定量的調査は「数」的な理解を得るための調査、定性的調査は「質」的な理解を得るための調査です。それぞれの特長とその手法はどういったものがあるのかをご紹介します。
定量調査
Yes,Noの数や割合、5段階評価などの平均値などの明確な数または量を集計できる「量的」な理解を得るための調査方法です。
主な調査方法としては、「アンケート」です。
各コンセプト案を提示した上でアンケートを実施して平均することで数的なデータが手に入ります。
自由回答の部分は数的な内容に含まれませんが、興味深い意見を提供してくれた消費者にはユーザーインタビュー(定性調査の一つ)のお願いをしても良いのではないでしょうか。
定性調査
定性調査はYes,Noや5段階評価などの数的・量的で表現できない部分を「なぜ、どうして」と聞き手が掘り下げることで、新しい視点や改善のヒントなどの「質」的な理解を得るための調査方法です。
手法としては消費者を集めて実施するグループインタビュー(フォーカスインタビュー)、身内の関係者で実施するオフィステスト、自宅利用調査などが一般的です。
グループインタビュー(フォーカスインタビュー)
想定される消費者を会場に集めて、複数の消費者にコンセプト案を見せ、好ましいか好ましくないかなどの感情は勿論、「なぜそのように思うのか」、「どのようにすれば欲しいと思うか」などの意見を引き出しながら調査を行います。
目的としては一次調査の場合は複数あるコンセプト案を絞り込みするため、二次調査の場合は対象商品への需要度合いの調査(リピーターになってもらえるか、友人などに推薦したいと思うかなど)が目的となります。
また、少数だけど強烈なファンが生まれている案などは、大きく化けることもあります。
一次調査の場合は、「想定される消費者をいくつかの消費タイプ※に分けること」、想定ターゲットは決まっていたとしても、「年代や年収などの幅を広げて多くの反応を取っていくこと」という2点、二次調査の場合は「調査対象の結果を日本全国に置き換えることを想定しておく」「最初は価格を提示せずに使用してもらい、そのうち提示して利用意向を尋ねる」といったことに留意が必要です。
※消費タイプ
化粧品であれば化粧品の購入頻度の多い人と少ない人といった商品カテゴリーへの関与で分けますし、自動車であればマイカー所有者とマイカー購入検討者で区分けします。
オフィステスト
身内である社内や関係者に試してもらい評価・選択してもらうテスト手法。
コンセプト案が大量にある時に使用される手法で、テスト対象者が商品群に詳しいことが多いため指摘が分かりやすいというメリットがあります。
ただ、テスト対象者が商品群に詳しいため、新しいコンセプトに対して否定的になりやすいというデメリットもあるので注意が必要です。
自宅利用調査
日用品などの生活環境によって判断が変わるようなものを調査する際に使われる調査方法。
会場ではなく、自宅で使用する消耗品(トイレタリーなど)を使ってもらった上でインタビューを実施して需要度合いの調査(リピーターになってもらえるか、友人などに推薦したいと思うかなど)が目的です。