なるほど!目的・用途別コーポレートサイトと有用なコンテンツ

なるほど!目的・用途別コーポレートサイトと有用なコンテンツサムネイル

コーポレートサイトは「インターネットにおける会社の顔」です。
コーポレートサイトと言葉にすれば簡単ですが、テキストの一文に至るまで手を抜かずに英知を結集して作ったサイトから、とりあえず無料ブログで作ってみたサイトに至るまで本当にピンからキリまであります。

幅が広いため、作り手としてはお客様の求める機能や用途によってどのくらいの手を掛ける必要があるかを判断するために「要見積」となるケースが多いです。
でも、玄人にとって「要見積」が当たり前でも、素人にしてみれば敷居が高く感じますよね。

さらに届いた見積もりを見ても、「〇ページ」と書いている会社もあれば「一式」と書いてある会社もあるし、UI/UX設計や企画構成費などの項目がある会社もあればない会社もあります。
どう比べればいいかが分からないから、総額で比べようかとなるのではないでしょうか。

これは買い手にどういったコーポレートサイトにすればいいのかといった基準や、それにいくらかかるのかといった相場感がなく、売り手は自社独自の「定番のコーポレートサイト」を提示するからだと思います。

では、定番のコーポレートサイトってなんだよということで、よくある機能や用途を満たすためには、どういったコンテンツがあるといいのか、そして実現するにはいくらかかるのかといった点について解説してみました。
これからコーポレートサイトを作る時やリニューアルする際の参考にしてみてください。

目次

コーポレートサイトも用途や機能で選ぼう

ホームページだと「よく分からん」となるかもしれないので、会社のオフィスで考えてみましょう。
何の制約もなければ、自社ビルを建てて社員食堂や診療所を作って、仮眠室なんかも欲しい!なんてなるかもしれませんが…

誰でも自社ビルを持てるわけでもありませんし、維持するのも大変です。
社内で商談するなら応接室が要りますが、こちらから出向くなら社員の事務作業ができれば事足ります。
オフィスの規模や機能は必要に応じて選びますよね。

ホームページも必要に応じて選べばいいのです。
選ぶ軸は「期待している用途」と「実現するための機能」です。

もっとも、オフィスは内部の人が使うものでホームページは外部の人が見るものなので、自分がどう思うのかではなく、外部の人を中心に考える必要があります。

つまり、「誰に向けたサイトにするのか」、そして「どういった役割を求めているか」によって必要な機能を選べばいいのです。

誰に向けたコーポレートサイトにするのか

外部の人はざっくり分けると下記のようなお客が対象になります。

  1. 取引先、紹介客
  2. 取引したことはないが名前は知ってくれている客(あなたを既知の客)
  3. 取引したこともないし名前も知らない客(あなたを未知の客)

順番に見ていきましょう。

1.取引先、紹介客向けのサイト

取引先と密接な関係を持っていて、取引先が紹介してくれる際にホームページがあるとスムーズだから、とか、個人事業主や会社の規模が小さい時に「とりあえず作っておくかー」ということで作られることが多いです。

100%子会社で銀行の手前作ってみたといったケースや、独立したてで古巣からもらえる仕事がメインといったケースだとイメージしやすいのではないでしょうか。

顧客用のサービスサイトやファンサイトのような会員機能がついたウェブサイトとは設計思想が異なるので混同しないでください。

会社のことを知っている方や紹介した方が信頼の担保になるため、わざわざ説得する必要はありません。
会社やサービスの概要が掴めること、気軽に連絡ができる窓口があることが求められます。

コーポレートサイトのコンテンツ案1

トップページを含めて合計で6コンテンツ、コーポレートサイトを作る時の必要最低限のコンテンツです。
ひとつでも抜いてしまうと極端に利便性が落ちますし、わけが分からなくなってしまいますよね。

また、シンプルな作りなので主要コンテンツをトップページに組み込んで、プライバシーポリシーだけ別ページといった一枚ものの構成で作っているサイトもちらほら見かけます。

ここから事業規模やアピール対象が拡大するごとにコンテンツが増えていきます。

2.取引したことはないが名前は知ってくれている客向けのサイト

展示会や会合、業界紙やネットなどで目にした、あるいは耳にしたことがあるという程度で、サービス名や屋号、会社名など断片的に情報を持っているけど、あんまり詳しくないという未来のお客様候補です。
取引先や紹介客との一番の違いは「信頼度」です。

