにに節税方法などをセミナーで伝えて顧問先を増やしている税理士の鈴木さん。
事例を中心にアップしているもののアクセス数がそれほど伸びない。
頑張ってるのに成果が出ないのはなぜかと思い、サーチコンソールを確認すると改善のためのヒントが得られた。
サーチコンソールの検索パフォーマンスで確認すると、掲載順位が10位以内のクエリが多く、表示回数もそれなりに多い。
しかし、クリック率が低いせいでクリック数が少ないことが分かった。
シークレットブラウザでCTR(クリック率)が低いクエリを調べてみると、広告と10位以内のランキングが表示される。
検索結果に表示されるのはタイトルと説明文。
ライバルは読むだけでメリットを感じるタイトルと説明文なのに、自分のコンテンツはタイトルでメリットが分からないし、説明文は必ず「こんにちは。松山の節税請負人、鈴木です。」とタイトルと直接関係ない説明文になっている。
本文の内容を端的に表したタイトルと、補足となる説明文へ変更。
アイキャッチ画像も目が留まるものへ差し替えて、SNSなどでシェアされた時のカードスタイルに配慮した。
URL検査で改善したページの更新を連絡、インデックスを促した。
1か月をメドにクリック率の変化を確認。
改善できればクリック数の増加や、掲載順位の改善も見込めます。
アイキャッチの改善をすれば、SNSからの流入数が増加する(Googleアナリティクスで確認できます)かもしれません。
掲載順位がそれなりに高いのにクリック率が低いクエリやページは「実力はあるのに魅せ方がヘタ」なだけです。
タイトルや説明文を変えるだけで劇的な変化が起きることもあります。
ケース3:人事担当は社員ブログを人材採用に活かすヒントが欲しい
人材採用にはお金がかかる。
採用サイトに掲載したら月間20万~だし、「自社で賄えたらコストの削減になる」と持ち掛けられて作った採用スペシャルサイトからの応募は年間通じても数えるほどしかない。
業務内容や社員の人柄が分かればマッチする人材が来てくれるのではと期待して社員ブログを始めたものの、雑記ブログになっていまい、いまいち手ごたえを感じない。
サーチコンソールの検索パフォーマンスを見るとヒントが見つかった。
サーチコンソールの検索パフォーマンスで社員ブログのみで分析する。
カテゴリを指定してクエリに切り替えると業務内容ではなく、「業界 将来性」「業界 今後」という未来への不安でサイトにきてくれていることが分かった。
働いているスタッフから業界の将来性、業界内での自社の立ち位置、入社することで得られる技術などのコンテンツの元になるアンケートを作成。
コンテンツの魅せ方はインフォグラフ、動画インタビュー、画像を豊富に使った取材風記事など。
コンテンツをウェブサイトで公開、採用したい属性がよく使っている媒体やSNSを選んで発信する。
応募数、スペシャルサイトへの流入数などを計測して効果検証する。
社員ブログを始める場合は、慣れてないスタッフのフォローが肝要です。
文章を書くのが慣れているわけではないので、慣れるまでは中心人物が質問に答えるだけでコンテンツの元ができるテンプレートなどを作り、それを加工して発信しましょう。
データ活用のポイントと注意点
どんどんチャレンジしましょう。
最初の半年くらいは成功や失敗に囚われないようにすること。
失敗も大切なデータのひとつです。
根拠になったデータ、立案した仮説、改善施策の内容、結果についての記録を取って、なぜ上手くいった(いかなかった)のかを後で振り返ることができるようにすることが重要です。
同じ失敗を繰り返さなければ、ノウハウが貯まっていきますから、正しい仮説を立てたり効果的な施策を打ち出すまでのスピードが上がります。
表面上の結果に捉われず、様々な方法を試してみましょう。
そのうちどうすれば成果が出やすいのか、出にくいのか、あなたに合った方法が見えてきます。
検索パフォーマンスのデータを活用して改善案の効果を高めよう
Googleサーチコンソールのデータを今まで見たことがない、気にしたことがないという方は、社内のウェブ担当や制作を依頼した外注パートナーへ聞いてみてください。
きっと有益な情報が得られることでしょう。
分析レポートは届いているけど、あまり気にしていないという方は、改善案がユーザーニーズに紐づいていて中間目標などが明確になっているかを確認してみてください。
レポートの見方がかわるかもしれません。
あなたがレポートの作成者なら検索パフォーマンスのデータを含めて作成してください。
施策の精度が上がり、あなたの評価はうなぎのぼりになるでしょう。
コトウリはウェブサイトの分析や改善施策の立案、社内ウェブ担当を育てるインハウス支援をサポートしています。
ご興味があれば、お気軽にお声がけください。