中小企業診断士の実務補習にいってきました

実務補修に行ってきましたサムネイル
目次

実務補習はどんなことをするのか?

集まった実務補習のメンバーの中で担当を決めます。各パートの観点から総合診断をした上で報告書を作るのが目的です。各パートの主要なものは下記です。

  1. 経営戦略
  2. 営業・マーケティング
  3. 財務
  4. 人事・労務
  5. 生産・技術
  6. 企業独自の課題(デジタル化と事業承継・M&Aでした)

各パートは二次試験の内容に似てるとお感じになったのではないでしょうか。もともと、実務補修は「三次試験」だったらしいです。(口述試験と同様に落ちることはないらしいですが…)

事例Ⅰは人事組織、事例Ⅱはマーケティング、事例Ⅲは生産管理、事例Ⅳは財務でしたよね。

実務補修のイメージはこんな感じ。指導員の先生と複指導員の先生からご指導いただきます。メンバーは6名で、それぞれのパートを担当します。担当の決めかたは、立候補制です。

班長が経営戦略を担当して、それ以外の4名が事例Ⅰ~Ⅳのパートを担当、残りの1名が個別の課題についての処方箋をつくるイメージです。

実務補修はやったほうがいい?

やったほうがいいと思います。なぜなら、スタンダードな診断プロセスを実感できるからです。実際にやってみると、私は知っているとできるに大きな違いがあるなーと思いました。

受けないとダメ?

二次試験合格後、3年以内に15日間の実務従事ができるアテがあるなら受けなくてもいいと思います。先ほどの3年以内に…というのは、この期限内に登録しないと二次試験の合格がなかったことになってしまう期限です。登録したら5年ごとの更新になるので、登録したほうが楽ですよね。休止もありますし。

準備することはある?

一次試験の知識を復習しておきましょう。財務担当の方は財務分析ができるように事例Ⅳの復習をしておきましょう。1週間前に診断先企業の情報が届くため、業界研究や下調べはしておきます。

実務補習で使った知識

PEST分析、アンゾフのマトリクス、SWOT、3Cを元に提言を組み立てていきました。外部環境を機会と脅威に分類し、ヒアリングで内部環境である強みと弱みを収集します。財務担当は経営分析を収益性・効率性・安全性・キャッシュフローの観点から分析、弱い部分を強化します。

世の中の流れを機会に分類するのか、脅威に分類するのかは企業によります。たとえば、「金利のある世界」は、預貯金がたくさんある企業なら、受取利息が増えるため機会、借金がある企業なら支払金利が増えるため脅威になります。

実務補習の費用は?

令和7年の実績だと1回受ける人は105,000円、2回受ける人は209,300円です。診断先への交通費、飲食代や打ち上げ費用は実費です。

実務補習はいつ受けられる?

2月、3月、7月、8月、9月の5か月で実施しています。7日コースと8日コースがあって、すべての日に参加できるのが前提です。企業にお勤めの方は有給申請しておきましょう。前半戦が木曜日から日曜日、次の月曜日から木曜日が個人ワークで、後半戦は金曜日から月曜日となります。

有給は最短4日取れば大丈夫です。最終日は打ち上げになることが多いため、翌日も休みだと楽かもしれません。

実務補習はどこで受けられる?

札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7か所で実施しています。

私は大阪在住だったので大阪地区で受けました。実務補習は2回受けましたが、京都や奈良の人もいましたよ。ホテルを予約して受けていた方もおられました。

1回目は実家がある仙台で受けて、2回目は居住地の大阪で受けた人や、東京と大阪の2拠点生活をしているから、東京と大阪で1回ずつ受けたなんて人もいました。受ける場所によってやり方が違うため、異なる地域で受けるのも面白いかもしれません。

指導員によってやり方が違うって本当?

共通のテキストがあるため、大筋は一緒です。ただ、1回目と2回目で指導員のスタンスが異なりました。どちらの先生も宿題は少なかったですよ。指導員の先生よりも、一緒に取り組むメンバーの影響が大きいと思います。PCの操作、特にWordやパワポでドキュメントを作るのが得意・不得意で作業内容は大きく変わってくると思います。

メンバーのスタンスが異なると、ケンカ議論が盛り上がる場合もあるみたいです。私が一緒に取り組んだメンバーは、みな熱心な人でした。大きなもめ事もなく、順調に進みました。感謝!

個人的な感想

指導員はどちらも面識のあった先生でした。大変お世話になりました。ありがとうございました。また、1回目、2回目ともによいメンバーに恵まれました。ただ、独立しているのは私だけで、他の述べ10名は企業内診断士でした。大企業や官庁などに勤めている人が多く、企業規模によって競争力の差があるのも無理はないなーと思ってしまいました。

9:00~17:00みっちりと仕事をするというのは、フリーランスにとっては久しぶりの経験でした。脳みそをしっかり使うため、疲労が溜まります。軽い運動をすると疲れが抜けるのでおすすめです。

1回目は経営戦略、2回目は財務を担当しました。班長(経営戦略)をするものいい経験になりますし、財務分析も実務を体験できてよかったです。得意分野の確認と苦手分野(財務)についての学びが深まりました。これがきっかけで、財務や決算書についての本を買い漁ることになりましたw

フレームワークは便利

外部環境を分析する際に、視点が手に入るのが便利です。たとえば、PESTだとPolitics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)といった観点で「抜け漏れがないか?」を考えられます。全体で考えると漠然としていて思いつかないですが、個別に考えるとアイデアが生まれてきます。

たとえば、自社にとって有利な外部環境は?と考えても思いつかないですが、大阪で自社にとって有利な条例や補助金・助成金はある?と考えると、何を調べればいいかが明確になりますよね。社会だと多様性が求められる風潮になっていますし、技術だとAIが発展してきています。

具体的に考えると、色々なアイデアが生まれます。検索するときは具体的なキーワードを入れないと調べられないですし、AIに尋ねるときも指示を出す精度が上がります。

提案を考えるとしても、市場、競合、自社の順番で考える(いわゆる3C)と、きれいに考えがまとまって、提案が書けます。アンゾフのマトリクスも既存市場、新市場、既存製品、新製品の枠組みで考えていきます。現在の自社がいる市場はまだまだ余地があるのか、それとも衰退しているのかなどを考えていきます。

PEST以外にも、5フォース分析(業界内、買い手、売り手、新規参入、代替品)で考えれば、視点が広がります。フレームワークは使ってこそ効果が出てくるものです。ぜひ身につけてくださいね。

一緒に日本を元気にしよう!

先日登録申請をしたため、問題なければ11月には登録されて晴れて中小企業診断士として活動ができるようになります。公的業務としては、クリエイティブネットワークセンター大阪MEBICのコーディネーターが3年目、産業創造館の専門相談員が1年目です。さまざまな状況の方々から相談をいただいて助言するのは自分の性に合っているなーと思います。

今後はウェブに強い診断士、あるいは経営の相談もできるウェブ屋として活動を広げていこうと思っています。活動のメインは地方を考えています。なぜなら、相談できる人員が不足しているからです。地方の中小企業を財務とマーケティングの両面から支援して、地方を元気に、そして日本を元気にしたいと考えています。

同じ志を持った方と、一緒にプロジェクトに取り組みたいです。よかったら声をかけてください!お待ちしてます。

実務補修に行ってきましたサムネイル

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

この記事が役に立ったらシェア!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次