概要だけでは「試してみようかな」と思ってもらえません。
概要に加えて、信頼感が高まるコンテンツを追加していきましょう。
コンテンツの候補としては複数ありますが、メジャーなところだと下図のようなコンテンツが挙げられます。

コーポレートサイトのコンテンツ案2
信頼度を高める12コンテンツを掲載。

選ばれる理由(他との違い)、お客様の声やメディア紹介、事例紹介といった説得するのではなく、実績を示したり他薦(客観的なエビデンス)によって自社の良さを知ってもらうような作りにすることがポイントです。

会社沿革は歴史の長い企業だと有用ですし、社員の人柄で違いを出したいならば社員紹介や社員ブログを活用するのもいいでしょう。
ここでの社員関連コンテンツは、あくまでお客(外部の人)に社員の人柄や専門性を見せるコンテンツとして作成します。
採用に役立てるためのコンテンツを作るならスポットを当てる部分を変えないと応募者には刺さりません。

しっかりした印象を持ってもらうために作ったことで、取引先からは好評を得ているものの、堅い印象を持たれてしまいイメージしている応募者が得られない、採用した社員がすぐ退職してしまうといったミスマッチが発生してしまうことがあります。

そういった場合は、より社風に近い印象を持ってもらえる「採用スペシャルサイト」の作成が解決の一助になることが多いです。採用スペシャルサイトの作成は採用コストの圧縮と、ミスマッチの軽減に役立つからです。

転職サイトに掲載するのは2~4週で10~数十万かかりますから、四半期ごとに募集するなら掲載料だけで年間100万以上はかかっているところも珍しくありません。(スカウトを使うならもっと多くの予算が必要になります。)

自前のサイトで応募が取れるなら、掲載料も紹介料もかかりません。
さらに社風に近い印象を持った上で来てくれるので、「こんなはずじゃなかった」というミスマッチが減ります。
いいことづくめなので、採用に課題を抱えているならば、テコ入れしてみることをおすすめします。

3.取引したこともないし名前も知らない客向けのサイト

潜在客にもアピールしたい場合のサイトです。
あなたから見てもまだ見込み客ではありませんし、お客さんもあなたやあなたの製品やサービスのことを認識していません。

多くの方が対象になるものの、短期間で商談につながるような方は少なく、先ほどの既知の客と比べると、認識してもらうことから始めないといけません

まずは知ってもらって、それから「この会社(人)は信用できそうだ」、「この会社(人)にお願いしたい!」となるように関係を構築していきます。

コーポレートサイトのコンテンツ案3
より外向きのコンテンツが主体になります。

ソリューション(解決方法)をブログで発信して、悩みを解決したいと検索したお客さんが検索結果や、ニュース、SNSで友人やフォローしている人からのシェアでコンテンツを知ってくれます。

お客が「わざわざ探してくれる」から、数あるコンテンツの中から「選んでもらえる」ようにならなければなりません。
これまでは必要なかったSEO(検索エンジン最適化)のテクニックや「良いコンテンツとは」「クリックされやすいタイトルの付け方とは」といった知識が必要になってきます。

さらに集客用のコンテンツと専門性の高いコンテンツを橋渡ししてあげる「仲介役」のようなコンテンツもあった方がいいですし、より高度なサービスを求めるお客のために分かりやすいサービスページ(ランディングページ)などもあった方がいいです。

何が発信できるかによってカテゴリ設計や、コンテンツのつくり方も変わってきます。
攻略したいキーワードの検索ボリュームが月間10万回を超えるようなビッグワードの場合は、攻略にかかる期間も投稿本数もそれなりに掛かるためコーポレートサイトに機能を組み込むのではなく、ブログメディアを個別に立ち上げることをおすすめします。

広告運用や継続的なコンテンツの発信が前提になるので、WebマーケターやSEOコンサルタントといった方が活躍しているのもこの領域です。

「誰に向けたコーポレートサイトにするのか」のまとめ

誰に向けたサイトにするのかというのは、

コトウリを知っていますか?

といった問いかけに対して

ワシくん

知ってる
いいやつだよね

キツネくん

名前は聞いたことがある
どんなやつかは知らない

グレイくん

知らない

という三者に対して、必要なコンテンツ(サイトの規模)を考えることになります。
図で示すと下のようなイメージになります。

コーポレートサイトの規模感イメージ
コーポレートサイトの規模のイメージ図

ワシくん(取引先・紹介客)相手なら最低限の概要が分かればいいですし、キツネくん相手ならある程度の説明が必要です。
グレイくんを相手にするなら、比較検討する中で選んでもらえるようにしないといけません。

結果的にコーポレートサイトは対象が広がるごとに豊富なコンテンツを抱えて、規模が大きくなっていきます。
規模が大きくなるごとに制作コストは増えていきます。

ターゲットコンテンツの特長
1.取引先・紹介客概要が分かるコンテンツ
2.既知の客信頼感を高めるコンテンツ
3.未知の客期待感を高めるコンテンツ
検索上位に表示されるコンテンツ
話題になるコンテンツ

正直なところ、1や2で十分ならばSEOの知識はほぼ必要ありません

屋号やサービス名などの固有名称で1位になるのは超カンタンです。
(当サイトも屋号である「コトウリ」というキーワードは公開してすぐに1位を獲得しています。)
企業がパンフレットやDMなどに独自の検索ワードを掲載してWebに誘導するのも、ライバルがいない(少ない)キーワードを攻略するのが超カンタンだからです。

3.未知の客を対象にすると、広告、SEO、SNSのいずれかでライバルと勝負することになります。
プロもアマも同じ土俵で勝負するので、集客の難易度やコストがハネ上がります。

コーポレートサイトにどういった役割(用途)を求めているのか

次は、誰に対してという人中心の考え方ではなく、求める役割といった切り口からコーポレートサイトを考えてみましょう。

  1. パンフレット代わりに使いたい
  2. ブランディングしたい
  3. 集客したい

規模や集客方法によっては製品やサービスを中心に作ったサービスサイトや、ブログコンテンツを中心に作ったメディアサイトを個別に立ち上げた方がいいケースもあるのですが、あくまでコーポレートサイトの場合というケースで考えます。

さらに、これらの機能を満たすコーポレートサイトを作る場合に

  • どういう作り方をするか
  • 大体の予算
  • 大体の制作期間
  • 運用方法
  • 押さえておくポイント

といった5つのポイントで解説します。

1.コーポレートサイトをパンフレット代わりに使いたい

インターネット経由で新規の引き合いはこなくても構わないが、「ないのはちょっと…」といった世間体や、「知り合いがみんな持っているから…」といった業界の慣習に合わせるためだったり、「名刺に掲載したいから」といった「とりあえず」のホームページです。

事業内容もある程度決まった業務が多く、取引先も取引量も波はあっても大きくは変動しない。
安定している企業に多いケースです。

定期的に更新する予定(気持ち)もないので、一旦作ったら数年間はそのままにしておいて、何かあった時や節目の時に内容を見直したいという方ならこういったホームページでも十分だと思います。

この用途だと、対象は①の既存客や紹介客となるので、ホームページを作っても集客は見込めないことだけ留意しておいてください。

ポイント回答
どういう作り方をするかWix、JimdoあたりのWebサイトビルダーを使って自作でもOKだと思います。
独自ドメインは取っておくことをおすすめします。
大体の予算自作なら制作にコストはかからず、維持費も年1~3万程度で済みます。
フリーランスなら5万~+保守費
制作会社なら30万~ +保守費 といったところ。
大体の制作期間PCスキルによるものの自作なら1週間
フリーランス1~2週間
制作会社1ヶ月程度
運用方法基本的には運用はしない前提です。
押さえておくポイントこのサイトでは集客はできません。

維持費と保守費の違いは?
維持費はサービス利用料金やレンタル料金で、保守費は保険料みたいなものです。
「何かトラブルがあった時に優先的に対応しますよ」という契約です。
保守契約をしていないと、トラブルが起こった時に「見積もりますー」となります。

2.コーポレートサイトでブランディングしたい

ガツガツ集客したいわけではないけど、訪問してくれたお客に「さすが○○!」と言ってもらいたい方の「しっかりした」ホームページです。

デザインへのこだわりが強く、コンテンツ(各ページ)の内容にも厚みが生まれるため、進行がスムーズかどうか、満足度の高いサイトができるかは担当ディレクターによる部分が大きいです。
ハズレならイライラするでしょうし、当たりなら拍子抜けするくらいスムーズに進みます。

業界内である程度の立場(シェア率が高い、規模が大きい、老舗など)を確立していたり、これからチャレンジしていこうと思っている企業は自社の世界観をデザインで伝えるという意味でもこだわっていいと思います。

②既知の客、または③新規客へ広げようとしている方向けの内容となるので、信頼感を高めるコンテンツをしっかり作り込んで、集客向けの施策を考えるのがよいでしょう。
運用を前提に機能を用意すると、いざ施策を実施する際につまづかなくて済みます。

ポイント回答
どういう作り方をするかフリーランスや制作会社へ依頼することをおすすめします。
内製でやりたい場合はWebデザイナーやフロントエンドエンジニアを雇いましょう。
大体の予算フリーランス30万~、制作会社50万~
コンテンツの量(ページ数)や機能によって変動。
大体の制作期間2ヶ月~半年
運用方法事例やお客様の声などを収集できるようにしておく。
営業と連携して更新許可を得たり、アンケートを送付するなど。
押さえておくポイント集客力はさほど強くない。
訪れた人のページ閲覧数や滞在時間、問い合わせ率や資料請求率が評価基準となる。

3.コーポレートサイトで集客したい

ガツガツ集客したい、アプローチする候補(リード)を獲得して欲しい、できれば申し込みや濃い(確度の高い)問い合わせを獲得して欲しい方の「セールスパーソン代わりの」ホームページです。

信頼感を高めるデザイン、思わず欲しくなってしまうような構成の商品紹介ページ、検索結果の上位に表示させて膨大なアクセス数を稼ぐコンテンツが相乗効果で高め合います。

イメージをカタチにできるデザイナー、魅力的なコピーで読んだ人を惹きつけるコピーライター、SEOを熟知したマーケターが集まって作り上げるため、作るまでの準備も綿密になりますし、関わる人間が多いので予算もそれなりにかかります。

対象は③新規客であるため、お悩みベースでコンテンツを作って、コンテンツをまとめ上げるカテゴリ設計が「良いサイト」になるかどうかのキモになります。

ポイント回答
どういう作り方をするか運用に強い制作会社やマーケティング会社へ依頼することをおすすめします。
内製するなら運用できるWebディレクターやマーケターを雇いましょう
大体の予算100万~
コンテンツ数によって変動します。
大体の制作期間3ヶ月~半年
運用方法集客数の目標値
CVの基準(問い合わせ、申し込み、メルマガ登録など)
CV獲得数などを示せるようにしておく
押さえておくポイント制作にかかる費用と運用(広告やコンテンツ作成費)にかかる費用は別枠で考えておく

制作以外にかかる費用
維持費、保守費、広告費、コンテンツ作成費の他にメルマガやMA、SFA、CRMといったマーケティングツールを利用するならその使用料、コンサル費などが代表的な費用です。
どういったコーポレートサイトを作るのかといった制作の他に、どういった使い方をするのか、どうやって宣伝するのかなども考えた上で予算を組むことをおすすめします。
車は買ったけど、ガソリン代がないからどこにも行けないなんてことにならないようにしてください。

自分の理想とするコーポレートサイトを作ろう

コーポレートサイトの用途や求める役割、それを実現するためのコンテンツを紹介してきました。
あなたの用途やサイトに求める役割にマッチする例は挙げられたでしょうか。
実現するためのコンテンツ例を見て、あなたの理想とするコーポレートサイトのイメージが固まったなら嬉しいです。

もし、現在自社サイトを持っていたとすれば、期待している用途と現在のコンテンツを見比べてみてください。
ブランディングしたいのに事例紹介がない、集客したいのにソリューション提供型のコンテンツがない、リードを獲得したいのにダウンロードコンテンツがないなどの「穴」が分かるかもしれません

コトウリはウェブサイト関連のお困りごとをお伺いして課題解決のために制作、(プチ)リニューアル、特化サイトの立ち上げなどをお手伝いしています。
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